ヤマハ XS650 1978のカスタムバイクチョッパー

YAMAHA XS650 1978
RODSTAR

January 4th, 2019

アルミに託す
流れるスレンダー

‘78年式XS650をベースに、ロッドスター永井さんの情熱がたっぷりと注がれた一台。コンセプトは、『流れるラインの未来的なフォルム』。そんな氏の描いたボディシェイプばかりか、艶やかな金属の質感にも目を奪われるクラッシュホットだ。

ヤマハ XS650 1978のカスタムバイクチョッパー

「今までリジッドフレームだったものに、手を加えてサスペンション機能を追加してます。やっぱり実際に走ってエンジンの乗り味を楽しみたいんで」

一昨年の2017ホットロッドカスタムショーに出展したマシンをモディファイしたものだそうだ。全体に渡り見所は尽きないが、まずそのリアのサスペンション周りから話を聞いてみた。

ヤマハ XS650 1978のカスタムバイクチョッパー

「サスの構造を見せないようにするのと、スイングアームをなにか違う感じにしたかった。何て言うんでしょう、普通は平行に持っていくんですけど、それだと面白くないから上から取り回したというか」

いろいろ模索した結果完成したそれは、平行ではなく斜めにかたどったオリジナル。もちろん見かけのインパクトだけではなく、当初の目的通り『走り』の旨味は巧みに引き出されている。さて、お次は永井さんが最近凝っているというアルミパーツに移ろう。

ヤマハ XS650 1978のカスタムバイクチョッパー

タンク上面に載るオーナメントと、それとつながるシートカウル。その下に配した電装ボックスやリアフェンダー代わりの泥よけなど、単にパーツとしての存在感だけではない、ウットリするような曲線美に息を呑む。しかし他に、フロントマスクやアンダーカウルに関しても、すべて地味な作業を繰り返して仕上げたものばかりだ。

「基本、鈑金、溶接、削りのみ(笑)。まあ大変と聞かれればそうかもしれないけど、今回は何気にハンドル周りかもしれない。メーターを収納するケースですね。ハンドルとこれをステンレスで作ったんですけど、溶接すると熱で歪みが出ちゃうんですよ」

ヤマハ XS650 1978のカスタムバイクチョッパー

歪めばメーターは入らなくなる。そのため焦らず慎重に、一番気を付けた箇所だと思う、と氏は工程を振り返る。ダイナミックに姿を変えたスイングアームやアルミパーツではなく、メーターを入れるただの丸いケースというのが意外ながら、リアルな現場の作業風景を夢想させてくれる。

ヤマハ XS650 1978のカスタムバイクチョッパー

「鈑金でパーツを作って溶接して削って、出来るだけ一体感を出せるようにした」

こうしたオートメーションにはない体温が伝う仕事には、そこに費やされた作り手の熱量やロマンがにじむからこそ、見る人の心が強く引き付けられる。

YAMAHA XS650 1978 DETAIL WORK

ヤマハXS650カスタムバイクのハンドル

HANDLE

ハンドルとメーターケースはワンオフのステンレス製。ケースは熱で歪まないよう細心の注意を払った箇所。

ヤマハXS650カスタムバイクのフロントフォーク

FRONT FORK

フォークは純正で、ヘッドライトマスクはアルミで成形。外装パーツ同様に、フレームも有機的なラインを描く。

ヤマハXS650カスタムバイクのガスタンク

GAS TANK

鉄で製作したタンク上面にアルミのオーナメントをフィッティング。リアへと続くラインには色気すら漂う。

ヤマハXS650カスタムバイクのアンダーカウル

UNDER COWL

アンダーカウルに、ウインカーステーを兼ねたカウルをダブルで装着。カスタムの完成度を高めるセクションだ。

ヤマハXS650カスタムバイクのシートカウル

SEAT COWL

アルミで製作したシートカウル。ガスタンクからの流れに逆らわず流麗に、そして立体的なデザインにメイク。

ヤマハXS650カスタムバイクのリアフェンダー

REAR FENDER

鉄製ステーとアルミ材を組み合わせたリア周り。雨天時に大変だったことから気持ち程度のフェンダーを付帯。

BUILDER’S VOICE

RODSTAR

住所 福島県会津若松市門田町大字一ノ堰字土手外1924-10
電話 0242-77-4818
FAX 0242-77-4818
SHOP RODSTARのショップ紹介
営業時間 10:00 ~ 20:00
定休日 水曜日