HONDA FTR223
STANDY MOTORCYCLES
重力から開放される
囲んだ砂塵のオアシス
「ダートトラックをやってみたかったんです。でもまあ僕バイク屋ですから、ノーマルのバイクでそのまま楽しむよりは自分でイジッたもので遊びたい。しっかりカスタムしていろんな人に見てもらえるような感じで作ってます」
店主の熊谷さん自らがバイクを使って遊び、その楽しさをお客さんに広めているショップである。これまで氏は、モトクロス経験は豊富ながら、意外にもダートトラックに関しては今回が初だそうだ。
そこでまず着手したのはベース車選びである。値段も手ごろで、今やってる先輩ライダー達からのアドバイスを参考にしてホンダFTR223を選択。今後ナンバーを取って公道走行も予定しているものの、基本的にはコース専用車として熊谷さんの好みのスタイルに仕上げられた。
「イメージしたのはなんですかね。だいぶ昔に見た雑誌で、これカッコいい、というのが記憶のどこかにあったぐらいです。普段よく触ってるトライアンフにしてもヴィンテージモトクロスにしても’60年代’70年代のレースシーンのバイクが好きですね」
この手のレーシーなカスタムをものの見事にまとめ上げるバランス感覚には舌を巻く。そこには、何を取り付けて何を捨てればベストなのかを頭ではなく感覚として会得してるからこその保護色的な自然さがある。そしてまた、時間をたっぷりかけたわけでもなく、練習走行に間に合うようにとわずか数日で一気にやっつけたというのも実に、らしい。
「特にココというのも無いんですけど、全体のバランスですかね。取って付けた感じではなくて、最初からこうでしたよみたいな。だからノーマルの形に収まるようにタンクのチョイスとか、シートカウルのサイズ感とかを全部調整して作ってます」
ガスタンクにはエルシノア用を使い、前側を切り落として鈑金し直し、底板も再成形。流線形のスピード感漂うシートカウルはアルミでワンオフしたもので、その右側下にはお約束のゼッケンプレートを備え、アグレッシブな雰囲気が高められている。
「ダートトラックは興味はありましたけど、今まではモトクロスが楽しくてずっとそっちでした。なんでいつも両方持ってきてます。でも最初はやっぱりモトクロスに乗っちゃいますね(笑)」
しかし後日、オフロードコースで会った時である。トランポの中にはいつもの2台ではなくダートトラッカー1台しかなく、ひっきりなしにコースに出ては、砂塵にまみれて夢中に滑り続ける氏の姿があった。
HONDA FTR223 DETAIL WORK
HANDLE
トラッカーバーは『HAVE FUN!!』発起人の大沢さんが営むCHEETAH CUSTOM CYCLES.製を選択する。
FRONT FORK
フォークはFTR223のノーマルを使用しプレートを装着。前後共にホイールは1インチアップの19インチに。
GAS TANK
ガスタンクはエルシノア製を流用し、前側と底板が作り直される。塗装は落ち着いたネイビーカラーでペイント。
PLATE
ダートトラッカースタイルを印象付けるゼッケンプレート。カスタムポイントとしてのインパクトも高い箇所。
MUFFLER
マフラーは汎用のホワイトブロス製を加工して、右側フレーム下にマウント。レーシーなスタイルに一役買う。
REAR COWL
リアカウルはアルミで叩き出したワンオフ部位。シート位置との兼ね合いなど機能性を優先にして成形される。
BUILDER’S VOICE
STANDY MOTORCYCLES
住所・TEL
住所 | 茨城県筑西市布川1316-1 |
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電話 | 0296-48-6117 |
FAX | 0296-48-8819 |
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