ハーレーのスポーツスター ストリート峠仕様のXLH883 1991年

H-D XLH883 1991
plan-j

February 8th, 2022

純粋培養された
Japanese麗心愚

長年リジッドフレームのチョッパーを扱ってきた『プランジェイ』による、走りにふったカスタムである。これまでヤマハSRからハーレーまで、ストリートで艶めくチョッパーを熱烈な愛好家たちに披露してきた同店だが、今回は以前からあたためていたものを形にした一台だ。

ハーレーのスポーツスター ストリート峠仕様のXLH883 1991年

「なんか峠とか行きたいなって思い始めちゃって(笑)。リジッドのチョッパーとかだとカッコ良く乗るのは良いかもしれないけど、それよりも良いタイヤとサスでひゅんひゅん走りたいっていう。これがその一号ですかね」

ジョッキーシフトやフロントブレーキレスのチョッパーを都会で乗るのはだるかったと言う。そこで店主の山口さんは、普通に足として使えて、国産Zに乗ってる友人らと山に行ってもガンガン張り合えるようなバイクを念頭に置いて製作した。

ハーレーのスポーツスター ストリート峠仕様のXLH883 1991年

「これはほんと自分色なのかな。好きなスタイルというか思いつきでじゃんじゃん作ってます。乗りやすくってわけではないんですけどリアサスをレイダウンしてみたり、これって国産のZとか大型バイクがよくやってるやつですよね」

ハーレーのスポーツスター ストリート峠仕様のXLH883 1991年

多様なバイクが好きだと語る氏は、特別にハーレーだけを意識しているわけではないそうだ。下手に壁を作ることなく、国産車からのインスパイアを従順に転化させることでひと味違った雰囲気を形成。そしてそこに、プランジェイ固有の危うい空気がかけ算的に作用して存在感が高められている。

「族車も好きですよ。俺の中ではハーレーも族車のイメージですから(笑)。やっぱり’60年代後半のエンジェルスなんかもそうですよね。それに日本の昔の族車からも同じ匂いがしますし」

ハーレーのスポーツスター ストリート峠仕様のXLH883 1991年

象徴的な絞り上げたハンドルをアイキャッチに、前後18インチホイールにコンチネンタル製ハイグリップタイヤを装着。そして39φフォークにスクリーミンイーグル製スタビライザーを付帯させ、オーリンズ製リアサスはレイダウンさせてマウント。一方、シート職人の一面も覗かせる自作の本革手縫いシートも見過ごせないパートだ。

ハーレーのスポーツスター ストリート峠仕様のXLH883 1991年

「多分峠とかだったら今どきの速いやつとも腕さえついてくれば渡り合えると思うんですよ。だからほんと走るのが好きな人には良いんじゃないかな(笑)」

これまで抱えてきたチョッパーとは毛色の違う、走りにふったレーサースタイル。そして、タンクに描かれた『Japanese麗心愚』の筆跡。相手を選ぶこの破壊力のある字面も、至って据わりがいい。

H-D XLH883 1991 DETAIL WORK

スポーツスター 峠仕様のXLH883 1991年のハンドル

HANDLE

絞り上げたハンドルはワンオフで製作しブラックアウト。尻上がりの全体のシルエットと雰囲気が一致する。

スポーツスター 峠仕様のXLH883 1991年のフロントフォーク

FRONT FORK

純正39φフォークにスクリーミンイーグル製スタビを付加。タイヤはコンチネンタル製ContiRoadAttack2。

スポーツスター 峠仕様のXLH883 1991年のガスタンク

GAS TANK

純正キングスポーツを加工。全方位に入る日本語を織り交ぜた字面に作り手のアティテュードが反映される。

スポーツスター 峠仕様のXLH883 1991年のシート

SEAT

リアエンドはループフレーム化。本革手縫いのシートはカスタムシートも手掛ける山口さん自身によるもの。

スポーツスター 峠仕様のXLH883 1991年のマフラー

MUFFLER

有機的に取り回したエキパイにサンダーヘッダーをセット。見た目と走行性能を踏まえて造作したパート。

スポーツスター 峠仕様のXLH883 1991年のリアサスペンション

REAR SUSPENTION

オーリンズ製サスをレイダウン。サス長を延長することで尻上がりのアグレッシブなシルエットを入手する。

BUILDER’S VOICE

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