
H-D FL 1951
MOTORI GARAGE
サドンデスに持ち込む
導き出された雲上の金言
この手のチョッパーを語る場合、嫌らしくならないようにつとめたい。むしろいつも以上に一歩も二歩も下がった立ち位置から冷めた目で全体を見渡すべきだろう。
それはなぜか。単純に、このチョッパーが今売り出し中の代物だからだ。正直、売り出し中の物に対しての過大な評価やおべっかほどつらいものはない。
製作は、仙台の『モトリガレージ』。気取らず慌てずそつのない、オールドチョッパーを触らせたら心にくい感性を見せ付けるショップだが、このパンヘッドは飾りたてのない、ショーレースとは対極をいく一台に仕立て上げられている。
「オーダー品ではないです。ウチが作ったものに対して気に入っていただく方をつのる販売方式です(笑)。もう数年前からそういう風にシフトしたいと思ってて、ようやくここ2、3年で出来るようになってきたかなと」
主人の鳥居さんの言葉通り、現在基本的にはオーダーのカスタムは受けていない。ショップ側で製作した物を販売するスタイルを取っているのだが、この方式が実は妙にいい。
世間一般的に見ると、どうしても販売車両として並ぶものは野暮さや詰めの甘さが残るものだが、ここは違う。なにせそもそもカスタム屋として腕をふるってきてるだけに、フィニッシュした車両はどれも甲乙つけがたい凛々しさがある。
カリフォルニアで走ってたリアルなチョッパーをそのまま輸入して売るみたいな。だけどそこには日本人クオリティというか安心して乗れるようにしっかりと手は入れていると、氏は言う。
今までたくさんの旧車難民とでも呼べる苦い思いをしてきた人たちを見てきただけに、その言葉には重みがある。
一方、もちろん現地から輸入してきたスタイルそのままのはずもなく、すべてはイチから製作されたものだ。
時代考証を踏まえたパーツチョイスやその配置、新潟県『コスモ』による精妙なエイジングペイントなど、新品の陣営でありながらこの雰囲気を醸し出すのはたやすくない。むしろこの辺は頑張って出来るというよりも、先の心にくい感性がものをいうディテイルだ。
「振り返って見てですか? 個人的に欲しいなと、軽くて良いですね(笑)。ほんと自信をもっておススメ出来ます。だから1年保証付けて販売してるんですよ」
このチョッパーが良い悪いは個人の主観によるところだから割愛するが、でももし、この手のスタイルがツボだとすれば、次の行動として導き出される答えは一つか二つしかない。
HARLEY-DAVIDSON FL 1951 DETAIL WORK
HANDLE
特徴的なオフセットライザーに市販のワイドタイプのロボハンをセット。トップティーは純正タイプを加工。
FRONT FORK
1947-‘48年純正タイプのオフセット74スプリンガーを装着。ヘッドライトにはベイツレプリカを選択する。
GAS TANK
一見ビンテージパーツに見せてワンオフ。ピーナッツタンクのマウントなどを加工。塗装は『コスモ』が担当。
SEAT
コブラタイプのリバーシートをセット。装着にあたりリブフェンダーのリブは綺麗にスムージングされている。
MUFFLER
オールドチョッパーと相性の良いアップスイープのフィッシュテールを。適確なパーツ選択で完成度を増す。
SISSY BAR
シッシーバーは普遍的デザインのシンプルなもので熟度を高める。経験がものをいう奇をてらわない外装だ。
BUILDER’S VOICE
MOTORI GARAGE
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