H-D XLH883 1991
plan-j
純粋培養された
Japanese麗心愚
長年リジッドフレームのチョッパーを扱ってきた『プランジェイ』による、走りにふったカスタムである。これまでヤマハSRからハーレーまで、ストリートで艶めくチョッパーを熱烈な愛好家たちに披露してきた同店だが、今回は以前からあたためていたものを形にした一台だ。
「なんか峠とか行きたいなって思い始めちゃって(笑)。リジッドのチョッパーとかだとカッコ良く乗るのは良いかもしれないけど、それよりも良いタイヤとサスでひゅんひゅん走りたいっていう。これがその一号ですかね」
ジョッキーシフトやフロントブレーキレスのチョッパーを都会で乗るのはだるかったと言う。そこで店主の山口さんは、普通に足として使えて、国産Zに乗ってる友人らと山に行ってもガンガン張り合えるようなバイクを念頭に置いて製作した。
「これはほんと自分色なのかな。好きなスタイルというか思いつきでじゃんじゃん作ってます。乗りやすくってわけではないんですけどリアサスをレイダウンしてみたり、これって国産のZとか大型バイクがよくやってるやつですよね」
多様なバイクが好きだと語る氏は、特別にハーレーだけを意識しているわけではないそうだ。下手に壁を作ることなく、国産車からのインスパイアを従順に転化させることでひと味違った雰囲気を形成。そしてそこに、プランジェイ固有の危うい空気がかけ算的に作用して存在感が高められている。
「族車も好きですよ。俺の中ではハーレーも族車のイメージですから(笑)。やっぱり’60年代後半のエンジェルスなんかもそうですよね。それに日本の昔の族車からも同じ匂いがしますし」
象徴的な絞り上げたハンドルをアイキャッチに、前後18インチホイールにコンチネンタル製ハイグリップタイヤを装着。そして39φフォークにスクリーミンイーグル製スタビライザーを付帯させ、オーリンズ製リアサスはレイダウンさせてマウント。一方、シート職人の一面も覗かせる自作の本革手縫いシートも見過ごせないパートだ。
「多分峠とかだったら今どきの速いやつとも腕さえついてくれば渡り合えると思うんですよ。だからほんと走るのが好きな人には良いんじゃないかな(笑)」
これまで抱えてきたチョッパーとは毛色の違う、走りにふったレーサースタイル。そして、タンクに描かれた『Japanese麗心愚』の筆跡。相手を選ぶこの破壊力のある字面も、至って据わりがいい。
H-D XLH883 1991 DETAIL WORK
HANDLE
絞り上げたハンドルはワンオフで製作しブラックアウト。尻上がりの全体のシルエットと雰囲気が一致する。
FRONT FORK
純正39φフォークにスクリーミンイーグル製スタビを付加。タイヤはコンチネンタル製ContiRoadAttack2。
GAS TANK
純正キングスポーツを加工。全方位に入る日本語を織り交ぜた字面に作り手のアティテュードが反映される。
SEAT
リアエンドはループフレーム化。本革手縫いのシートはカスタムシートも手掛ける山口さん自身によるもの。
MUFFLER
有機的に取り回したエキパイにサンダーヘッダーをセット。見た目と走行性能を踏まえて造作したパート。
REAR SUSPENTION
オーリンズ製サスをレイダウン。サス長を延長することで尻上がりのアグレッシブなシルエットを入手する。
BUILDER’S VOICE
plan-j
住所 | 東京都足立区西新井本町1-1-15 |
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