GARAGE STYLE 083

ガレージスタイル083（山口県山口市）

SHOP

July 30th, 2021

蔦（つた）のからまった店の外観からして雰囲気がある。そして一歩中に足を踏み入れると、全身に彫り物をした店主が作業の手を止め、ちらりとこちらに視線を注ぐ。そのピリッと緊張感のある佇まいは、先の外観のイメージと見事なほどの秩序を保っている。

2010年の起動より、ハーレーを基軸にしてショベルやパンヘッド、時にナックルやサイドバルブに対処。『走り』に重きを置いたカスタムを信条とする杉本さんは、’50～’60年代あたりのチョッパー黎明期の世界観を好みに挙げた。

そんな氏は冬場を除き毎月ツーリングを主催し、長年お客さんと一緒に走るのをライフワークとする。それは、自身が17歳で限定解除したのを機にショベルに乗り出し、このパンヘッドとも20歳から既に25年近くを共にするという生粋のハーレー乗りゆえの透明な衝動からだ。

「まあずーっと乗って欲しいですよね（笑）」と話すその内容よりも、一台と共にじっくり時間を刻む氏の在り方が、ショップとしての声をすべて代弁している。

1階が『GARAGE STYLE 083』で2階は知人が経営するバー&ハンバーガーショップ。車種はハーレーのショベルヘッド以前の旧車が主となり、一部国産車の相談にも応じている。

金属加工はパーツ製作からフレームワークに至るまでをカバー。エンジン／ミッションの内燃機作業に関しても店舗奥の専用スペースで実施し、ひと通りの作業を自店で完結。

旧車は壊れる前提で販売し、壊れないまでもそれぐらいの覚悟が必要だと語る。カスタムに関して氏は’50～’60年代のボバーからちょっと毛が生えたようなチョッパーが好きだと言う。

店内奥にバイクギア専用ルームを設置。ヘルメットメーカー『DIN MARKET』オリジナルのヘルメットやグローブなどが整然と陳列。『走り』に重点を置くショップならではの空間だ。