ハーレーのカスタムショベルヘッド フェニックス

H-D SHOVELHEAD
FREE WAY

September 9th, 2019

飛び出さず引っ込める
サス位置ずらしのアンサー

リジッドフレームにS&S製モーターを積んだフェニックスがベース車である。’40~’50年代のオールドレーサーをモチーフに製作したのは大分のフリーウェイで、コンパクトかつ隅々まで手の行き届いたフォルムはやはり、ハンドメイドマスターとして鳴らした同店固有の眩しさを見せている。

ハーレーのカスタムショベルヘッド フェニックス

「これに関してはガーターフォークですね。サスの位置が違うんです。普通は前方に付いてるんですけどね、それだとどうしてもヘッドライトが飛び出たような形になって格好悪い」

納得行くカタチにならなければ何度でもやり直す。そんな徹底した姿勢を持つ水谷さんが特に気にする箇所がこのヘッドライト位置だ。ガーターフォークでありながらいかに飛び出さないようにマウントするか。

ハーレーのカスタムショベルヘッド フェニックス

そこで到達した解答が、ならばイチから作ってしまおうというものだった。勿論、タンクやマフラーといった外装パーツを作るのとは違い、そのハードルの高さはグンと飛躍する。いわばフォーク単体の製作は、限られた作り手のみが選択出来るワイルドカードだ。

ハーレーのカスタムショベルヘッド フェニックス

「サスを下に組み込むことで本来ある場所にライトを持って来れる。ガーターフォークってどうしても上面が荷台っぽくなってしまう。だからそこを小さくして、しかもフレームネックの部分を圧迫するように、隠れるようにと言いますかね」

前後左右をグッと抑えたデザインにしたかった。また、フレームとフロントタイヤがどうしても離れてしまうのを嫌いそこも改善。過去10年前から手掛け続けるスペシャルは、満を持して咆哮する。

ハーレーのカスタムショベルヘッド フェニックス

さて、フレームに関しても縦幅と横幅共に2インチずつ詰めて成形。そこにタンクとシート、フェンダーをピンポイントでマウント。言わずもがな、ミリ単位の吟味を幾度となく繰り返して落ち着かせたセクションだ。

そして細部もまたセンセーショナル。例えばフェンダーとフレームを留めるボルトステーや、U字型のクランプに至るまでを工作機械を駆使して造作。一般的に、汎用品を使うケースがほとんどの部位のワンオフの告白には、一瞬背筋に冷たいものすら感じてしまう。

ハーレーのカスタムショベルヘッド フェニックス

妥協知らずのオールドレーサー。先ほどのボルトステーにまつわるエピソードで顕著なように、誰に言われるでもなく好きが高じて爆発した物作りの果ては、総じて奥ゆかしい。そんな見るほどに味わいが増すかの一台には、作り手の凛とした『心』がこもっている。

HARLEY-DAVIDSON SHOVELHEAD DETAIL WORK

ハーレーショベルヘッドフェニックスのハンドル

HANDLE

ハンドルは他パーツ同様に素地のクロカワ状態で完遂。フォーク横のスプリングは戻し用としてセットアップ。

ハーレーショベルヘッドフェニックスのフロントフォーク

FRONT FORK

ワンオフのコンパクトなガーターフォークは黄色いサスを下側に配備。精度の高さから走行フィールも良好。

ハーレーショベルヘッドフェニックスのガスタンク

GAS TANK

メーターを埋め込んだガスタンクも勿論ワンオフ。全体の雰囲気に合わせたエイジングペイントも自社で処理。

ハーレーショベルヘッドフェニックスのコイル

COIL

英車用デュアルコイルを装着。海外製の旧車用のクオリティが低いことから選択。エンジン造形との相性も高い。

ハーレーショベルヘッドフェニックスのボルトステー

BOLT STAY

車体とフェンダーを固定するボルトステーに注目。一個ずつサイズを計り、旋盤でスリットを入れて製作する。

ハーレーショベルヘッドフェニックスのポイントカバー

POINT COVER

デスビ式のようにネジなくクリップを外せば開く仕様。見た目ばかりかポイント内の作業性も飛躍的に向上。

BUILDER’S VOICE

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