ハーレーダビッドソン '70年代チョッパーのショベルヘッド

H-D FLH 1975
MIX

June 10th, 2020

しっとり噛みあう
着流しのローカリズム

ほどよくフロントフォークが伸びたセブンティーズスタイルのチョッパー。数ある県内のカスタムショップにおいて、埋没することなく光彩を発した『ミックス』によるブランニューである。

ハーレーダビッドソン '70年代チョッパーのショベルヘッド

ショベルヘッドを支柱に据えた’70年代のB級チョッパー。そこから広がる同店の世界観に共鳴するローカルは多く、今回は’75年式FLHをベースに、作り手の安(やす)さんと親交の深いオーナーが依頼をかけたものだ。

「元々は前後16インチホイールでスプリンガーフォークが付いてたんですよね。で車高がもう低すぎて乗れないようなバイクだった(笑)。それでオーナーさんが変わる時に乗りやすくしたんです」

ハーレーダビッドソン '70年代チョッパーのショベルヘッド

まず、フロントフォークを6インチ伸ばして21インチホイールを装着。それに合わせてリアに18インチホイールをセットし車高をアップ。狙い通りの小気味良い乗り心地を確保すると今度は、外装に目を向けた。

ボリューミーな41φフォークにはハンバーガードラムを設置し、プライマリーカバーにはエンジンスプロケット側が薄い当時物のフラットタイプをチョイス。テールランプにはショベルの純正品を使用している。そして聞けば、これらは安さんが自分用にコツコツ集めていたパーツだそうで、それを譲った物だとほがらかだ。

ハーレーダビッドソン '70年代チョッパーのショベルヘッド

他にも、2連のヘラー製ヘッドライトやハンドル、キャブカバーなどオーナーの意向を踏まえたパーツを用いて、最終的なシルエットは長年育んできた作法で調律。どの風景にもしっとり馴染む自然さで着地させている。が、そこに隠された労力を見逃すわけにはいかない。

「大変だった箇所? やっぱりハンドチェンジのところですか。本来これはパンヘッドとかに付ける物なんで、ロックというか止まるやつですよね。だけどそれをラチェットトップに使ってるんで遊びが大きくなってしまうんです」

ハーレーダビッドソン '70年代チョッパーのショベルヘッド

ナックルやパンヘッドといったメカニカルトップの時代に採用されていたタンク脇のシフターを再現しているため、どうしても遊びが出てしまう。そこでシフトロッドの長さを変えたり、支点にベアリングを挿入することで極力動きを抑制。限られたシフタースペースに十分な操作性を落とし込んでいる。

ハーレーダビッドソン '70年代チョッパーのショベルヘッド

ガレージから引っ張り出し、ものの数発のキックで安定したアイドリングを刻む着流しの一台。必要以上のきらめきや細工は、ミックスの手に掛かったチョッパーの前には出番がない。

HARLEY-DAVIDSON FLH 1975 DETAIL WORK

ハーレーダビッドソンの'70年代チョッパーFLH 1975のフロントフォーク

FRONT FORK

大神戸共榮圈製トリプルナローに41φフォークをセット。ライトはオーナー持ち込みのヘラー製を2連装。

ハーレーダビッドソンの'70年代チョッパーFLH 1975のガスタンク

GAS TANK

汎用スポーツスタータンクをわずかに加工。燃料コックの位置を変更し、塗装に王道のレッドフレイムスが入る。

ハーレーダビッドソンの'70年代チョッパーFLH 1975のシフター

SHIFTER

手間を掛けたシフター部。シフトロッドの長さや支点にベアリングを挿入して調整。真鍮ノブはオリジナル商品。

ハーレーダビッドソンの'70年代チョッパーFLH 1975のエンジン

ENGINE

ストックエンジンにS&S製Bキャブを装着。エアカバーはオーナー希望の既製品で、キックペダルはシカゴ製。

ハーレーダビッドソンの'70年代チョッパーFLH 1975のプライマリーカバー

PRIMARY COVER

店主の安さんが自分で貯めてたパーツのひとつだと言うプライマリーカバー。前側が薄い当時物のタイプ。

ハーレーダビッドソンの'70年代チョッパーFLH 1975のリアエンド

REAR END

黒染めのチェーンカバーやシッシーバーのマウント部は、雰囲気を損なわないようにマイナスボルトで固定。

BUILDER’S VOICE

MIX

住所 群馬県高崎市剣崎町231
電話 027-381-5887
FAX 027-381-5887
SHOP MIXのショップ紹介
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定休日 不定休