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フ行のバイク用語集

ファースト・ライディング・アワード【Fast Riding Award】

「速く走れましたで賞」。つまり、スピード違反切符のこと。

ファイナル・ドライブ【Final Drive】

トランスミッションの動力をリアホイールに伝える、チェーンかベルトドライブのこと。ハーレーダビッドソンのビッグツインモデルの場合、エンジンとトランスミッションをつなぐプライマリーを一次ドライブ。このファイナルドライブを二次(セカンダリー)ドライブとも呼ぶ。

ファクトリー【Factory】

本来は工場の意味。しかし、メーカーが製造工場を所有することから、メーカーそのものを指す。

ファット・ヘッド【Fat Head】

ハーレーダビッドソンが1999年に発表したツインカム88エンジンの俗称。エンジン最上部、ロッカーボックスの真ん中の形状が外に出っ張り、太ったように見えることに由来。排気量は1450ccで、’07年モデルから1580ccとなった。

ファンネル【Funnel】

キャブレターに付けるラッパ状の部品。元はレース用だったが、今ではカスタムパーツとして幅広く使われる。パワーを最大限発揮させるために、目一杯空気を吸い込む仕様となる。また、抵抗になるフィルターは外されるため空気中のゴミも一緒に吸い込んでしまうデメリットがある。

ブイ(ハーレー)【V (Harley)】

1930~36年の間に製造販売された、ハーレーダビッドソンのモデル名。それまでのJモデルに替わるものとしてリリースされ、他に高圧縮比のVL、サイドカー付きのVSなどがあった。エンジンには1200ccのフラットヘッドが採用された。

ブイ・エイト【V8】

ブイ・ハチとも呼ぶ。アメリカ製の自動車を象徴するエンジン形式で、V型8気筒エンジンを言う。2組の直列に並ぶ4つのシリンダーはVの字に配置された。エンジンの特性上、大排気量、大馬力化するエンジンであり、その乗り味に魅了されるファンは後を絶たない。

ブイ・ツイン【V Twin】

2つのシリンダーを『V』型に配置したエンジンを言う。V型2気筒。特にハーレーダビッドソンが有名で、挟角45度のVツイン・エンジンをブレることなく一貫して製造し続けている。バイクが走る進行方向に対してクランクシャフトが直角になるように搭載することを横置きと言い、ハーレーダビッドソンを始め多くのVツインエンジンで見ることが出きる。一方、縦置きエンジンにはモトグッツィなどがある。

ブイ・ツイン・マニュファクチャリング【V-Twin Manufacturing】

ハーレーダビッドソン用のアフターマーケット・パーツを販売する世界最大規模のディストリビューター。なかでも旧車に強く、あらゆる商品をラインナップすることでプロ、アマ問わずユーザーからの信頼を勝ち取っている。1969年の創業で、以来、紫色のカタログで広く認知されている。

ブイ・ディー・エー【V.D.A.】

V-Twin Drag Asocciation(ブイツイン・ドラッグ・アソシエーション)の略。全国のカスタムショップの有志が集い結成した、ハーレーダビッドソンのドラッグレースを主催する団体。年間を通したシリーズ戦とし、各レースごとに集計したタイムを元に順位をポイントで表している。

ブイエムキャブレター【VM Carbletor】

世界中のバイク乗りに愛されるキャブレター、MIKUNI(ミクニ)。東京に本社を置く同社の強制開閉バルブ式キャブレターのことを言う。クセのない一般的なキャブとされ、汎用性が高く、また、小排気量車から大排気量車まで幅広く対応する。

ブイエル・スプリンガー・フォーク【VL Springer Folk】

ハーレーダビッドソンのフラットヘッド・エンジン搭載のVLモデル、及びVシリーズ。それと、1937年以降のWモデルに装着されたスプリンガーフォークのこと。74スプリンガーに比べて1/2インチ長く、幅が狭められた形状でスタイリッシュな装いとなる。その洗練された造形からカスタムビルダー(製作者)に好んで用いられる。

フィッシュテール・マフラー【Fishtail Muffler】

マフラーの最後尾が魚の尾(フィッシュテール)のような形状をしたマフラーのこと。このフィッシュテールとの組み合わせとしては、ストレート(ダウン)パイプ、ショットガンパイプ(リアシリンダー側がアップマウントのもの)、アップスイープがある。

フーバー【Fubar】

1970-80年代に多くのカスタムファンから支持されたマフラーブランド。ロゴ入りのステッカーが目印で豊富なラインナップを誇った。現在はマニア垂涎のパーツとして高値で売買される。

フーリガン【Hooligan】

本来は暴力的なサッカーファンを意味するが、バイク用語では安全をぶち壊すライダーのこと。その連中は自分の命をかえりみずに荒っぽく、高速な走行で周りに迷惑をかける。

フーリガン・バイク【Hooligan Bike】

文字通り、フーリガンが好むカスタムバイク。何よりもパワーウエイトレシオ(バイク重量÷馬力=○kg/PS)を小さくして加速性能を向上させるのが優先。そのため不必要な外装パーツを外して、極力シンプルなスタイルとされる。

フェード現象【Fade】

ブレーキが効かなくなる状態のこと。ブレーキの多用が原因。走行中にブレーキをかけ過ぎるとブレーキパッドの温度が上がり、ある一定以上になるとパッドの摩擦材成分からガスが発生。そのガスがパッドとブレーキローターの間で潤滑剤のような働きをしてしまうことで制動力が著しく低下する。

フォー【Four】

4気筒エンジンのこと。

フォー・レター・ワーズ【Four Letter Words】

直訳すると四文字の言葉。つまりアメリカではFUCKやSHITといった、下品で乱暴な言葉を指す。

フォージ【Forge】

鍛造。鍛造とは字の如く、金属を叩いて圧力を加え、内部にある空隙をなくして結晶を微細化。そうすることで強度を高めて、希望の形に成形すること。ピストンなどは鍛造で作られることが多い。

フォーティー・ファイブ【Forty Five (45)】

排気量45キュービックインチ(=750cc)を言う。ハーレーダビッドソンのWLモデル、及びそのフラットヘッド(サイドバルブ)エンジンのこと。

フォルクス・ワーゲン【Volks Wargen】

ドイツが世界に誇る自動車メーカー。起源は1934年に、悪名高きアドルフ・ヒトラーが国民車の製造を計画したことが始まりとなる。それを受けて自動車工学の権威であったオーストリア出身のポルシェの創始者、フェルディナント・ポルシェが第一号車をデザインした。しかし、第二次世界大戦に入り生産は一時中断。敗戦後はイギリス軍の監視下で製造を再開し、1960年に民営化となった。それ以降は、ポルシェと並ぶ、世界屈指の自動車メーカーにまで成長したのである。

フォワードコントロール【Forward Control】

両足を前方に投げ出したような姿勢となるフットコントロールのこと。ステップの位置が遠く、長距離を走るのに適している。しかし、主には手足の長い欧米人に適したスタイルとされる。ハーレーダビッドソンで純正採用されたのは1980年発表のFXWGワイドグライドからだが、ルーツはフットボードを取り払ったチョッパーのアイデアだ。昔からある伝統的なスタイルを、ハーレー社が利用しただけのことである。

ブコ【BUCO】

1930年代創業のアメリカ・ミシガン州でバイク用レザー製品やヘルメットなどのアクセサリーを扱っていたメーカー。BUCOとは創業者ジョセフ・ビューガライゼンの名前をとったBUEGELEISEN Co.という社名を略したもの。

プッシュロッド【Pushrod】

金属製の棒状の部品。用途は、OHV(オーバーヘッド・バルブ)エンジンにおいてクランクケース内のカムシャフトと連動してヘッド上部のローカーアームを押す(プッシュ)。それにより吸排気バルブが開閉するという仕組みになる。OHVエンジンのみに使われるのではなく、押すことで力を伝える棒状の機械部品もこう呼ばれる。

フューエル・マネージメント・システム【Fuel Management System】

燃料をインジェクションするのではなく、マネージメント(操作)するシステム。つまり、キャブレターを指す。

フライ・ホイール【Fly Wheel】

4サイクルエンジンのクランクケース内にある、円盤状の重り。クランクシャフトに取り付けられていて、エンジンが発生させたパワーのムラを滑らかに調整してトランスミッションへと伝達する。

プライベーター【Privateer】

メーカーからのサポートを受けることなくレースに参戦する個人やチームを指す。また、カスタムにおいてはプロショップではなく、本業の傍らバイク製作に取り組む人のことを言う。

フライング・カラーズ【Flying Colors】

加入しているモーターサイクルクラブのカラーズ(ワッペンが付いたウェア)を着て走ること。

フラットヘッド【Flat Head】

1929年~74年の長きに渡り製造されたサイドバルブエンジンの愛称。インテークとエキゾースト・バルブが、シリンダーの横に並ぶ格好で配置されているため、シリンダーヘッドが平ら(フラット)であることから付いた名前。

フランケン・バイク【Franken Bike】

フランケン・シュタインにちなんで、メーカーやモデルがそれぞれ違うバイクからパーツを寄せ集めて組んだ一台。ハーレーダビッドソンのエンジンで、クランクケースはショベル、フロントのシリンダーヘッドはナックル、リアのシリンダーヘッドはパンというように、まぜこぜのVツインもフランケン(・シュタイン)と呼ぶ。

フランダースドッグボーン・ライザー【Flanders Dog Bone Risers】

1930~40年代のフランダース社製ドッグボーン・ライザーのこと。ハンドル位置を手前に引いて固定できる作りとなる。マニア垂涎のアイテムとされ、復刻版が各メーカー(ショップ)から販売されている。

フリスコ【Frisco】

アメリカ・カリフォルニア州の、西海岸を代表する都市。サンフランシスコ(San Francisco)の略称。

フリスコ・スタイル【Frisco Style】

ハーレーのカスタム・スタイル、ひいてはチョッパー・スタイルのひとつ。カリフォルニア州サンフランシスコのアウトロー・モーターサイクルクラブ、『ヘルズエンジェルズ』が生み出したもの。クルマの脇をすり抜けしやすいように、ハンドル周りには高めのライザーとスーパー・バーを装着。そして、縁石に車体や足が当たらないようにミッドコントロールを高い位置にセットするなど、都会の渋滞をものともせずスピーディーに駆け抜けるために編み出されたスタイル。

プリズミックタンク【Prismic Tank】

別名、プリズムタンク。つまり、多面体タンクのこと。いくつもの鋭角的な角を持ち、主に’70年代のチョッパーに多く採用された。また、ペイントには幾何学的な絵柄が好んで使われた。

ブリンカーズ【BLINKERS】

ウインカーの別称。また、ニュートラルランプや油圧警告灯などのインジケーターランプも含む。

ブルシット【BULLSHIT】

直訳すると牛の糞。通常はデタラメやウソなどを指す。

プルバックライザー【Pullback Risers】

手前に引かれたライザーのこと。ハンドル位置をもう少し自分側に持ってきたい時に使用。基本的にはパイプ一本程度の調整となる。

フレームス【Flames】

直訳では炎という意味だが、カスタム・カルチャーでは炎の形をした塗装を言う。日本では和製英語のファイヤーパターンとも呼ばれるが、世界共通項はフレームスである。

フレキシー・フライヤー【Flexi Flyer】

1970年代に誕生した2ストローク大排気量車のこと。カワサキ・マッハなど。強靭なエンジンに対してフレームがあまりにも弱かったことから名付けられた。

プレジデント【President】

モーターサイクル・クラブのリーダーのことを言う。クラブをまとめ上げる力量と人望を兼ね備えた人物がその座に就く。

プレユニット【Pre-Unit】

トライアンフのエンジンとミッションが別体となったエンジンのこと。これまで製造された1962年以前のモデルの総称を言う。翌1963年からは一体式(ユニット)となる。

プロスペクト【Prospect】

モーターサイクル・クラブにおける、正式メンバーの前段階のこと。見習い期間であり、仮採用となった構成員のことを言う。アウトロー・モーターサイクルクラブでは必ずこの期間が設けられている。

ブロックヘッド(ハーレー)【BLOCKHEAD (Harley)】

1984~1999年まで生産された、ハーレーダビッドソンのエボリューションエンジンの別称。ロッカーカバーの形状が、3つの四角いブロックを重ね合わせたように見えることに由来する。

フロント・エンド【Front End】

フロントフォークをメインに、タイヤやヘッドライトなどその周辺パーツをまとめた総称。

フロント・ドア【Front Door】

集団で走行している時の先頭を指す。反対に後尾はバックドア(Back Door)。