W650のカスタム KAWASAKI

KAWASAKI W650
A BEARD

November 28th, 2019

エンターテイナーの
むっちり芳醇な口当たり

毎回新たな興奮と、思わず頬がゆるむようなエンターテインを披露する『ビアード』の今回の一台は、カワサキW650がベースだ。コンパクトにむちっと凝縮されたエクステリアは期待を裏切らず、要所にほどこしたスパイスもまた然り。同店に限っては、「パーツを取り付けてハイ終わり」、は通用しない。

W650のカスタム KAWASAKI

「まあローダウンしたかったんですけど、Wってローダウンすると絶対エンジンの角度がちょっと後ろ向きに立ってしまう。だけどエンジンはそのままの位置で車高を下げたい。でもそうすると今度はフロントがエンジン寄りになっちゃう」

そこで代表の上田さんは、ネックの角度を調整することでこの問題をクリア。エンジン角をずらすことなく、ローアンドロングのスタイルを形成させた。そして、前後の太目のタイヤである。ノーマル18インチから16インチへの換装が、低くファットな雰囲気に寄与しているのは言うまでもないだろう。

W650のカスタム KAWASAKI

ブラックとシルバーでまとめたフォルムからは、いつもの闊達なビアード節にプラスして、タイをシュッと下ろしたかのジェントルな香りが舞う。そこで、フォークカバーとタンク、リアフェンダー、マフラーといったそのしろがね色に焦点を合わせたい。

まずフロントには、メーカー不明のフォークカバーを装着してボリュームアップ。次にタンクだが、これはスズキGS50用を流用加工したもの。Wの全体像に合わせてチョップしたそれは、給油口を開けるとその中に『A BEARD』の刻印が打ってあるというオーナーに嬉しなプレゼント付きだ。

W650のカスタム KAWASAKI

「オーナーだけの喜びというか(笑)。タンク自体はフィットするように幅を詰めて、あとは縁のリブがあるとカッコ悪いんで全部切って作り直してる」

リア周りは、シートレイル以降の骨格をモディファイ。そこにほんの申し訳程度の長さでフェンダーをマウントすることで、リアタイヤの迫力を最大化。後方から眺めた剥き出しの光景はなかなか壮観である。

W650のカスタム KAWASAKI

左右出しとしたステンレス製マフラーも、ストレートではなくアールを付けて下方排気でデザイン。また、エンドに真鍮チップのアクセントを取り入れるなど、さりげなくも創作的な遊び心は点在。作り手の、険しくも胸躍る鼓動がそのまま伝わってくるようだ。

W650のカスタム KAWASAKI

国産車のカスタムを触らせたら硬過ぎずやわら過ぎない口当たりで老若男女の舌をうならすエンターテイナー。演者自身の楽しむ姿勢から生まれたカスタムは、その純度が高い分、喉越しも至ってかろやかだ。

KAWASAKI W650 DETAIL WORK

KAWASAKI W650カスタムのハンドル

HANDLE

市販のZバーを一度全部ばらしてリメイク。エッジの部分のみ再利用して長さを調整し直したオリジナル。

KAWASAKI W650カスタムのフロントフォーク

FRONT FORK

フォークは純正をローダウン。キャリパーをフォーク前に移動させヴィンテージ風にシングルピストンを設置。

KAWASAKI W650カスタムのガスタンク

GAS TANK

スズキGS50用を加工したガスタンク。トップには車名に与えたMid Night Riderのグラフィックが入る。

KAWASAKI W650カスタムのオイルクーラー

OIL COOLER

ハーレー用のアタッチメントを使ったオイルクーラー。マフラーの造形と呼応させるかのように配管もワンメイク。

KAWASAKI W650カスタムのマフラー

MUFFLER

左右出しとしたマフラーはステンレスで製作。エンドに真鍮チップを装着。サイドカバーにはスイッチを移設。

KAWASAKI W650カスタムのシート

SEAT

シートレイル以降のパイプを加工。短く詰めたリアフェンダーに合わせてシートも骨格にツライチで製作される。

BUILDER’S VOICE

A BEARD

住所 広島県廿日市市住吉1-2-55
電話 0829-32-5644
FAX 0829-32-5144
SHOP A BEARDのショップ紹介
営業時間 10:00 ~ 19:00
定休日 第1、3火曜日