H-D FLH 1968
SURE SHOT
最高峰の舞台できらめく
ショーカスタムの現在形
Best of Show Motorcycle。2019年の横浜ホットロッドカスタムショーで最大の栄誉を手にした『シュアショット』。それは、毎年ただこれだけを視野に望んできたビルダー相川さんの悲願が成就した瞬間だった。
「’68年の古いエンジンを使って、ちょっとハイテクなビレットパーツを違和感なく溶け込ませる。お客さんからのオーダーがリジッドフレームでアーリーショベルのエンジンを使うってことだけだったんで、まあ自由に作らせてもらいました」
まずは、いつも必ず先に決めると言う足周りである。今回は前後21/18インチで全体のバランスをざっくりと定め、毎回悩みどころとなるタイヤにはメッツェラーの最新モデル、クルーズテックを選択した。
「見せ場は、まずはフレームですかね。パンヘッドのウィッシュボーンのレプリカを使ってるんですけど、後ろ周りのリアレッグの中をマフラーが通るように作り換えたり、あとはメインチューブの下のサブパイプを2本にしたり。ネック角も5度レイクさせてます」
通常1本のサブパイプを、左右のリアレッグからそのまま前方へと延長させて2本のサブパイプで創作。また、そこで強度を上げているためパイプ径も既存のφ38から細目のφ30へと変更。本数を増やすことでの野暮さを払拭し、逆に目を引くデザインへとコンバートした。
マフラーを通したリアレッグの箇所ももちろん並でない。パイプを通すだけでは飽き足らず、その周囲を鋳物風の加工で整えている。パイプと鉄板を使い、溶接で盛って削ってを繰り返した部位は最終的に、ラグの工法で接合しコンプリート。こうした全編に渡る氏の徹底した美学が、キラリと光る存在感の源泉だろう。
とにかく、全方位見せ場が沸騰している。前後ブレーキにはホンダCBXなどで採用されたインボードディスクを設置。ベルリンガーにオーダーしたそれはハイテクな装いをさり気に後押しし、また、マスターシリンダーの取り付け場に選んだフォークアウターチューブにも妙策が潜む。要はフォークが動いてもキャリパーとシリンダーの距離が変わらないことから、ホースではなくパイプが使え、狙ったメカニカルなテイストを表現するには良質な舞台となる。
そして、極めつけのペイント。ロッズデザインによる宇宙をイメージしたキャンディパールに、リオスタジオがふるうピンストライプ。作り物から塗装まで、今回多くの有志が携わったという一台は、キン、と音がしそうなほどに澄み渡っている。
HARLEY-DAVIDSON FLH 1968 DETAIL WORK
RISERS
三つ又はスペインのブルタコ製を加工。その雰囲気に合わせてライザーはアルミのブロックから手削りで製作。
FRONT WHEEL
ハーレー純正21インチにベルリンガー製インボードディスクを装着。マスターはアウターチューブに移設。
FRONT FORK
フォークはスペインのブルタコ製φ35を流用。カバーはアルミでワンオフし、シルバーとブラックで均衡を図る。
GAS TANK
ローマウントのタンク下には2本のサブパイプが前後に走る。塗装はロッズデザインとリオスタジオが担当。
ENGINE
キャブは純正のケイヒンバタフライをダブルマウント。 ビレットのシリンダーヘッドはスピード&サイエンス製。
MUFFLER
フレームを貫通するリアエキゾースト。その周囲は鋳物風に溶接で盛って削り、最後はラグの工法で仕上げている。
BUILDER’S VOICE
SURE SHOT
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