HONDA CB750 EARA
A BEARD
たこ焼きを囲んだ
10人の元気玉
1977年に、ホンダが技術を結集して販売したのが、CB750エアラだ。そしてこの車種の何が凄いって、オートマチックの変速機を搭載した点に尽きるだろう。しかも、クラッチワークの必要がないこの自動変速機は、一般的なオートマチックの呼称ではなく、『ホンダマチック』という商標名がついたトビッキリ。全盛期のホンダイズムが濃厚に息づく、革新的なバイクだったわけだ。
そんなマニアックな車種をベースにカスタムしようと言うのだから、かなりのチャレンジャーである。ヤマハSRやカワサキWといった代表的なモデルではなく、誰も手を付けない希少車を持ってくるあたり、カスタム本来のフリーなマインドを地で行くショップと言えよう。
「ポイントはオートマチックのバイクを使ってカスタムしたところかな(笑)。数が少ないバイクだからフレームも一番後ろだけしか加工していない。ハードにやるんじゃなくて、元の雰囲気を残しつつ作った感じですかね」
代表の上田さんはその中でビアードらしさ、つまりは元気の良さそうな感じを出していると話す。見る人が思わずニコッとしちゃうハツラツとした印象が同店のカラーで、それはこれまでのどのカスタムバイクにも例外なく落とし込まれている。
「今回のビアードらしさはどこだろう? タンクからシートにかけての流れかな。あとは昔のレーサーみたいに、タンクの側面にホースを付けて雰囲気を持たせたりしてますね」
氏が語る『元気が良くニッコリするテイスト』はしかし、客観的にはスタイリッシュな大人のイメージをも併せ持ったものだ。この本人の意思と無関係に作用するフレーバーが、同店のカスタムを単にポップなだけで終わらせない存在へと仕立てている。
ディテイルを見れば、スイッチ類はシート下の電装ボックスにこなれた作業でもって集約。マフラーは特殊な車種ゆえにCBの既製品がそのままでは付かないため、フロント4つのパイプに長さを約5cmずつ継ぎ足して製作したパートだ。出来るだけ純正箇所を残したそうだが、こうした特徴的なモディファイは要所で見て取れる。が、このバイクの思い出はそこではない。
「2010年度のホットロッドショーに間に合わせるのに、ここでみんなでエンジン降ろしてブラストかけたりしてた。当時は平和モーターサイクルの木村君もいて、お客さんと合わせて10人ぐらいでたこ焼き食いながら夜遅くまでやってた(笑)。いっぱいの人に手伝ってもらった思い出が一番ありますね」
HONDA CB750 EARA DETAIL WORK
FRONT FORK
フォークはノーマルを使用。フロントのマフラー4つのパイプをそれぞれ約5cmずつ継ぎ足して仕上げている。
GAS TANK
鉄でワンオフしたタンク右側面に往年のレーサーに倣いホースを組み込む。ペイントはシックスシューター。
ENGINE
オーバーホールしたエンジン。通常のクラッチ位置が肥大しているのが一目瞭然。これぞホンダマチックである。
ELECTRICAL BOX
スターターをまとめたエレクトリカルボックスを配置。同店のポリシーでもある利便性を考慮した収納とした。
SEAT RAIL
フレームで唯一加工したシートレイル。バランスの取れた、ほど良くカチ上がった角度と長さは経験値の成せる業。
MUFFLER
鋭角的に曲がるエッジーなデザイン。エンジン下のオイルパン容量が大きい分マフラーの加工調整が必須となる。
BUILDER’S VOICE
A BEARD
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