ハーレー アーリーショベルチョッパー FLH 1968

H-D FLH 1968
FREE WAY

October 27th, 2018

ガレージ感の奥にある
寄せ付けない手練れの技量

創業から30余年。均整のとれた、端正なチョッパーをリリースし続ける大分の『フリーウェイ』。今秋カスタムを終えたばかりの新作をここに紹介したい。

ベースは’68年のアーリーショベル。一瞥しただけでは粗野でシンプルなチョッパーに映る一台だが、ディテイルに目をやれば、その見所の多さに感嘆するはずだ。ビルダー水谷氏は言う。「決して派手なことはやってないけど……地味に苦労しているバイクですね。地味にフレームを詰めていたり、『よく見るとやってる』というか」。

ハーレー アーリーショベルチョッパー FLH 1968

その言葉通り、使用するレプリカフレームは幅と長さを2インチずつ詰めている。「元々のフレームっていうのは、FLに対しての大きさですよね。フェンダーとか周りが小さくなってるから、ベースも小さくならないとバランス的におかしいんです」。なるほど、確かにナロードされたフレームとリアフェンダーとのクリアランスは、間延びのない絶妙な距離感。併せてショート化することで、オイルタンク周りの空間も同じく隙のないバランスを保っている。このわずか2インチの『地味な苦労』。その結実を見る者に人しれず提示している。

ハーレー アーリーショベルチョッパー FLH 1968

随所に奢られたフリーウェイのオリジナルパーツにも注目したい。リフレクターをマウントしたミラー、手元で静かに主張するグリップリング、真鍮を用いた重厚感のあるシフトノブ、無骨な雰囲気を醸すスクエア型オイルクーラー。更にオイルフィルターがビルドインされたバレル型オイルタンク、フレームに据えられたプラグホルダー&レンチなど、いずれも同店の定番であり高い人気を誇るアイテムたちだ。

ハーレー アーリーショベルチョッパー FLH 1968

また、フリーウェイのカスタムに於いては定番の真鍮や銅管を用いた各所の修飾も見逃せないポイント。やりすぎない絶妙な配置、そして特にエンジン周りに顕著な機械感の演出は同店の真骨頂だ。

ハーレー アーリーショベルチョッパー FLH 1968

ペイントワークも自店でこなす。一度完全にペイントしてからのエイジング作業。その見事な経年感に思わず唸ってしまう。その塗りを担当するのは森本氏。「お客さんの手に渡った時にはすでに長い時間を経ているような雰囲気になるように。そしてこの先の塗装の焼けや退色、剥げも考えて塗りますね」。

ハーレー アーリーショベルチョッパー FLH 1968

かくして仕上がったこのマシン。外観こそガレージビルド感を漂わせるが、その細部にはフリーウェイに属する手練れたちの妙技が息づいている。

(写真・文/マツモトカズオ)

HARLEY-DAVIDSON FLH 1968 DETAIL WORK

ハーレー アーリーショベルチョッパー FLHのハンドル

HANDLE

トップティーからワンメイクされたハンドル。ミラー本体は旋盤で一皮剥かれ、くすんだ色合いに落ち着かせる。

ハーレー アーリーショベルチョッパー FLHのフロントフォーク

FRONT FORK

VLフォークのスプリンガーサポートをワンメイク。ロウ付けを意識したデザインがヴィンテージ感を演出する。

ハーレー アーリーショベルチョッパーのガスタンク

GAS TANK

マスタングタンクを天地逆にマウント。通常はカットされるトンネル部のリブを活かす。エイジングが絶妙!

ハーレー アーリーショベルチョッパーのエンジン

ENGINE

銅と真鍮の色が艶めかしいエンジン周り。ヘッドは削って艶を落とした。SUにはガスフィルターをマウント。

ハーレー アーリーショベルチョッパーのオープンプライマリー

OPEN PRIMARY

クラッチはBDL。スパルタンな容姿が車体の荒々しさにマッチする。ドリルドしたフットボートもワイルド。

ハーレー アーリーショベルチョッパーのリアエンド

REAR END

定番のオリジナルパーツが集約されたリアエンド。オイルタンク、オイルクーラー、プラグホルダー&レンチ。

BUILDER’S VOICE

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