
H-D FXE 1976
INDIAN ORANGE MOTORCYCLE
チョッパーフリークが演出する
不意に魅せるクールな佇まい
小粋で男前、それでいて快活。そんなチョッパーを作らせれば九州随一。北九州にある『インディアンオレンジ』、その店主小田さんの過去作を見れば、それに異を唱える者はまずいないだろう。氏が昨年末の横浜ホットロッドカスタムショーに持ち込んだ今作も、それを踏襲する一台だ。
「お客さんは国産アメリカンに乗ってた方で、ハーレーに乗りたいとウチを訪ねてきてくれた。最初はボバーがいいって言ってたけど、うちに並んでるバイクを見て『この店はChopperがいいんですか?』って聞かれて『いいです!』って即答して(笑)」
そう回想する小田さん。打ち合わせの結果、ショベルのリジッドチョッパーという基本方針が定まった。
フレームは4速ベースをハードテイル化。Fフォークは純正FXの35φ。レングスは2インチオーバーに設定した。前後のホイールサイズは21/18インチ。近年インディアンオレンジが造るChopperの黄金比的セッティングだ。
「ナローで見た目にも軽快に見えるし、コーナリングも軽く回れる。ウチはよくこういうスタイルで作ってますね」
エクステリアも見ていこう。ガスタンクは定番のピーナッツ。リアフェンダーはタンデム時の強度を求めるべく定評のあるCooper Smithing製をチョイス。シッシーバーも最もベーシックなスタイルをあえて選んだ。
このマシンの製作にあたり、小田さんはひとつの『約束』を自分に課している。
「あまり凝ったディテイルは作らないって決めましたね。至ってシンプルな一台。これはいつも心がけてるんだけど、『普通に停まってる佇まいがカッコいいバイク』というのを主題にしてます」
マシンの全体像に目をやれば、その言葉通りのスタイリングを呈していることがわかるだろう。奇をてらわぬド定番チョッパー。それでいて惹かれる佇まいは、チョッパーフリーク小田さんの平衡感覚の成せる技だと言える。
マシンを彩るチョコレート然としたブラウンはオーナーの指定。あえて艶感を落とし、若干のエイジングを施した。一方そのままでは地味だと、氏の提案で外装とフレームには目の覚めるようなイエローのフレイムスを追加。B級感漂うラジカルな佇まいを演出している。
小田さんの言葉通りの、不意に停まった姿が妙に決まるチョッパー。それを体現したかのマシンである。
偶然にも取材後、帰途に就くオーナーを高速道路で見かけた。停まっている姿のみならず、ライディングシーンも総じてクールだったことは言うまでもない。
(写真・文/マツモトカズオ)
HARLEY-DAVIDSON FXE 1976 DETAIL WORK
HANDLE
ハンドルはワンオフのラビットバー。イメージしたのはデビッドマンの絵に出てくる1970年代のチョッパー。
PAINT WORK
ペイントは新潟のKustom Paint RISEが行った。ヤレ感あるエンジン周りに合わせて若干のエイジングを施す。
TANK SHIFT
エドロスが描くモンスターが握る長いシフターをイメージしたタンクシフト。かなりコントローラブルな一品。
FOOT CONTROL
プライマリーはBDLのセル付2インチオープン。スーサイドクラッチで、ペグはデッドストックのペンタゴン。
SEAT
シートはタンデムを考慮して1970’sをイメージしたキング&クイーンを製作。製作は福岡のStyleが担当した。
MUFFLER
アップスイープのベルチップマフラー。エキパイの軌道は往年のチョッパーに倣った古っぽさを演出した箇所。
BUILDER’S VOICE
INDIAN ORANGE MOTORCYCLE
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