ヤマハ SR400のカスタム 1995年

YAMAHA SR400 1995(STROKER 572cc)
BRAT STYLE

August 20th, 2016

ド直球のチョッパースタイルに
ギミックが効いたストローカーSR

SRほど多様なカスタムスタイルに対応する国産車は、他にはなかなか見当たらない。チョッパー、カフェレーサー、ダートトラッカーなど、そのいずれにも相性が良く、また、実にさまになる。それはきっと、ノーマル状態での個性を主張し過ぎない外観や、単気筒エンジンのシンプルな造形に拠るところが大きいのだろう。

ロサンゼルスと東京に活動の拠点を置くブラットスタイル。同店が得意とするSRカスタムは、今回、『ド』が付くほど直球のチョッパースタイルに仕上げられた。そこで早速、東京店を任されるビルダーの三枝さんにポイントを聞いてみた。

ヤマハ SR400のカスタム 1995年

「見ての通り、ピーナッツタンクとコブラシート、シッシーバーという定番のパーツを使った一般的なカタチのチョッパーです。でも、一般的なカタチでありながら国産車でどこまで雰囲気を出せるかにこだわっている。外車に負けないオーラを出せられるかという点です」

『オーラをまとったSRチョッパー』。狙ったカスタムポイントの的を外すことなく、世界中のファンにその名を知らしめる感性とスキルを武器に、イメージ通りのカタチへと具現化されている。SRでありながら、そこから放たれる空気感は一種異様ですらある。

ヤマハ SR400のカスタム 1995年

全体のマシンバランスは相変わらず隙がない。コンパクトにまとめながらもどの部位にも無理がなく、自然なのだ。しかし何より、このチョッパーの見せ場はエイジングである。これは昨今人気を集めるカスタム手法のひとつで、経年劣化で生じるヤレや色あせた独特の風合いを人工的に演出するものだ。

「何十年も前から乗っていた。もしくは、ずっとそこにあったかのような雰囲気を出しています。だからわざとサビを作ったり、ペイントもヤレさせたりしている。経年劣化を意図的にやるというのはなかなかハードルが高いです」

ヤマハ SR400のカスタム 1995年

やり過ぎてもやらな過ぎてもダメ。ことエイジングに関しては『自然な装い』であることが絶対条件で、そこにわざとらしさが少しでも出てしまった時点でアウト。見る者は一気にしらけてしまうものである。その点ブラットスタイルが手がけたエイジングは、これまで多くのビンテージバイクに触れてきたノウハウを生かし、細部に至るまで『自然』な経年加工で処理されている。

「当たり前ですけど、クオリティを追求するほどにエイジングの難易度は上がっていきます。今回はオーナーの意向で、オーソドックスなカタチのバイクに経年劣化を加えたいというものでした。カタチはいわゆるザ・チョッパーというか、分かりやすいスタイルが良いということだったので作りはシンプル。でも、エイジングでうまくオーラを出せたと思います」

ヤマハ SR400のカスタム 1995年年

もし、このチョッパーを前に、「今完成したばかりの新作バイク」と言われても、にわかには信じがたいほどの自然な経年劣化が全体に施されている。直球勝負のチョッパースタイルにエイジングというギミックが効いたSRもまた同店の真骨頂だ。

YAMAHA SR400 1995 DETAIL WORK

ヤマハ SR400のハンドル

HANDLE

ドッグボーンライザーにミディアムエイプハンガーを装着。ルックス、操作性共に良好なセットアップである。

ヤマハ SR400のフロント

FRONT

人工的にサビ、ヤレを作ったエイジング部分。付け焼刃の知識や技術では到底成しえないクオリティの高さだ。

ヤマハ SR400のガスタンク

GAS TANK

ピーナッツタンクのペイントもまた見事な風合いだ。タンクキャップを見れば分かるが一切の抜かりは無い。

ヤマハ SR400のエンジン

ENGINE

エンジンはカンリンストローカー+ワンオフ89φピストン+ヘビーウエイトフライホイールで572ccとされる。

ヤマハ SR400のマフラー

SEAT

シートは程よい肉厚のコブラタイプをチョイス。オリジナルのドロップシートレールにフェンダーステーを装着。

ヤマハ SR400のリアビュー

REAR VIEW

経年劣化の風合い漂わせるシッシーバーとテールライト、フラットフェンダーによる廃れること無いリアビュー。

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