ヤマハ SR400の70年代スタイルのロングチョッパー1995年式

YAMAHA SR400 1995
2%ER

April 16th, 2021

名勝をモダンに再現する
チョッパーラバーの大一番

ヤマハSRのカスタムシーンにおいて、いま上げ潮に乗ってそのピークで巧みにマニューバーを描くショップの会心の一台。そして狙ったのは横浜ホットロッドカスタムショーでのアワード獲得で、そこにピントを絞り込んで製作したものだそうだ。

「今から1年半前ぐらいに作った車両で、初めてカスタムショーのアワードを狙った’70年代のチョッパースタイルですね。ホットロッドショーに向けてです。まあもちろんオーナーさんのために作ったものですけど」

ヤマハ SR400の70年代スタイルのロングチョッパー1995年式

店主の山口さん曰く、これまではお客さんのオーダー車両に同店の味付けを加えてそれをカスタムショーに出展するという流れだったが、今回はショーありきでカスタムに着手。本腰を入れて向き合ったショーカスタムなだけに、スペシャルな仕様が要所に散りばめられている。

ヤマハ SR400の70年代スタイルのロングチョッパー1995年式

まずフロントフォーク。’70年代当時のジャイロスプリンガーをソースにして、ニュートラルなハンドリングでしっかり緩衝するようにアップデイト。しかしフォーク下部に荷重が集中するデザインの特性上どうしてもハンドリングが重くなりがちだが、そこは何度もボトムロッカーの長さやメインフォーク、トリプルツリーのオフセット量を見直して調整。その補正したトレールにより、片手でもハンドルが切れるものにしていると言う。

ヤマハ SR400の70年代スタイルのロングチョッパー1995年式

リアのプランジャーサスも同じ思考だ。見かけだけ’70年代のスタイルを追うのではなく、現代の機能に落とし込んで初めてフィニッシュという立ち位置は変わらない。こちらもショック機構を確実に動作させ、フロントフォーク同様に将来は商品化も念頭に置いた完成度でととのえられた。

ヤマハ SR400の70年代スタイルのロングチョッパー1995年式

さて、セブンティーズスタイル全開の外装もかなわない。何はなくともフレームである。リアアクスル付近のディンプルデザインの地のメッキ箇所は、STKMというフレーム鋼材を削りではなく絞って造作したパートである。さすがに強度的にこの箇所だけフレームを接ぐわけにはいかないため、ここは1本のパイプを使い、叩いて伸ばし内側に入れて製作されたものだ。要は、削れば厚みが薄くなることからこのデコトラの技法を使ったと、氏は話す。

ヤマハ SR400の70年代スタイルのロングチョッパー1995年式

「そこはパイプを潰してぽこぽこさせてます。あと今回ロッドショーに出してみて、ビルダーさんの受けが良かったんです。みんなじっくり見てくれてたんで手ごたえはありました。今までショーのために作るという意識がなかったんでいろいろ楽しかったですね」

YAMAHA SR400 1995 DETAIL WORK

SR400の70年代スタイルチョッパー1995年のハンドル

HANDLE

ハンドルにドラッグバーを選択。ワンオフのトリプルツリーは2度ほど作り直してオフセット量を調整する。

SR400の70年代スタイルチョッパー1995年のフロントフォーク

FRONT FORK

当時のジャイロスプリンガーを現代に合わせて再構築。フォークは2回、ボトムロッカーは5回ほど改修された。

SR400の70年代スタイルチョッパー1995年のガスタンク

GAS TANK

スポーツタンクをフレームにモールディング。ペイントワークは’70年代当時の空気感をイメージしたもの。

SR400の70年代スタイルチョッパー1995年のシフトコントロール

SHIFT CONTROL

同店オリジナルのミッドハイステップキットとジョッキーシフトの組合せ。電装ボックスはアルミのワンオフ。

SR400の70年代スタイルチョッパー1995年のサスペンション

SUSPENSION

リアはプランジャーサスで、ブレーキキャリパーはダブル仕様。一つはフロントのブレーキレバーに連動する。

SR400の70年代スタイルチョッパー1995年のフレームワーク

FRAME WORK

フレームのアクセントになるディンプルデザインのメッキ部位。STKMの鋼材を使い、削りではなく絞りで造作。

BUILDER’S VOICE

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