YAMAHA SR400
RODSTAR
満天に磨きをかける
伝家のアルゴリズム
ひと手間もふた手間も加えた鈑金加工でカスタムに深みを与える、福島の『ロッドスター』。作り手の熱量がダイレクトに注がれたディテイル群はそのそれぞれが燦然と輝くが、トータルで組織された時にこそ威力が倍増する。また、2019年のホットロッドカスタムショーでは『Wheels and Waves’ Pick』を受賞するなど、抜きん出た視野を持つ世界的イベントのオーガナイザーをうならせた一台でもある。
店主の永井さんにカスタムの経緯を尋ねると、基本的にはオーナーがこと細かにスケッチしてきたデザイン画を見てそれを忠実に製作したものだと言う。この二次元で描かれた明確なビジョンを具象化する作業には確かな技量が必須。相手の意を汲んだ子細なカスタムは、作り手が気ままに手を動かすのとはまるで違う難易度が求められる。
「ある程度カスタムされた状態でウチに来て、こうして欲しいと結構細かいデザイン画を見せてくれたんです。だからそれになるべく正確に、ずれがないように作っていく感じでしたね」
一番のポイントはアルミパーツ。フロントマスクやガスタンクカバー、エンブレム、シートカウル、電装ボックスなど、至る所に配された鈍く美しい輝きを放つ造形は、氏が時間を惜しまずに手掛けた渾身の箇所である。それらは1枚もののアルミ板だとどうしても3D感を表現出来ないことから、数個のパーツを溶接して均(なら)してを組み合わせて形にしたものだ。
「ガスタンクのカバーひとつ取っても部品点数からすると7、8点使ってます。それぞれ1点1点作っていってそれを合わせて立体感を出してます。1枚板でぺろんと作るよりは重厚感も出るんじゃないかなって」
ほかに、今回はフレーム自体は既にオーダー前から形が決まっていたため、各パーツのサイズ感や装着位置で全体のバランスを取っていったそうだ。しかしフレームの後端、リア周りのみラグ風に加工して同店の甘露(かんろ)を付加。一度すべて鉄で作り直してメッキ処理し、その上から黒で塗り分けたペイントを施している。
「鉄とアルミですか? 特にどうのというのは無いですけどアルミの方が好きですね。この質感もですけど最後の仕上げもペーパーの番手で自分の好きな照り方に調整出来ますんで。あとまあ、やっこいんで作業性も良いですよね(笑)」
アルミを巧みに使った伝家のアルゴリズム。全方位に貫かれた徹底した作り込みに目をやれば、緊張が走るほどに容赦がない。
YAMAHA SR400 DETAIL WORK
FRONT FORK
純正フォークにアルミ製フロントマスクをセット。中央を開けたデザインとしてそこにライトを縦置きに装着。
GAS TANK
タンクの表面を彩るカバーとエンブレムはアルミでワンオフ。数個のパーツを組み合わせて丹念に造作される。
FOOT CONTROL
マフラーやフットコントロール、その後ろのETCボックスなど芸術性を持たせた巧緻な作りが同店のカラー。
SUICIDE SHIFT
シフトはスーサイド式で、スイッチ類を埋め込んだ電装ボックスやステップ上のカバーはワンオフのアルミ製。
SEAT COWL
立体的デザインに整えられたアルミ製シートカウル。数個のパーツを組み合わせて重厚感も演出していると言う。
FRAME WORK
元々ハードテイル化されたリア周りを作り直してメッキ処理。その上をブラックペイントで塗り分けている。
BUILDER’S VOICE
RODSTAR
住所 | 福島県会津若松市門田町大字一ノ堰字土手外1924-10 |
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電話 | 0242-77-4818 |
FAX | 0242-77-4818 |
SHOP | RODSTARのショップ紹介 |
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定休日 | 水曜日 |