ヤマハSR500カスタムのグリースモーターサイクル

YAMAHA SR500 1981
GREASE MOTORCYCLE

March 27th, 2021

何重にもかさなる
アイデアと技の空中戦

余すことなくありったけがブチ込まれた一台だ。作り手の指紋が付いてない箇所はどこにもないほどに、全面に渡って精妙な作りで構成されている。そこからは半端な温度で作り上げたものじゃないことがヒリヒリと、沁みるほどに伝わってくる。

ヤマハSR500カスタムのグリースモーターサイクル

起点は、海賊のドラマだと主の鈴木さんは言う。はまって見ていたその船長が乗るバイクは一体どんなものだろう。それを基軸に据えて形にしたのが、このショーバイクだそうだ。

しかしスタイル的なパイレーツの要素もさることながら、あちこちで発光するディテイルがまた鮮烈。中でもフレームは、当然公道で走ることを前提にしているため強度計算から始まり、公認を取るためのプランジャーサスの設計、強度検討書の作成と、かなりの労力を要した部位だ。

ヤマハSR500カスタムのグリースモーターサイクル

「まあ公認に関しては自分ではメーカーがやってることに近いのかなって。あとはもうカッコ良くしかないですよね。例えばフロントフォークのひねりは、散歩した時にたまたま見付けた歩道橋の柵を参考にしてますし」

アイデアの元は目先のところにゴロゴロと、沢山転がっていると話す。そしてその柵を見た氏が、スプリンガーフォークのフロントレッグをステンレスで削り出してひねりを加えたように、他にフロントブレーキにも凡人の発想を超えたところで鋭いライナーが飛び交う。

ヤマハSR500カスタムのグリースモーターサイクル

それは、ブレーキワイヤーを無くそうとしたことが動機だった。ワイヤーを全部取ってやろうと参考にしたのは、100年以上前に使われていたからくり人形などのギアシステムで、それをバイクに活かせないかと作業に着手。結果ホンダの旧ドラムブレーキを、2つのギアを介して自転車のチェーンを使い駆動させている。

ヤマハSR500カスタムのグリースモーターサイクル

また、スーサイドシフトのリンケージもメカニカルな印象を押し出すためあえて複雑に構築。でも動きが悪くならないように、テコの原理を用いて長さを調節し万策を講じるなど抜かりはない。

「元々構造物が好きなんですよ。アイデアが先に来て、その設計図を描いて、頭の中で一回シュミレーションするんです。で、こうやったら動くだろうなって頭の中で出来たものはだいたい現実に出来るんで」

ヤマハSR500カスタムのグリースモーターサイクル

実に爽快だ。その言葉には、炭酸ガスがのどを通った後のような心地良さがある。自分の腕に対する自信と、湧き立つアイデアの泉。何より、10代から慣れ親しんできたオートバイとしての乗りやすさ。そこには決してショーバイクだけで終わらせない、走りの流儀が根ざしている。

YAMAHA SR500 1981 DETAIL WORK

ヤマハSR500ショーカスタムバイク1981年のフロントフォーク

FRONT FORK

74スプリンガーのレプリカをベースに、フロントレッグをステンレスでひねりを加えたデザインにリメイク。

ヤマハSR500ショーカスタムバイク1981年のフロントブレーキ

FRONT BRAKE

往年のホンダXL250S等に採用されたドラムブレーキを、テコの原理を応用し2つのギアを介してチェーンで稼働。

ヤマハSR500ショーカスタムバイク1981年のガスタンク

GAS TANK

内側にゆるく絞ったナロータンクはスチールでワンオフ。ガスキャップはアルミ製のポップアップ式となる。

ヤマハSR500ショーカスタムバイク1981年のシフトコントロール

SHIFT CONTROL

シフトコントロールはスーサイド化。リンケージを敢えて多く使い、配管と合わせてメカニカルな印象を増幅。

ヤマハSR500ショーカスタムバイク1981年のリアフェンダー

REAR FENDER

アルミ製フェンダーステートップはフライス盤で線を引き、サンダーで削り鋳物風に。テールライトもワンオフ。

ヤマハSR500ショーカスタムバイク1981年のプランジャーサスペンション

PLANGER SUSPENSION

縦型スライダーが上下にスライドしてショックを緩衝。アブソーバーは回転式のドア用ダンパーを流用する。

BUILDER’S VOICE

GREASE MOTORCYCLE

住所 愛知県日進市北新町大洞435-1
電話 0561-76-2250
SHOP GREASE MOTORCYCLEのショップ紹介
営業時間 13:00 ~ 20:00
定休日 月曜日、火曜日