ハーレーダビッドソンショベルヘッドの歴史

ハーレーダビッドソン
ショベルヘッドの歴史

June 27th, 2016

ショベルヘッドの生産が終了してから早30年以上が経つが、このエンジンはアメリカが最もアメリカらしかった黄金期に生まれたものだ。一方、オイルショックや経営陣の交代といった度重なる不運を乗り越え、荒波にもまれながら存続してきたエンジンでもある。ここではその波乱万丈な経緯と、常に進化し続けてきたメカニズムを深く追っていこう。

ショベルヘッドの名前の由来と、
製造されていた期間は?

名前の由来はその名のとおり、ロッカーカバーの形状がショベル(スコップ)に似ていたため。このときエンジンを横から見るのではなく、真上から俯瞰して見るとより一層名前の由来が理解出来るはずだ。エンジンの製造年は、ビッグツインモデルが1966~84年までの18年間だが、実はスポーツスターモデルのアイアンショベルの方がリリース年が早く、1957~86年までで、トータル29年間もの長きに渡り製造されていた。

ショベルヘッドの種類と、
それぞれのモデルが製造された期間は?

エンジンについて、1966~69年の間に生産されたものはアーリーショベル。1970~1984年までのものはコーンショベルと呼ばれている。

【1966~69年】
アーリーショベル
・ジェネレーター(直流発電機)搭載の、パンヘッドの腰下(クランク部分)を流用したエンジンの呼び名。よく『パンショベル』と間違われることがあるがまったくの別ものなので要注意。アーリーショベルが純正の出荷状態なのに対して、パンショベルは個人でパンヘッドのヘッドのみをショベル製に交換したものを言う。
【1970~84年】
コーンショベル
・1969年まで採用されたジェネレーターが廃止されて、軽量でコンパクトなオルタネーター(交流発電機)に変更された。そしてカムギヤケースはそれまでのピーナッツ型から、五角形のコンパクトなものへチェンジ。その形状からコーンショベルと呼ばれた。

ショベルヘッドエンジンについては、アーリーショベル/コーンショベルの2つに分けられる。以下では代表的な各モデルの変遷を挙げてみた。

【1966年~】 ・FL、FLH
・モデル名のアルファベットには意味があり、大きなバッテリー付きが『B』、フットシフトが『F』、高圧縮比が『H』で、それぞれの特性によって文字が加えられた。この時代には、FLB、FLFB、FLHB、FLHFBといったモデルもリリースされた。
【1971年】 ・FX1200 スーパーグライド
・ウィリー・Gによるファクトリーカスタムで、別名ボートテール。後のローライダーやワイドグライドの源流となるモデルだ。
【1977年】 ・FXSローライダー
・74キュービックインチ=1200cc
・ウィリー・Gが手がけたモデルで、当時絶大なる人気を集めた。
【1978年】 ・FLHエレクトラグライドに1340ccエンジンを搭載。この年を機に、以後ニューモデルが続々とリリースされた。
【1979年】 ・FXSローライダーも1200ccから1340ccへ排気量アップ
・FXEFファットボブスーパーグライド、FLHCエレクトラグライドクラシック、FLTツアーグライドがリリース。
【1980年】 ・FXBスタージス、FXWGワイドグライド、FLHSエレクトラグライドがリリース。
目次

ショベルヘッドの誕生

1957年のアイアンショベルからスタート

XL883 SPORTSTER
XL883 SPORTSTER

1957年。スポーツスターモデルのアイアンショベルの発表から幕を開けたショベルヘッドエンジン。ビッグツインモデルはそれから遅れること9年後の、1966年にFLタイプをリリースした。時代は第二次世界大戦後で、デビュー当初はエンジンの素材に合金のアロイヘッドが用いられた。さて、このパンヘッドに変わり台頭したショベルヘッドには、どんな変更点が与えられたのかを詳しく追ってみよう。

まず最初に、言うまでもなくエンジンの外観だけではなく中身もごっそりと変わっている。先代のパンヘッドと比べて、全体的な構造は似ているものの、細部に目を移せばまったくの別物であることが分かる。それは、ロッカーカバーの形状のみならずその内側も然り。パンヘッドはカバー内のロッカーアームが、クランプ型のベアリングによって上と下とで挟まれていた。これは当時最新鋭の技術を擁したドイツのBMWの手法を真似たもので、文句なしの機能性を誇っていたものである。

一方ショベルヘッドのロッカーアームだが、このクランプ型のベアリング支持ではなく、こともあろうかパンヘッド以前のナックルヘッド同様のシステムに戻してしまったのである。つまり、ロッカーアームシャフトでアームを支持する構造である。しかしそれは、テクノロジーの後退などではなく、あくまでも当時ドイツの技術をなりふり構わず注入したパンヘッドに対して、純粋なアメリカンOHVの思想を受け継いだ、いわば米国のプライドを先端の技術で現したものだったのである。

1965年 セルモーターの導入

1965年、最終モデルのパンヘッドでようやくセルモーターが採用されることになったが、これはライバルのインディアンに遅れることなんと50年も経っていたのである。逆に言えば、インディアンは半世紀も早く12Vセルモーターを搭載したV型2気筒モデルを発表していたということ。このことからも、インディアンというメーカーがどれほど抜きん出た存在であるのと同時に、卓越したスキルを持つエンジニアを抱えたメーカーだったかがお分かりいただけるだろう。

1965年にセルモーターを備えたパンヘッド・エレクトラグライドが販売開始され、その翌年にビッグツインのショベルヘッドが華々しくデビュー。そして、初期のショベルのメカニズムは、腰下と呼ばれるクランクケース部分などはパンヘッドのパーツがそのまま使われて「パンショベル」と呼ばれたり、あるいは「アーリーショベル」、「ジェネレーターショベル」など、様々な呼び方があった。

1966年に国の威信をかけたモデルを発表

1966年という、アメリカの景気が高揚して、最も輝かしい時代を得ていた時期に発表されたショベルヘッド。このエンジンはハーレーにとって、いや、大げさに言えばアメリカにとっても国の威信をかけたモデルだったのだ。そのため、ショベルには当時のアメリカが持ちうる技術をすべて投入し、まさに集大成的な一台として発表したのである。

それを裏付ける話として、ビッグツインモデルに先行してリリースされたXLアイアンスポーツの開発スローガンは「打倒トライアンフ、打倒BSA」。この事実からもどれだけ入れ込んでいたかがお分かりいただけるだろう。そして、ハーレーは国内最高峰のエンジニアを従えて、その技術の結晶を45度Vツインエンジンに与えることになる。その結果、ショベルで世界最大の排気量を実現するのと同時に、最大のトルクも記録。いずれにしても、過去のハーレーエンジンの中でもショベルヘッドほどアメリカを強くアピールし、また、アメリカを感じさせるエンジンはなかったのである。

AMFの時代

1969年にAMFの傘下入り

amf shovelhead

ショベルヘッドの時代には、このAMFが深く関わっている。ここでは、ハーレーダビッドソンとAMFとの間の出来事を詳細に紹介しよう。

時は1969年。ハーレーダビッドソンはその当時、収益性の高いビジネスを展開していたことから、市場のマネーゲームの対象になってしまった。つまり、力のある企業や投資家から買収のターゲットになったのである。買収といってもそれは非友好的合併と呼ばれるもので、株式の過半数を買い占められて会社を乗っ取られるという実に荒っぽいものだった。そして遂に、とある大手の企業が株を売って欲しいと、ハーレーダビッドソンの株を所有している役員や大口の株主、ディーラーなどあらゆる人々へと交渉を迫ってきたのである。

非友好的合併の場合、買収されたらおしまいである。その大手企業の手からなんとか自社を守ろうと、ハーレーダビッドソンのスタッフは一丸となって知恵を絞り合った。結果、買収から逃れるには非友好的ではなく友好的な新たな買い手を見付けるほかないという案に行き着く。

そこでハーレーダビッドソンにとって救世主となったのが、AMF(アメリカン・マシン・アンド・ファウンドリー)なのである。一般的にはボーリング設備のイメージが強いが、他にも食品製造機、タバコ製造機、ボートなど、様々な業種を手がける複合企業。そのAMFのボーリングを始めとした一般社会における評判の高さや、エンジニアを大切にする風土、よほどのことがなければ揺らぐことのない経済力など、トータルで判断した上で、1969年にハーレーダビッドソンは正式にAMFの傘下になったのである。

1981年に奇跡的なバイバックで復活

しかし、いざフタを開けてみれば、当初期待していたものとはまったく違う扱いを受けることになった。バイクのバの字も知らない素人のAMF幹部たちが、企画や開発にまで口を出すようになってきたのである。単純に彼らは、大量生産をして売り上げを伸ばすことしか考えていなかったわけだ。しかしもちろん、ハーレーダビッドソンのスタッフたちには大量生産などという馬鹿げた思考は微塵もない。

superglide boattail
FX SUPER GLIDE BOAT TAIL

そんななか彼らは、状況的に決して恵まれた環境ではなかったものの、腐ることなく、またAMF幹部たちの要求もうまく交わしながらニューモデルを発表。それが後の人気モデル、FXシリーズの源流となったスーパーグライド・ボートテールや、今も熱狂的なファンに支持される1977年式ローライダー、XLCRカフェレーサーなどである。

FXS LOWRIDER
FXS LOW RIDER

ところが、1970年代が終わろうとしているその時に、ハーレーダビッドソンにとっては最悪の事態が起こった。なんとAMFが、当初予定していた収益を上げられないことから、ハーレーダビッドソンを売りに出したのだ。それには当時の、社会全体に大ダメージを与えていた『不況』も大きく関係し、金利は10%以上も上がり、所得も減少していたという背景がある。

ハーレーダビッドソン陣営はさすがにその状況で、指をくわえて傍観しているわけにはいかなかった。答えはひとつ。悩みに悩んだ末、今度はハーレーダビッドソンがAMFから自社を買い取ることにしたのだ。とは言え、相手の企業としての規模の大きさや資金力を考えれば、正に、賭けのようなもの。自分たちはもちろんだが、その戦いに挑むことで家族を巻き添えにしまいかねない。だが、この先後悔しないために、真っ向から勝負することを当時の13人の役員たちは選んだのだ。

そして、1981年に奇跡は起こる。ハーレーダビッドソン陣営が今度は逆に、買収を成し遂げたのである。これがバイバックで、AMFから真のハーレーダビッドソンへと、再度自由を取り戻すことになったのだ。

エンジンナンバーの読み方

さて、ここからはマニアックな話を進めていこうと思う。まず、エンジンナンバーの読み方から。

【1966~69年 アーリーショベル】

エンジンナンバーはパンヘッドと同じく左側のバンク下側に刻印。ナンバーは☆マークで囲まれていて、例えば、『68FL3052』と打刻されていたときの見方はこうだ。

・68=最初の2桁の数字は年式
・英文字=FLかFLHの表記
・4桁数字=製造ナンバー

そこでFLとFLHの違いについてだが、メカニズム的にはほぼ同一。しかし、使用しているカムが違うためにバルブスプリングも異なり、結果、バルブストローク量に差が生じている。

・FL=46mm
・FLH=50mm

と、その差4mmが下記のように出力の差になっている。

・FL=60ps
・FLH=65ps

とは言え、この数値はパンヘッドに比べて10%もパワーアップしたものだ。ボアストロークは87.3×100.8mmで1207ccとなり、圧縮比はFL7.5に対して、FLHは8.0。また、この時代には他にモデル名の最後に『P』が入ったポリス用のFLP、FLHPもラインナップにあったが、その性能は他と大きな差は無かった。

【1970~80年 AMF時代】

エンジンナンバーは原則フレームと同一とされ、パワースペックは66ps / 5200rpmと、FLHに比べて1psアップされたが、その程度であれば実用上の差はほぼ無いといえるだろう。この年式になるとエンジンナンバーは、前シリンダーの右側タペットガイド前方に刻印されて文字数も増加。例えば、『2A29654H4』とあった場合はこのような見方となる。

『2A29654H4』

・最初の2文字=モデル名称
(1A:FL1200/FLP1200、1H:FXB80、1K:FLH80shrine、2A:FLH1200、2C:FX1200、2F:FXS1200、2H:CLE80、3G:FLH80、3H:FLH80Classic、3A:XLH、4A:XLCH、5E:FXEF1200、5H:FLHS80、6E:FXEF80、6G:FXE80、6H:FL80、7G:FXS80、7H: FLH1200Police、8H:FLH1200Shrine、9D:FXE1200、9G:FXWG80、9H:FLH80Police)
・5桁の数字=製造ナンバー
・最後の2文字=年式
(H0:1970、H1:1971、H2:1972、H3:1973、H4:1974、H5:1975、H6:1976、H7:1977、H8:1978、H9:1979、J0:1980)

【1981年~】

1978年後期モデルから1340ccエンジンが登場した。そして、81年からはすべての車両が1340ccで統一されたのである。さて、81年からのナンバー表記は、フレームが17桁、エンジンが10桁というように、同じものではなくなった。早速フレームの打刻から見ていこうと思うが、例えば『1HD1ADK14BY543912』とあった場合である。

『1HD1ADK14BY543912』

・最初の数字=アメリカの国番号
・HD=ハーレーダビッドソンの意
・1=排気量の種類
(1:901cc以上、4 :883cc、8:サイドカー)
・AD=モデルの名称
(AA:FLH80 エレクトラグライド、AB:FLH80POLICE、AC:FLH80Shrine 80、AD:FLHC80 エレクトラグライドクラッシック、AE:FLT80 ツアーグライド、AF:FLTC80ツアーグライドクラッシック、AG:FLHCwithsidecar、など)
・K=エンジンタイプ(K:1340cc Shovelhead、H:1000cc Ironhead XL、など )
・1=生産時期(1:通常発表/9月1日頃、2:後半期発表/1月頃 )
・4=工場チェックコード
・B=モデル年(B:1981、C:1982、D:1983、E:1984、F:1985、G:1986、など)
・Y=組み立て工場(Y:York、T:Tomahawk、J:Milwaukee)
・5桁の数字=製造ナンバー

以上が、ショベルヘッドのシリアルナンバーの見方となる。では次に、パーツの詳細に移っていこう。

ショベル時代のキャブレターの変遷

ショベルヘッドの時代では、数回に渡りキャブレターが変更された。その歴史を知っておくのもまた面白い。

【1966年】

初期モデルに採用されたのは、パンヘッド時代のリンカートM-74Bに替わってDC型タイプとなる。このDCキャブは側面にフロート室を持つ特異なもので、その後S&S L型キャブの原型になったものだ。

【1967~70年】
superglide boattail

この期間はティロットソンH-D型を採用。これはダイヤフラムと加速ポンプを組み合わせたもので、横フランジボルトパターンとなる。

【1971~75年】
superglide boattail

ベンディックス・ゼニスが採用。これは後のS&S SUPER Bの原型となったモデルである。

【1976~78年】
superglide boattail

日本メーカーの京浜精機製(KEIHIN)はこの期間のベンディックスタイプと、1981年から用いられた2本ワイヤーを使った強制開閉式の2タイプがあった。

このように、キャブレターの変遷は大きく4つに分けられる。では今度は、0-400mの加速で比較したデータをチェックしてみよう。

・1964年 パンヘッド:15.8秒
・1967年 ショベルヘッド:14.7秒
・1972年 FX:14.43秒、FLH:15.42秒

こうしてみると、ティロットソンH-D型キャブが採用された時代の加速が良いのが分かる。

KEIHINキャブは、

・1978年 FXS:15.09秒

と、先の72年FXよりも遅くなっている。これは78年モデルのギヤ比が25%ハイギヤード化されているのも要因だろう。

・1980年 FXB:14.64秒
・1981年 FXRS:14.26秒

ベルトドライブ化された80年FXBはタイムが上がり、新型フレームが採用された81年FXRSはそこから更にスピードアップ。データから見ても1340ccモデルはアーリーショベルの加速の上をいっていたのである。

オイルポンプの変遷

【1968~72年】

1966年のショベルヘッド誕生時、そこから、いわゆるアーリーショベルの時期はパンヘッドから受け継いだオイルポンプを使用。しかし、68年にニュータイプに変更して72年まで採用した。

【1973年】

ジェネレーターショベルのこの年にはなんと、前期・中期・後期と、オイルポンプが3種類も変わった。

【1973~80年】

その後、80年までは同じオイルポンプが使われた。

【1981年】

この年オイルポンプは1340cc対応となる。

【1982年】

オイルポンプと深い関係を持つブリーザーだが、プラスチック製からメタル製の新タイプに変更。そのため、クランクケースやオイルポンプのパワーアップを狙う場合は入念なチェックが必要となる。ちなみに、S&Sなど社外のオイルポンプを使う場合はオイルラインなどに多少の手を加える場合もある。

クランク、シリンダー内のメカニズム変遷

【ピニオンシャフト】

・~1970年
・1973~81年前期
・1983年~

上記3つの期間で変更を行っている。

【スプロケットシャフト】

・~1969年
・1970~71年
・1972~81年前期
・1981年後期~

年々改善されてゆく。スプロケットシャフトに関して、1981年以前のモデルに手が加えられたリビルトクランクやS&S製クランクを使う場合は注意が必要。純正か否かを事前に明確にしておかないと流用できない場合があるからだ。

社外品のクランクケースはS&Sやデルクロン、STDなどから販売されているが、アーリーショベルのタイプは取り扱いメーカーが少ない。そして、ストックのナックルやパン、今回のショベルのクランクケースなどは発売から何十年も経過していることもあって、しっかりとメンテナンスやリペアを施してあげないと振動による劣化などで、クランクシャフト周辺からクラックが発生することがある。また、ストローカーやボアアップを行ったチューンドショベルの場合だが、こちらはクランクケースやクランク一式は純正品ではなく、社外品のパフォーマンスパーツのチョイスがベターだ。

【シリンダーヘッド】

ショベルヘッドは前モデルのパンヘッドと違い、シリンダーヘッド上にもフィンがある。そのため、それが冷却効果を高めて馬力アップに貢献。ヘッド自体は1966年のデビューから79年まで大きな変化はない。しかし、内部を見てみると、1980年からバルブガイドが油膜のキープ力に優れた鋳鉄製に変更された。更に1981年には、バルブステムシールが新たに設けられて、バルブガイドの上側が改変。その際、バルブとガイドのクリアランスも大きく取られてゆく。ロッカーカバーについては、1980~81年に、シャフトのマイナススクリューにOリングとワッシャーがセットアップされる。

【電気系】

点火については、
・~1977年:ポイント式
・1978~79年:プレスライト式
・1980年~:マグナボックス・トランジスター式
となっている。

お次は充電系。
・~1969年:DC式12V10A
・1970~75年:12V15A
そして、1981年以降は一気に22Aに出力アップしている。

トラブルを避け、愛車と長く付き合うにはレギュレーターは極力純正品、もしくは評判の高いアフターメーカーの物を選ぶ癖をつけること。

最後に、ショベルヘッドの弱点はバルブ、バルブガイド、バルブシートの『バルブ周り3点』だとよく言われている。これは、次モデルのエボリューションと比べて、精度の低い設計図であったり、油圧タペットが長期の使用で性能が落ちるなどという、そもそものクオリティの低さによるものだ。そのため、少なくともレギュレーターやバッテリーなどは定期的なメンテナンスを実施するべきである。例えば、バッテリーは必ず2年に1度のチェックか交換、クラッチ調整は1500kmで行うように。そうした小まめな配慮で寿命は驚くほど伸びるものなのである。