ハーレー アイアンショベル XLCH 1970のチョッパー

HARLEY-DAVIDSON XLCH 1970
MOTOR CYCLES DEN

June 15th, 2017

実戦で揉みあう
ミリ単位の攻防

久しぶりにコンタクトを取った際に、店主の松永さんより取材車両の候補をインスタ経由で数枚送ってもらった。そしてすぐに届いた画像を開けば、どれもモーターサイクルズ・デンらしいトラディショナルなチョッパーのオンパレード。甲乙付け難いというのはこのことで、どれをチョイスしても間違いないやつばかりである。そこで結局、色味と王道のスタイルに惹かれて、このアイアンショベルを用意してもらうことにした。

ハーレー アイアンショベル XLCH 1970のチョッパー

「要は、細くてコンパクトってことだよね。それならアイアンじゃんって。イメージは結局、ひとくくりでチョッパーっていうのがあるでしょ。そしたらいろんなチョッパーがある中でも、みんなが一番イメージするのがこんな感じというか。よくある昔からのものだとは思うけどね」

ハーレー アイアンショベル XLCH 1970のチョッパー

廃れることない普遍的フォルム。かつて国内チョッパーシーンの総本山として知られた名店であることを踏まえれば、同店が織りなすチョッパーがスタンダードの気を帯びるのは何ら不思議じゃない。でも敢えて、そのチョッパーの前にひと言付け足すならば、『理想的』の3文字だろう。得も言えない車体バランスとカラーリングをまとうそれは、輝くような存在感を放っている。

ハーレー アイアンショベル XLCH 1970のチョッパー

「作る前からこのイメージは頭の中にあるわけ。でもその通りにするのが大変で、考えるところってシルエットそのものなの。そうするとパーツそれぞれの収まりの良い所ってもうここしかなくて、例えばフォークの長さも、ハンドルも、タンクも、マフラーもそうなんだよね。マフラーのドラッグパイプなんてもう何十年もメーカーが出し続けてる物で、カッコ悪くなんかないからわざわざ作る必要もないし」

ハーレー アイアンショベル XLCH 1970のチョッパー

自分の審美眼に叶うものを冷静に見極め、選択する。ワンオフだろうが既製品だろうが、そこに下手なこだわりはなく、描いた完成形目がけて淡々と工数を重ねてゆく。イメージがクリアだからこそ、迷いもない。

「純正のバイクってカッコ良いでしょ。でもそこから物を切り崩してチョッパーにするっていうのは、実はもっとオシャレになるわけよ。俺も話の中ではこれぐらいダサいのが良いとか言うけど、やっぱカッコ良いんだよね」

ハーレー アイアンショベル XLCH 1970のチョッパー

デンのチョッパーを語るとき、ディテイルを追うのではなく、作り手のスタンスを見た方が話は早い。むやみに細く、小さくするのではなく、全体の比率を考えた上で自分が理想とする美的プロポーションにまとめ上げる。それは、色彩を帯びることで、虹のようなあざやかさを示す。

HARLEY-DAVIDSON XLCH 1970 DETAIL WORK

ハーレー アイアンショベル XLCH 1970のヘッドライト

HEAD LIGHT

形状、サイズ感ともに良好なオリジナルのヘッドライト。あらゆるパーツの選択が見事なマッチングを見せる。

ハーレー アイアンショベル XLCH 1970のハンドル

HANDLE

鋳物専科FORK製ナローライズクランプに、ワンオフのハンドルを装着。ダイヤグリップはナイス!MC製。

ハーレー アイアンショベル XLCH 1970のガスタンク

GAS TANK

全体のマシンバランスを考慮したサイズ感でタンクを製作。シックな印象を与えるピンラインはGRIMBが担当。

ハーレー アイアンショベル XLCH 1970のエアカバー

AIR COVER

デンの名品を復刻した『DEN×FORK』のコラボカバーを装着。デザインと吸気効率がブラッシュアップされる。

ハーレー アイアンショベル XLCH 1970のオイルタンク

OIL TANK

フレーム内側に収められたオイルタンク。スタンダードな形状がこのチョッパーとベストなマッチングを見せる。

ハーレー アイアンショベル XLCH 1970のリアエンド

REAR END

汎用を幅詰めしたフェンダーに、シッシーバーはシンプルな造形でワンオフ。テールライトはビルトウェル製。

BUILDER’S VOICE

MOTOR CYCLES DEN

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