KAWASAKI ESTRELLA
A BEARD
落として2本に渡す
モノサス化のニルバーナ
いつだってオリジナリティのあるカスタムで存在感を放つショップだ。トレンドに媚びず、何にも寄せることのない単一のマシンは、毎回新鮮な驚きを持ってファンを楽しませてくれる。今回のエストレヤ250も、色目の鮮やかなカラーリングに一瞬はぐらかされるが、実はフレームからゴリゴリに手を入れたスペシャル版だ。
「初心者でも乗れるバイク。フレームから作り直して出来るだけ細くしてある。イメージはカフェっぽいヨーロピアンの雰囲気で作ってみようかなって。まあ最終的に完成したらこうなっちゃったっていう作りですけど(笑)」
代表の上田さんは、社員を複数名抱える長としての悠然さで、ワクワクとした作業過程を思い出しながら話し出す。そしてその時こぼれる笑顔は聞いてる側をもほっこりとさせるもので、それは、きっと本当に良い時間だったんだろうな、と純粋に感じさせる類のものだ。
さて、特別大変だった箇所はなく、どちらかと言えば楽しかったという氏にディテイルの説明を請うと、フレームを加工したことによるキャブレターの装着が挙がった。そのままでは真っ直ぐ付かなくなるため、30度オフセットさせる必要があったと言う。そこでインマニをアルミブロックから削り出してワンメイク、素知らぬ顔で元あった場所へと落ち着かせている。
お次は、スイングアーム。ノーマルに手を加えたそれは、モノサスを挿入することで厚みが薄くなった分、下側にスタビライザーをセット。どうしても生じるネジレをカバーしている。
「リアサスはバンバン200のショート加工したものを付けてる。モノサスにしたことでスイングアームの強度が落ちてネジレが出るんで、それを最初からスタビで補強してます」
アップタイプにすることで車体に極力近付けた端麗なマフラーもさることながら、マスターシリンダーの選択も理に叶う。サブタンクが付いた物だとデザイン的にまとまりが悪いためセロー製を使用し、ステップ周りもトータルバランスを重視して簡素に製作。
「見どころは色目で言うと、この明るいフレームエンジンと黄色のペイントかな。でも熱が入ったのはやっぱりフレームを作ってスイングアームを作ってキャブレターをオフセットさせてですね」
オートバイとしての『美』を損なうことないビアードらしいポップで快活なカスタム。見るほどに、炭酸の弾けるような小気味良さがまた散らばる。
KAWASAKI ESTRELLA DETAIL WORK
FRONT FORK
フォークはノーマルを5cmローダウン。鉄製のスタビはデザインも兼ねたワンオフで、ライトは市販品を選択。
GAS TANK
ガスタンクは市販品をそのままマウント。しかしシルバーとイエローの瀟洒なコンビカラーで差別化される。
REAR SHOCK
2本から1本化されたリアショックはバンバン200用を加工。スイングアームは周到に手が加えられた。
MUFFLER
車体をスリムに見せるため極力内側へと追い込んだマフラー。タイトなクリアランスと流麗な造形を両立。
SEAT COWL
シートカウルも汎用を使うがリメイクしたフレームワークで、骨格にピタリと沿う見事なマッチングを見せる。
SWINGARM
ノーマルベースで下側に補強用のスタビを付帯。ワンオフステップなど足周りのパーツ同様にシルバーで統一。
BUILDER’S VOICE
A BEARD
住所 | 広島県廿日市市住吉1-2-55 |
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電話 | 0829-32-5644 |
FAX | 0829-32-5144 |
SHOP | A BEARDのショップ紹介 |
営業時間 | 10:00 ~ 19:00 |
定休日 | 第1、3火曜日 |