
HONDA CB750 Custom “Exclusive” 1981
A BEARD
革新的なスタイルチェンジ
クルーザーからの華麗なる変貌
広島の老舗バイクショップという表看板を掲げつつ、他方では、手練のカスタムショップというサイドBも併せ持つ『ビアード』。同店が昨年末の横浜ホットロッドカスタムショーに続いて、先日の名古屋ジョインツに出展していたマシンが、この美しいブルーのカフェレーサーだ。
さてこのマシン、ベースとなったモデルが興味深い。ホンダのCB750カスタム“エクスクルーシブ”だ。’80年代初頭に発売されたこのバイクは当時各社がリリースしていた、いわゆるアメリカンモデルであり、低いシート高やプルバックハンドルなど、ツーリングモデルとしての位置付けで4年間販売されたものだ。
このバイクが入庫した際、店主の上田さんは雰囲気をガラリと変えるカスタムを思い描いた。
「息子が大きくなって免許取ったら一台作ってやろうと思ってたんですよ。このCBを思い切って違う形に、カフェレーサーっぽくカスタムしてみようと思いました」
そうして、どっしりとしたエクスクルーシブを全く性格の違うカフェレーサーに変化させるプロジェクトがスタートした。
カフェといえばシートカウル。その製作のため、アメリカンタイプ特有の無骨なリアエンドから改善。そこにワンオフのテールカウルを配備し、かつてタンデム仕様の優雅なシートが載っていたパートは、スパルタンなソロシートへと生まれ変わった。
続いてはガスタンク。ベースになるタンクを選ぶべく、様々なマシンのタンクを当てがってみた結果、カワサキZRX400のタンクを選択した。それを詰めてリメイクし、よりカフェ然とした最良な形状にシェイプしている。
そしてこのバイクのカフェらしさをより高めているのがロケットカウルだ。GOODS製のカウルは、最適なマウント位置を割り出すため何度もシミュレーションを重ねてフィッティング。そしてもちろん、ハンドルはセパハンである。
雅やかなライディングがコンセプトだったツーリングモデルは、戦闘的なシルエットのレーサーへと変身を遂げた。
この、オリジナルの面影を残さぬように見えて、特徴的なデザインの前後ホイールや、発売当初はホンダの最新技術だったフォークのエアサスを残しているあたりに、作り手上田さんのホンダへの、そしてCBへの敬意を感じさせる。
艶やかなキャンディブルーをまとうビアード謹製CBカフェレーサー。形は変われども、サイドカバーには“EXCLUSIVE”(=特別)の文字が誇らしげに描かれていたのが印象的だった。
(写真・文/マツモトカズオ)
HONDA CB750 Custom “Exclusive” 1981 DETAIL WORK
COCKPIT
3連がその気にさせるコックピット。ピーク回転を上に持ってくるタコメーターの配置は元レーサーの性。
FRONT END
フロントは純正の美点を活かした。時代を体現しているホイール形状、ボトムに“AIR SUS”の文字が誇らしげだ。
ENGINE
エンジンは他のCB750と同じ。キャブはパンチのあるFCR37に換装している。バックステップはワンオフ。
SIDE COVER
60thは上田さんの還暦記念、23(フミ)で文彦という名前を表現する。スイッチはHigh&Lowとスターター。
MUFFLER
ワンオフのエキゾースト。1番と4番は内側に軌道を変えることでライディング時のバンク角を稼いでいる。
SEAT COWL
シートカウルにはETCを収納できる空間を確保。テールランプはダートフリーク製のテールを2連にして装着。
BUILDER’S VOICE
A BEARD
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