
H-D SHOVELHEAD 1979
BIKE GARAGE KOKORO
誰一人後続のいない
宝石仕込みのアンセム
実例として、バイクに興味がない人でもそれを見た時に「ぽっ」と、笑顔が咲くようなカスタムは総じて素敵だ。
女性や子供が大勢集まったあの横浜ホットロッドカスタムショーの場で、それぞれにバイクを眺める光景をまじまじと見ていたら、そんなひとつの『真理』に行き着いた。
ライトアップされたバイクに磁力でもあるかのように、不思議なほどスーッと吸い込まれる人たちが後を絶たない。そして表情は皆、きらきらとまぶしい。その視線の先にあるのが『バイクガレージココロ』のカスタムだというのがまた、先の真理の答え合わせの場にふさわしい。
1年ぶりのショーバイク。ビルダーの内田さんとしてはあまりにも長い参籠期間を経て放たれたニューワークは、『ココロ』固有の目を奪うスムースラインに、新たな2つの試みが取り入れられ、昨年12月1日のあの場所に晴れやかに姿を現した。
まずその1つ目、エンジンのロッカーカバーである。トップをスケルトンとして内部が見れる作りとしたそれは、世の好事家連中を騒然とさせるにあまりあるインパクトを発破。
アクリルを使った空前のクリエイションは今後更に磨きをかけ商品化へと加速していく予定だが、この発想にして更に、ロッカーアームにレーザーで彫り込んだ『BGK PERFORMANCE』のさり気な演出に、一線を越えたビルダーの力量が露呈する。
2つ目の、ワンオフのトリプルツリーもかけがえがない。通常トップが41φの場合、挿し込みになるがそこを今回はホールドにして強度をアップ。ミリ単位で調整したクリアランスからスタビが取り付けられないこともあって、この箇所で剛性を高めてブレを抑制。
高速域でのコーナリング時のねじれにも不安のない乗り味にしたかったとは、走りに人一倍重きを置く氏ならではの発言だ。
こうした、ある一定のレベルにいるひと握りの作り手が新しい試みにチャレンジするということは、三下のそれとはまるでわけが違う。
難易度にしても発想にしても、極めていくほどにその先がすぼまっていくのはどの世界においても同じだが、それをカタチにすることがどれほど辛く難儀なことかは想像にかたくない。
「いろいろショーバイク見て思ったのは、これ系は僕にしか出来ないのかなと。もちろんビルダーさんたちそれぞれに色があるんですけど、被ることはないものを作れているという確信は持てました」
追いつく人はいない。だけど後続が見えない今も走り続けるからこそ、独走状態は延々つづく。
HARLEY-DAVIDSON SHOVELHEAD 1979 DETAIL WORK
FRONT FORK
ワンオフの41φナロートリプルツリーを装着。フォークを挿し込みではなくホールドタイプにして剛性をアップ。
GAS TANK
全体のバランスを計算して製作される美しいラインが同店の真骨頂。長年、塗装も内田さん自らが担当する。
ENGINE
メカニカルなオイルラインに始まり見所は尽きない。トップをスケルトンとしロッカーアームにBGKの刻印が入る。
FOOT CONTROL
シルバーを基調とした操作系に差し色のゴールドが映える。隙のない美しい仕上げが同店のカスタムマナー。
SEAT
単一で製作したフレームワークに3D造形のシートマウント、オイルタンクは高次な鈑金スキルの上で成り立つ。
MUFFLER
同じく3Dのフェンダーステーやマフラーにも手筋を披露。メタルモールディングされたフレーム下部もポイント。
BUILDER’S VOICE
BIKE GARAGE KOKORO
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