
H-D FLH “REAL PEANUTS” 1973
SUN MOTORCYCLES
手練のビルダーたちが参加した
本物近似の娯楽作『ピーナッツ』
横浜ホットロッドカスタムショーでは、毎年異なるお題が用意された“Motorcycle Show Spotlight”が催されている。昨年2025年のテーマは“Peanut Tank Extravaganza!”と題され、ピーナッツタンクを装着したマシンが勢揃いした。
そんな中、一台のマシンが注目を集めていた。メインチューブの上に乗ったガスタンクは、誰もが想像もしなかった『ピーナッツ』だった。

このマシンを出展したのは広島の『サンモーターサイクルズ』。店主の立岡さんにこの異色作が生まれた経緯を聞いた。
「去年、平和モーターサイクルの木村さんとビアードの上田社長、そしてたまたま広島に来てたウェッジモーターサイクルの二平くんの四人で飲んでた時に、木村さんの『リアルなピーナッツでやってみない?』っていうひらめきにみんな盛り上がっちゃって」

翌日には早くも行動を起こしていたという一行はまず、広島で車のボディやモックアップを製作している企業『オーエイプロト』を訪問。
木村さんが所有していたアメリカで購入したピーナッツを模したおもちゃを3Dスキャンし、サイズ調整した後に金型を製作。それをベースに鉄製のピーナッツが完成した。

ここからはバイク屋の仕事だ。タンクキャップ、フレームにマウントするためのトンネルやステーなど、バイクとして機能するための箇所を木村さんと立岡さんで合作。
仕上げはウェッジ二平さん。塗装も得意とする二平さんはツルッとしていた瓢箪のようなこのタンクをよりピーナッツらしく仕上げていく。
パテでピーナッツ特有の模様を精巧に作り上げ、さらに影やグラデーションなど高度な技巧を駆使した塗装で無機質だった素材を見事に本物に近似した『ピーナッツ』へと仕上げた。

「みんなが力を合わせてタンクを作ってくれたから、車体を手抜きで作ったら怒られるなと思って(笑)。なので、バイク本体は結構一生懸命作りました」と立岡さん。
いわゆるコミックバンドが実は高い演奏技術を持ち合わせているように、ファニーなことを本気で行うには裏打ちされた確かな技量が求められるものだ。
タンクで目を惹くためにも、車体はタイトに仕上げることは必須。そのあたりは、数多のチョッパーを手がけてきた立岡さんの十八番だ。

かつてのエドロスらがそうだったように、本場のショーでは時にファニーなマシンが会場を沸かせた。その楽しませることに真剣に、大人たちが本気で『遊んだ』一台。近年稀に見る、実に痛快なマシンである。
(写真・文/マツモトカズオ)
HARLEY-DAVIDSON FLH “REAL PEANUTS” 1973 DETAIL WORK

FRONT END
74スプリンガーに18インチホイール。ブレーキはカスタムテック。ティール色の塗装は広島N2オートの仕事。

GAS TANK
4組の職人が腕を振るったリアルピーナッツ。フューエルラインは銅管で造り、ピーナッツの枝を表現している。

METALLIC MOLD
ピーナッツの原型となった金型。「これあるんで、やろうと思えば量産もできますね(笑)」とは立岡さんの談。

ENGINE
キャブはS&SのE。エンジンワークにはMAHLEピストンを入れるなど、広島『45ディグリー』の手を借りた。

SEAT
ピーナッツのキュートさに合わせ、シートも柔和なデザインで製作。ローライダー・バイシクルをイメージした。

MUFFLER
アップスイープのトランペット風ワンオフマフラーはアクセントで少し窪みを入れ、若干ターンアウトさせる。
BUILDER’S VOICE
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H-D FLH 1968





















