ヤマハ SR400のボバースタイルカスタム 1997年式

YAMAHA SR400 1997
LAMP CYCLE

July 15th, 2021

得意技を全身にまとう
大人の雰囲気を醸すSRボバー

SRを中心に、ストリートに映える均整の取れたクリーンなカスタムをリリースし続ける福岡の『ランプサイクル』。今回のマシンも、“らしさ”が存分に発揮されたものだ。

ランプサイクルで、代表松隈さんの右腕として共に行動する若手ビルダー、猪熊(いのくま)さんにカスタムの経緯を聞いた。

ヤマハ SR400のボバースタイルカスタム 1997年式

「ベース車両はストック状態でした。まずは要らないところ、例えばタンデムステップなどを削ぎ落として、ローリング状態からオーナーさんと打ち合わせしながら作業を開始しました」

フレームはサス受けの後ろからをカットし、定番のループフレームを製作。この辺りのメタルワークはこうしたカスタムを数多く手がけてきた同店の真骨頂。リアフェンダーのタイヤへの被さり具合やテールランプのマウント位置など、テール周りの造形には特に気を遣ったという。

ヤマハ SR400のボバースタイルカスタム 1997年式

また、振動の強いSRゆえの配慮も。フェンダーやステーの割れを防止すべく、上下から挟み込む形のステーを製作。しかしそれらは、一見して見えない位置に設けられている。

一方、エンジンはストック。ヘッドからクランクケースまでをブラックアウトし、クラッチカバーはヌルッと光る程度のポリッシュを施すことで、エンジン周りにコントラストを生んでいる。またキャブは純正ながら、乗り味を楽しんでもらえるようにとパワーフィルター仕様に変更している。

ヤマハ SR400のボバースタイルカスタム 1997年式

タイヤサイズはフロント18/リア18インチの純正ホイールに、LOADSTAR製4.5サイズのボリュームあるタイヤを履かすことでボバーライクなスタイルを演出。そこにオーナーこだわりのブラウンのペイントと、タンクに描かれたシンプルなラインが大人の雰囲気を醸す。

そして、ランプサイクルが重要視するカスタムセオリーの1つが、『乗り手とバイクのフィッティング』である。

ヤマハ SR400のボバースタイルカスタム 1997年式

「どんなカスタムでもそうですけど、バイクだけカッコよくても意味がないと思うんです。お客さんが跨ってカッコよくなるように心がけています。ハンドル、シート、ステップは何度かお客様に来店をお願いして、最適なポジションになるようにフィッティングしました」

オーナーファーストという基本姿勢。これこそがランプサイクルがカスタマーから愛される所以(ゆえん)だろう。

ヤマハ SR400のボバースタイルカスタム 1997年式

SRの持つ純正の良さを活かしつつ、随所に程よく手を入れたSRボバーカスタムの好例と呼ぶにふさわしい今回の一台。次回作もきっと、『らしい一台』を見せてくれるはずだ。

(写真・文/マツモトカズオ)

YAMAHA SR400 1997 DETAIL WORK

SR400のボバースタイル1997年式のハンドル

HANDLE

ノーマルスイッチボックスを排しデコンプも移設。シンプルにまとめたハンドル周り。グリップはアマルタイプ。

SR400のボバースタイル1997年式のガスタンク

GAS TANK

初期型SRに採用されていたナローなタンクに換装。キュッと締まった細身なスタイルの演出に一役買っている。

SR400のボバースタイル1997年式のマフラー

MUFFLER

サイレンサーはランプオリジナルのリバースコーンタイプ。フットコントロール系はミッドコンに換装された。

SR400のボバースタイル1997年式の電装ボックス

ELECTRICAL BOX

シート下に違和感なく設けられたオイルタンク風電装ボックスにはCDIやリア周りの配線がまとめられる。

SR400のボバースタイル1997年式のシート

SEAT

こだわりを垣間見るリア周り。シートはランプのオリジナル。イグニッションは電装ボックスの位置に移設。

SR400のボバースタイル1997年式のリア周り

REAR END

リアサスはGOODS製ローダウンサスペンション。タイヤとフェンダーのクリアランスも絶妙なポジションに。

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