
H-D XLH1200S 2003
SUN MOTORCYCLES
人から人へ継がれる
おふくろのカスタム
ショップの空気感でいえば、気難しい店主が営むバイク屋とは対照的である。
数名のスタッフと主人立岡(たつおか)さんによりオペレーションされる店には活気があり、時にはバイクとは関係がなさそうなおじさんおばさん風情が立ち寄っては、スタッフと談笑している光景がみかけられる。

お客さんにしても若者から年配の方までと、そのボーダーレスな年齢層からしてショップの気風が想像できるというものだ。そして、この入りやすい雰囲気を辿っていけば、当然のように立岡さんの人柄に行き着く。
スタッフとの距離感を見ると、いわゆるガチガチの師弟関係はない。風通しよく意見交換ができ、各々の裁量にある程度任せた環境がととのっている。
が、もちろんそこに慣れ合いはなく、ときに締める所は締めるというメリハリもまた、適温な空間づくりにひと役買う。一歩下がって眺めてみれば、なるほど、ベターなフォーメーションが築かれているのが分かる。

このスポーツスターは、まずスタッフがお客さんと打ち合わせをした上で、その後立岡さんと話を詰めていったカスタムだと言う。持ち込まれた写真を参考にして、ガスタンクからリアフェンダーにかけての流れるようなラインに焦点を当て、作製された。
「スタッフが決めていった部分と僕が指示を出した部分と、二人で作っていったようなイメージです。お客さんの意見が一番ですけど、最終的にカタチがまとまらないこともあるのでそこをアドバイスする感じです」

細身なシルエットを核として、外装パーツを選択。ワンオフパーツではなく既成品を効果的に配すことで希望に沿ったスタイルを作り出している。前後ホイールやフォークはストックをそのまま使い、ガスタンクにフェンダーといった箇所は要望を踏まえたナローな部品をチョイス。
一方、一品製作のスピード感を漂わすマフラーや、最終的に依頼したフレイムス柄のピンラインでインパクトを与えるなど、市販品では凡庸になりがちなところにちょっとしたエスプリを効かすのも怠ることはない。

店主からスタッフへと語り継がれていくカスタムと、ウェブや雑誌の中で見たものを真似た即席のカスタムは多分に異なる。それは家庭の味と外食の味の差で、おふくろの味のほうはいつまでたっても身体で覚えているが、後者はいくら万全と完成されていてもうつろいやすいものだ。

その点このバイクには、いつまでたっても身体が覚えているような等身大の舌触りがある。
HARLEY-DAVIDSON XLH1200S 2003 DETAIL WORK

HANDLE
ショートライザーとトラッカースタイルバーの組み合わせ。バイクのスタイルに合う操作性の高いハンドル周り。

FRONT FORK
フロントフォークとホイールは純正品をそのまま使用。三つ又アンダーブラケット横に極小ウインカーを装着。

GAS TANK
ネオファクトリー製ナロースポーツタンクをセット。深紅のフレイムスラインはピンストライパーのロウが担当。

SPEED METER
スリムな車体のスタイルに調和するようミニスピードメーターをサイドマウント。ツインプラグはシングル化。

MUFFLER
エンドをわずかにカチ上げたスタイリッシュなデザイン。他の既成パーツの中にあってインパクト部分とした。

REAR FENDER
純正フェンダーをショートカットし、ノーマルシートベースを加工して設置。トーンを抑えたガンメタで塗装。
BUILDER’S VOICE
SUN MOTORCYCLES
| 住所 | 広島県広島市西区横川新町2-1 |
|---|---|
| 電話 | 082-296-0330 |
| FAX | 082-296-0330 |
| SHOP | SUN MOTORCYCLESのショップ紹介 |
| 営業時間 | 10:00 ~ 19:00 |
| 定休日 | 火曜日 |

TRIBSA 1951
H-D S&S KNUCKLEHEAD





