ハーレー ツインカムのロングフォークチョッパーFXSTC 2007

H-D FXSTC 2007
GATE motor cycle

February 10th, 2020

たわやかな唐草の
受け継がれる美意識

ほどよく上方へ延ばしたストレッチフレームに、10インチオーバーのフロントフォークをセット。そして、フレームメインチューブをすっぽりと包み込むガスタンクからリアフェンダーへと続くラインは滑らかで、どこか作り手の真摯な人柄を感じさせる真心のこもった趣きがある。

ハーレー ツインカムのロングフォークチョッパーFXSTC 2007

「フレームの湾曲した部分だったり、タンクやフェンダーはお客さんと話し合ってこだわっています。流れるようなラインで、ということだったのでそこは意識してます」

決して多弁ではない店主の和泉(いずみ)さんは、こちらが尋ねる質問に対して、自身の頭の中で内容をしっかりと反芻(はんすう)した上で答えを返してくれる。そうしたおざなりにはしない仕草に、氏の人となりが現れてるようだ。

ハーレー ツインカムのロングフォークチョッパーFXSTC 2007

フレームは専門業者の手も借りて製作したものだと言う。3次元CADで図面を引いてもらい、希望通りのフォルムに完遂。それに合わせてフォークも延長し、トリプルツリーはスタイリッシュな造形に惹かれてソフテイルデュース用が流用された。

外装周りはどうだろう。フロントからリアへと絶妙に絞り込まれたガスタンクは、鉄板から叩き出して成形。世のカスタムビルダーのマナーにのっとり、最初に型紙で展開図を用意し、それに合わせて鉄板をカット。手曲げと工作機械で形を整えたものを溶接でつないで仕上げている。

ハーレー ツインカムのロングフォークチョッパーFXSTC 2007

「叩きながらとかですね。ウチのペインターが鈑金が得意ですので。あとは同じようにリアフェンダーもオイルタンクも作っています」

オイルタンクは造形を優先してコンパクトにした分、内部のバッテリースペースを小さくして容積を稼ぎ、オイル量を確保。カスタムで犠牲にした分はきっちりと回収するのが和泉さんのメソッドだ。

ハーレー ツインカムのロングフォークチョッパーFXSTC 2007

さて、最も労力を擁したエンジンマウントに目を移したい。一番大変だった箇所は? との質問に対して「みんな大変でした」と笑い、そのあと熟考して出てきたのがこのセクション。

フレームをストレッチしている以上、各所に加工が必要となるのはよんどころない。特にツインカムの場合、エボリューションと違ってエンジンマウントが面ではなく横からのボルト留め。そのため一度ノーマルマウントを剥がして、ベストな位置に再溶接する必要がある。その労苦たるや推して知るべし、だ。

ハーレー ツインカムのロングフォークチョッパーFXSTC 2007

今回はロングフォークだったが、あらゆるカスタムスタイルに応じるのが同店の信条。くわえて、よそで作ったものでも分け隔てなく、広く間口を開放している。

HARLEY-DAVIDSON FXSTC 2007 DETAIL WORK

ハーレー ツインカムFXSTC 2007のフロントフォーク

FRONT FORK

フォークはストレッチフレームに合わせて10インチオーバー。手前に大きくベントしたハンドルは既製品を加工。

ハーレー ツインカムFXSTC 2007のガスタンク

GAS TANK

一品製作の後方をゆるやかに絞り込んだストレッチタンク。塗装はブラックとゴールドを基調にして彩られる。

ハーレー ツインカムFXSTC 2007のオープンプライマリー

OPEN PRIMARY

BDL製2インチオープンプライマリーに、コンビカラーのミッドコントロールは山梨ビッグマシン製を装着。

ハーレー ツインカムFXSTC 2007のオイルタンク

OIL TANK

フレームにピタリと合わせて製作されたオイルタンク。コンパクトにした分内部を狭めてオイル容量を確保。

ハーレー ツインカムFXSTC 2007のマフラー

MUFFLER

ブラックとゴールドで統一されたシックなマフラー周り。エンドを外側へ逃がしブラスキャップをアクセントに。

ハーレー ツインカムFXSTC 2007のリアエンド

REAR END

ワンメイクのリアフェンダーにファットスポークのシニスターホイールをセット。カラーがひと際映えている。

BUILDER’S VOICE

GATE motor cycle

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