
H-D XLH1200 1993
RODSTAR
正義のインストと
細身の抜本的スコア
会津の『ロッドスター』といえば、作り込みに定評のあるカスタム屋として世の好事家には知られたところで、そのクオリティは過去に、海外メディアの間でもえり抜きの話題をさらってきた存在だ。今回は、ハーレーのスポーツスターを素材にしたチョッパーである。
軽くて速いマシンが欲しいというオーナーからの依頼を受けてスタートした一大カスタム。まず作り手の永井さんは、「とにかく細いバイクが良い」という希望を受けて、骨格をつかさどるフレームから着手。
シングルダウンチューブとしたアウトラインは極限まで細く、しかしやり過ぎて全体のバランスが崩れないよう配慮してデザインされた。
「フレームに関しては後ろから見たインパクトというか、とにかく細く見せるようにしました。ただ細くし過ぎると今度シート幅もなくなってバランスが悪くなるし、長距離もきつくなるのでその辺の兼ね合いですよね」
ごくタイトに構築されたフレームワークと、ネック角を立ち上げた点も大きなポイントだ。
同店ではこのネックを立ち上げる工程は初らしく、フロントフォークがはるか前方に伸びた『ザ・ロングフォーク』的なスタイルを望まないオーナーの趣向に合わせて具象。ノーマルネック角が約31度なのに対して、約3度ほど立てた28度に設計された。
それに合わせて35mmフォークはインナーチューブを10インチほどエクステンド。しかし更に伸ばしたいことから結局ジョイントパーツで対処することになるが、35mmの場合テーパー形状になっているためジョイントでいくとどうしてもつなぎ目が不格好になってしまう。
そこで氏が頼ったのが交友の深い山形県の金属職人『ジッターバグ』で、最良のグレードで仕上げてもらい、トータル13インチオーバーのフロントエンドとしている。
一方、ガスタンクやリアフェンダーといった外装も勿論ナロードされるが、困ったのがマフラーだった。なぜなら、これら全ての外装が完成した後に急遽フレームの内側にライン取りすることが決まったためで、残されたわずかな隙間を活かして、すーっと、まるで針孔を通すような精妙さで作業は完遂。
それに付随したオイルタンクのエグリ加工やフェンダーステーの調整といった労役は推して知るべしだろう。
「前のバイクもそうでしたけど、こだわりが強いお客さんなんで大げさに言うとほんと毎日来てもらってるような感じで全部決めていきましたね。オーナーさんの理想的なのが作れたと思います」
HARLEY-DAVIDSON XLH1200 1993 DETAIL WORK
FRONT FORK
インナーチューブは10インチオーバー。『ジッターバグ』に製作依頼したジョイントを付け計13インチオーバーに。
GAS TANK
汎用ナロータンクにリブを立て装着。塗装はペイントショップイザナイが担当。シルバーリーフのフレイムスが入る。
FOOT CONTROL
足の操作系はハイマウント仕様に。膝のカチ上がったフリスコスタイル固有のライディングポジションを形成。
OIL TANK
マフラーは横から見た時に一本に見えるよう製作した2イン1。タンクをえぐりその部分を貫通するレイアウト。
FRAME WORK
バランスを崩さないよう極限までナロードされたフレーム。同じく可能な限り細く仕上げられたシートを配置。
MUFFLER
マフラーはフレームの内側をライン取りし、そのままフェンダーステーの内部を通過。徹底してナローに造作する。
BUILDER’S VOICE
RODSTAR
住所 | 福島県会津若松市門田町大字一ノ堰字土手外1924-10 |
---|---|
電話 | 0242-77-4818 |
FAX | 0242-77-4818 |
SHOP | RODSTARのショップ紹介 |
営業時間 | 10:00 ~ 20:00 |
定休日 | 水曜日 |