ハーレー アーリーショベルボバー FLH 1969

H-D FLH 1969
FREE WAY

February 3rd, 2019

サイドカー化を前提とした
アールズフォークの存在感

遠目から見れば、4速フレームのシンプルなボバー。しかし距離を詰めれば、それが誤認であったことに誰もが気づく。そんな一台を完成させたのは、九州は大分の老舗チョッパー屋『フリーウェイ』。

このマシンについて語る時、最も話題となるのは特徴的なフロントエンドに違いない。テレスコ、スプリンガー、ガーター、そのいずれにも『似ていない』、存在感の塊のようなフォーク。早速ビルダー水谷氏に解説を求めてみた。

ハーレー アーリーショベルボバー FLH 1969

「アールズフォーク、と呼ばれるものです。主に欧州車などのサイドカーに用いられるフォークですね。通常のフォークだと左右別々のねじれが発生しますが、このフォークはリアのスイングアームと同じで左右同じ動きをする。安定感があってハンドリングも軽く、サイドカーには定番のフォーク。オーナーは後々、このバイクをサイドカーにする予定なんですよ」

ハーレー アーリーショベルボバー FLH 1969

実はフリーウェイ、これまでも旧車サイドカーの製作を多々手がけてきた実績がある。チョッパー屋が造る、純正の野暮ったいイメージを払拭するスタイリッシュなサイドカーは、これまでサイドカーに興味を持たなかった人をも魅了してきた。無論、アールズフォークも今回が初ではない。それはこれまで同様、車体に合わせて製作。そして試乗を繰り返し、乗りにくさが出れば角度を変更するなど試行錯誤の末に完成に至っている。

ハーレー アーリーショベルボバー FLH 1969

重厚でインパクトあるフロント周り。しかし均整の取れたチョッパー造りに定評のあるフリーウェイ、他のセクションも見所満載であることは言うまでもない。

ハーレー アーリーショベルボバー FLH 1969

4速フレームにフロント/リアともストックの16インチホールを履き、ファットな分割タンクをまとった定番のFLHスタイルは、ボリュームのある容姿でフロントとのバランスをキープ。それでいて、リアセクションには潔いチョップ感を漂わせている。その辻褄を合わせるような前後フェンダーのラフなエイジング。この辺りは、ビルダーのみならずペインターをも擁し、全てのプロセスを自店でこなすことができる同店ならではの完成度だろう。

ハーレー アーリーショベルボバー FLH 1969

そしてそこに、得意とする絶妙な銅や真鍮のアクセント。オイルタンクやオイルクーラー、プラグホルダーといったオリジナルパーツ群が車体に華を添えている。

一旦はソロで納車後、近い将来にサイドカー化が予定されているというこのマシン。あの重厚な『船』が、フリーウェイ流に装備される姿を目撃するのが待ち遠しい。

(写真・文/マツモトカズオ)

HARLEY-DAVIDSON FLH 1969 DETAIL WORK

ハーレー アーリーショベルボバーFLHのハンドル

HANDLE

ワンメイクのコントローラブルなワイドハンドル。長距離ライドを見越した予備のガスタンクが存在感を放つ。

ハーレー アーリーショベルボバーFLHのフロントフォーク

FRONT FORK

アールズフォークから漂う無二の存在感がこのマシン最大のスパイス。ブレーキは純正のグライドドラムを採用。

ハーレー アーリーショベルボバーFLHのガスタンク

GAS TANK

幅を詰めた3.5ガロンタンクにエイジングを施したメーターダッシュが鎮座。重厚感のあるシフトノブにも注目。

ハーレー アーリーショベルボバーFLHのキャブレター

CARBURETOR

キャブは同店がユーザーに推奨することが多いというSU。リンカート用のガスフィルターを加工してマウント。

ハーレー アーリーショベルボバーFLHのシート

SEAT

シートにはグラブレールを設け、ウインカーを配した。シート下のプラグホルダー&レンチは同店の人気商品。

ハーレー アーリーショベルボバーFLHのマフラー

MUFFLER

FLらしい長めのパイプが車体のいかつさを助長する。オーバル型オイルクーラーはフリーウェイのオリジナル。

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