ハーレー ナックル FL 1947のチョッパーカスタム

HARLEY-DAVIDSON FL 1947
CYCLE WEST

March 9th, 2017

グレッチに共鳴する
ロカビリー&ストリート

やはりスケーターの感性なんだと思う。コンパクトにまとめたサイズ感に、グッと絞ったワイズ。そして、キラリと光り輝く各所のクローム。単純に作りだけを追えば美しい完成度とだけ表現できるが、このマシンにはプラスアルファして、かつて代表西山さんが夢中になったスケートのメインフィールドであるストリートの匂いが立ち込めている。

ハーレー ナックル FL 1947のチョッパーカスタム

’47年式FLをベースに、数年前に一度カスタムした車両をリメイクしたと言う。まず、フレームのメインチューブからリアアクスルにかけての惚れ惚れするようなストレートデザインに目を奪われるが、そこにマウントされるタンクがまたハード。

何が凄いって、そこに入るオーナメントである。ストレイ・キャッツファンのオーナーが、彼らが使うグレッチギターのデザインを入れたいとのことで、オーナメント自体は西山さんの彫金師であるお父さんが製作。そして、それを受けるタンク側のボックス加工がなかなか痺れる作業だった。

ハーレー ナックル FL 1947のチョッパーカスタム

まず、デザインと同じ型に鉄板をくり抜いて、それと同じものを一枚、奥の窪んだパネル用に準備。オーナメントの厚さ分を中にオフセットして、今度はそのパネルに海苔巻きの海苔を巻くイメージで壁面を立てていき、表の鉄板と接合。このときTIG溶接だと細かい作業に限界があり歪みも大きくなることから、ロウ付けで繋いだ上でフィニッシュしている。

ハーレー ナックル FL 1947のチョッパーカスタム

また、パウコのスプリンガーフォークに付けたライザーにも同店ならではの配慮が見て取れる。汎用ライザーにハンドルをカットして繋いでいるのだが、この時わざわざコストの上がる鋳物用の溶接棒を使用。これはライザーの鋳物地により溶け込みやすい材質が含まれ、結合度が増す物だが、本来はそこまでこだわる必要の無い箇所である。しかし、「ちょっとのコストアップで良い物が出来るならバンバン取り入れる」、という同店のスタンスから迷いは無かった。

ハーレー ナックル FL 1947のチョッパーカスタム

全体のプロポーションに目を移そう。前後21/18インチの選択は、西山さんがこれまで培ってきた黄金比とも言えるものだ。「うちでは結構多いですね。だいたい僕と同じぐらいの背格好の人なら一番乗ってる姿が似合うと思う。後ろから見た時の細さがカッコ良いんですよ」。

ハーレー ナックル FL 1947のチョッパーカスタム

身長にして170cm前後。日本人の平均的サイズから、自然と同店で主流となるセットアップに加え、ナックルヘッドにだけ合わせるという1-1/2インチのシャープなマフラー。そこにストリートのフレーバーが合わさることで、オーナーが夢見た新たなストーリーが始まる。

HARLEY-DAVIDSON FL 1947 DETAIL WORK

ハーレー ナックル FL 1947のハンドル

HANDLE

汎用ライザーにショベル純正タイプのレプリカをカットして溶接。接合には鋳物用の溶棒が使われている。

ハーレー ナックル FL 1947のフロントフォーク

FRONT FORK

パウコ製スプリンガーフォークに、FORD用テールランプをベースにしたワンオフのヘッドライトを装着。

ハーレー ナックル FL 1947のガスタンク

GAS TANK

綺麗に収められたグレッチデザインのオーナメント。製作は彫金師として活動する西山さんのお父さんが担当。

ハーレー ナックル FL 1947のエンジン

ENGINE

ナックルモーターは巧みにブラックカラーを取り入れシックな装いに。カムカバーはリンクル塗装となる。

ハーレー ナックル FL 1947のマフラー

MUFFLER

1-1/2インチの細身のマフラーはナックルモーターにだけ合わせるサイズだと言う。形状共に見事なマッチングだ。

ハーレー ナックル FL 1947のシッシーバー

SISSY BAR

どこを取っても綺麗な処理がなされる。フレームとのマウント部はデザインはおろかマイナスネジにまで拘る。

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CYCLE WEST

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