H-D FXWG 1981
MOTORI GARAGE
リズムにゆだねる
モアベターの真相
いわゆるショーバイクと呼ばれる、カスタムショーに出展されるような煌(きら)びやかなカスタムを得意としているわけではない。どちらかと言えば、デイリーユースな街中に溶け込むスタイルが本望。もっと言えば、ブーツよりもスニーカーの軽やかさと波長を同じにした雰囲気が『モトリガレージ』のバイクにはある。
こちらは1981年式のワイドグライドをベースにしたチョッパーである。元々こうしたムードを漂わせた状態で店に入庫してきた一台だったそうだが、それを新たなお客さんが付いたのを機にリバース。完成形のモチーフにした写真を参考にして再構築された。
「最初は’74年のオリジナルペイントのゴキタンがあってそれありきの話だったんですけど、そのタンクを整備していこうと思ったら、ああちょっとこれは大変だと。ピンホールだらけだったんですよ。でそこからお客さんといろいろ相談してですよね」
そこで店主の鳥居(とりい)さんは’74年製タンクではなくパンヘッド用の分割タンクを提案。お客さんの了承を得た上で、全体的にガチャガチャとしたプライベーター感のあるスタイルを見栄え良くととのえていった。
「始めからフレームはデュオフレームでフォークはワイドグライド、それと丸スイングアームという感じだったのをもう少し綺麗に。まあ綺麗にっていうのもおかしいですけど、なんだかんだで全部やり直してます(笑)」
まず、グライドフォークは長さを変えた左ドラムブレーキの初期型アーリーショベルタイプに換装。次に分割ガスタンクは、左側が’51~‘53年製で右側は’48~’50年製という組み合わせの物をショベルヘッドのエンジンロッカー形状に合うよう成形。裏側を見れば努力の結晶が明らかな加工が施されている。他に、オイルタンクやリアフェンダーなども今回新たに用意したもので清められた。
一方、トランスミッションについても’81年純正のロータリートップをリビルド済みのラチェットトップに変更。ジョッキーシフトとの具合が良いセットアップに改め、フットコントロール周りは鉄棒を曲げてシンプルに自作。こなれた加工で、総身と風合いの馴染んだ一体感に仕立てている。
「なんだろう、普通でカッコいい。これでいいかなって。なんてことはないんですけど良くないですか(笑)」。鳥居さんのこの言葉がだいたいのことを伝えているように思う。普通が一番ではないけど、モアベターなのは確か。そしてそんなスタンスが、気分だ。
HARLEY-DAVIDSON FXWG 1981 DETAIL WORK
HANDLE
レプリカのグライドライザーに市販のミディアムエイプバーを装着。トリプルツリーはパンヘッド用となる。
FRONT FORK
フロントフォークは左ドラム仕様の初期型アーリーショベルタイプに換装。ヘッドライトはベイツレプリカ。
GAS TANK
パンヘッド用分割タンクは左側’51~‘53年製/右側’48~’50年製を組み合わせたもの。裏側を加工してマウント。
SEAT
フロントエンドとバランスを計ったハイバックシートはベースを用意した後に、宮城のジミードープが製作。
MUFFLER
マフラーは往年のアイアンスポーツ用レプリカを選択。レイアウトに納得行かずリアパイプは丸ごとリメイク。
REAR END
フラットフェンダーにデュオテールを接合。ストラットはオンエニイサンデー製でシッシーバーはアイアン用。
BUILDER’S VOICE
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