
H-D FL 1964
MOTORI GARAGE
むず痒いほどの
御礼ペイシェンス
カスタムのジャンルでいえば、ボバーともいえるしチョッパースタイルともいえる。どちらにしても、ほんのり肩の力が抜けたやわらかな風体は、正しく『モトリガレージ』のそれである。
ふんふんと鼻息荒く工具を握ることはないから、その辺がおのずと手掛けるバイクにも伝染する。マイペースというのか自分の時間軸というのか、外野に侵されることのない世界観のなかで淡々と作業がとり行なわれている。加えてそのどのカスタムもツボを押さえていて、見るほどに全身に心地いい。
店主鳥居さんの愛車である。ベースは1980年式のFLH。そこに今のパンヘッドモーターを搭載したのは、約8年ほど前のこと。そもそも、知り合いから良い出物が入ったという連絡を受けたのが15年前の話で、その当時はフルオリジナルのFLHだった。
「ネジ1本から全部フルオリジナル。本当にフルドレスの『ザ・宮城県ハーレー会』みたいなバイクだったんです。でもいかんせん大きいんで、ちょこちょことカスタムしていくようになったんですよね」
氏が長らく乗り続けているこのバイクは、大きなカタチの変更もなく現在に至っている。足周りこそ2転3転のパーツチェンジはあったものの、「もしパンヘッドにFXモデルがあったらこんな感じかな」、という基本コンセプトは微動だにしていない。
さて、ではカスタムポイントである。一見あくせくしなさ過ぎてスルーしがちな外装だが、実際のところはそれなりに手が入れられているものだからややこしい。
FLHに載せ替えたパンヘッドモーターに始まり、デュオフレームの後端を取り付けたシート周辺のフレームワークや41φのナローフォーク、FLH純正をそのまま残したテールライト周りなど、アンバランスをバランスさせたコペルニクス的全体像が、これまた緑豊かな景色とよく馴染んでいる。
その車体のしっとりしたカラーリングもさることながら、やはり楚々としたスタイリングがその据わりの良さの源泉だろう。
「これが僕の好きなスタイルかって聞かれれば、はいそうですと。なんかオートバイっぽいというか、こういうやつが好きですね。僕もともとチョッパー顔ではないんで(笑)」
見た目は控えめながらグルメが見ればおもわずニンマリ。そして言わずと知れて、走りは絶好調。実にモトリガレージ店主の愛車らしい佇まいのバイクだ。
ひとたびスロットルをあおれば、牧歌的なエキゾーストノートがまた、むず痒いほどに五感の芯の部分に響いてくる。
HARLEY-DAVIDSON FL 1964 DETAIL WORK
FRONT FORK
フォークは41φナロータイプを装着。三つ又は大神戸共栄圏製となる。ライザー&ハンドルは’71-‘72のFX用。
GAS TANK
長く愛用するタンクはハンドシフトのパンヘッド用を選択。ブルーカラーにアシンメトリーのピンラインが入る。
ENGINE
元々はフルオリジナルのショベルヘッドのFLHだったが、知り合いから譲り受けたパンヘッドモーターに換装。
SEAT
一部をデュオフレームに換装した骨格に合わせてワンオフしたコブラシート。ぷりっとした肉厚が絶妙である。
MUFFLER
エキゾーストはV-TWIN製レプリカで、サイレンサーにシューペリアをセット。ホイールは16インチHリム。
REAR END
リアフェンダーは’72FX用を。テールライト&ウインカーはボリューミーなFLH純正を敢えてそのまま採用。
BUILDER’S VOICE
MOTORI GARAGE
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