ハーレー ショベルヘッドのオールドスクールチョッパー1972年

H-D SHOVELHEAD 1972
BOOTLEG

May 19th, 2021

拭いきれない不良性に
ニアミスする和の気配

今や伝説として語り継がれるニューヨーク・ブルックリンのチョッパービルダー、故インディアンラリー。これは2000年前後に人気の絶頂を極めたそのビルダーのチョッパーがイメージソースである。

ハーレー ショベルヘッドのオールドスクールチョッパー1972年

ただの有名人なんかではなく、そこに拭いきれない不良性が滲み出た人物として当時注目を集めたビルダーの中でも別格視されていたインディアンラリー。手掛けるチョッパーの存在感は強烈で、バイクと混然一体となったカリスマ性は見る間に増長していき、そのまま最盛期の中で生涯を全うした人である。

ブートレグの菊原さんに聞けば、たまたまその写真がオーナーの目に留まったのがキッカケだそうだ。「こういうショベルが欲しい」。そこでローリングのベースを使い、特徴的なピッグタンクを用意して製作が始まった。

ハーレー ショベルヘッドのオールドスクールチョッパー1972年

形にしていく上で気を付けたのは、やってる感を出さずにシンプルにまとめること。あの危うい雰囲気を出すには下手な小細工は通用しないため、吟味した素材を効果的に使いバランスを取っていく他に手はない。が、本当に何もしないのではそれだけの愚作で終わってしまう。作り手にとってはかなりのサジ加減が要求されるカスタムだ。

ハーレー ショベルヘッドのオールドスクールチョッパー1972年

まずフレームには当時のストレッチフレームを採用。パイプの太さや補強の入り方が現行品とは全く違い、またモールディングも意外性をつくデザインだったりするが、それがまた嘘っぽくなく当時の雰囲気を醸し出すのに一役買っている。

次にプライマリーは、ショベルだとパンやナックルに比べてクラシック感が弱くなるためにパンヘッド用をセット。そしてお決まりのポン付けでは付かないので、内部と当たる部分などをくり抜き加工して装着する。またシフトロッドもチェーンに換装して体裁をととのえ、ウインカーには敢えて外したダイヤモンドタイプを選択。そして、ラリーを象徴するピッグタンクだ。

ハーレー ショベルヘッドのオールドスクールチョッパー1972年

ラリーのチョッパーといえばいつもこのタンクであったように、マスト箇所である。この野暮さが逆に人目を引くそこは一切加工をしないで、菊原さん自ら缶スプレーであせた下地を塗り、その上にピンストライパーBOOがエアブラシとピンストライプをドロウ。

ハーレー ショベルヘッドのオールドスクールチョッパー1972年

「最近はこういうさらっとしたチョッパーが好きで、ここ凄い苦労しましたみたいなフルカスタムはしてないですね」と控えめに語る氏だが、この手のカスタムの完遂には徹底した作り込みと同様の技量が欠かせないのは知られたところ。

HARLEY-DAVIDSON SHOVELHEAD 1972 DETAIL WORK

ショベルヘッドのオールドスクールチョッパー1972年のハンドル

HANDLE

スカイハイバーとライザーは汎用品を使用。ワンオフで固めがちなフロント周りは審美眼あってのセットアップ。

ショベルヘッドのオールドスクールチョッパー1972年のフロントフォーク

FRONT FORK

ショベル用純正35φフォークを6インチ延長。フレームは当時のパウコ製で、ホイールに純正キャストを採用。

ショベルヘッドのオールドスクールチョッパー1972年のガスタンク

GAS TANK

インディアンラリーの代名詞的ピッグタンク。既製品をそのまま使いエアブラシとピンストライプはBOOが担当。

ショベルヘッドのオールドスクールチョッパー1972年のプライマリーカバー

PRIMARY COVER

パンヘッド用を使い内部で当たる部分をくり抜いてリメイク。ジョッキーシフトにはシンプルな鉄球を付加。

ショベルヘッドのオールドスクールチョッパー1972年のリアエンド

REAR END

フェンダーにデュオテールを。プレーンシートは本革の編み込みで、シッシーバーはトーンを合わせたワンオフ。

ショベルヘッドのオールドスクールチョッパー1972年のマフラー

MUFFLER

マフラーは全体のスタイルにベストなスラッシュカットを適用。ウインカーにはダイヤモンドタイプを用いる。

BUILDER’S VOICE

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