
H-D FL 1946
WHEELERS JAPAN
湯けむり天狗の
十字路キャンディ
ヴィンテージハーレーでしか適わない、ハードな印象を醸し出すのは、’46年式のナックルヘッドである。ナックルにも多様なカスタムスタイルがあるが、このチョッパーが放つ緊迫感といったらないだろう。
作り手の大原さんがピントを合わせたのは、ご覧の通りの『不良性』で、米国から輸入してきた状態に手を加えていったものだ。

「元々チョッパーだったものを、僕が乗りたい雰囲気にカスタマイズした車両です。フロントを長くしたかったのと、ちょっと悪そうなイメージに近づけていくうちにこのスタイルになった感じですかね」
そのイメージ作りに大きく貢献するのが、フロントフォークの大神戸共榮圈製トリプルセットだ。このフォークは大原さんがずっと目を付けていたものらしく、商品リリースと同時に声をかけて入手したもの。33.4φの8インチオーバーという痛烈にナローなシルエットが、このチョッパーのアイデンティティだ。

「純正のネック角だとこのロングレッグにすればよれないそうなんですけど、これはネック角が寝てるのでちょっとよれてしまうんですよね。それでスタビライザーも追加させてもらって解消してます」

フォークに合わせたハンドル&ライザーはワンオフで用意し、この手の黒ばんだ空気感をまとったチョッパーと濃厚な調和を見せるガスタンクがまた乙だ。
色味こそ赤系の派手やかなものだが、そこに描かれたフレイムスの陰影やエイジングの風合いなど、実にこのチョッパーが持つダークテイストと馴染んでいる。逆にこのタンクカラーに黒系を安易に選ばないことで、より当初目指した不良性の熟度は高められた。

その流れのままマフラーに目を移したい。生半可なチョッパーには決して合わない、パンドラの箱的なアップスイープのフレイムスフィッシュテール。フロント8インチオーバーのナローフォークとのハーモニーが絶妙だ。
前から見ても後ろから見ても偽りのない主張の妙は、やはり懐に抱いたナックルヘッドの偉力が一翼を担っている。
そして、今から80年も前のエンジンが現代に遜色なく走っていることでさえ驚きだが、それに加え、ひとたび公道に出ればまたたく間にその場の主役たらしめる武威に、無条件に脇汗が滲んでしまう。

「普段僕が乗ってる’47年のナックルが純正74スプリンガーが付いててそういうスタイルなんです。それでもっと奇抜なのに乗りたくて、その思いがこのカタチになってる感じですかね」
HARLEY-DAVIDSON FL 1946 DETAIL WORK

FRONT FORK
フロントに大神戸共榮圈製トリプルセットを装着。8インチオーバーのフォーク下部にスタビライザーをセット。

GAS TANK
タンクは米国のペインター、ネイサンサイクスによる一品。国内の塗り手とはまた違ったテイストに惹かれ購入。

SEAT
シートはヴィンテージのハイバックタイプ。ボリュームのあるデザインだがナローな車体に難なく融和させる。

CHAIN GUARD
国内ビルダーにもファンの多い韓国のシェイクピストン製チェーンガード。フレイムス形状にかたどられている。

MUFFLER
マフラーエンドもフレイムスデザインとなるアップスイープ。アグレッシブな造形が全体のパンチ力を増す。

REAR END
角棒を使いシンプルに製作したシッシーバーに既成のテールランプを設置。真後ろからのインパクトも強い。
BUILDER’S VOICE
WHEELERS JAPAN
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H-D SHOVELHEAD 1969






















