ハーレーのショベルヘッドチョッパー FXE 1972

H-D FXE 1972
URAWUS MOTOR CYCLE

May 17th, 2019

ハーモニーが共振する
令和のヴードゥーチャイルド

「最初からチョッパーとしてわりと形になってたんですよね。それでオーナーさんの希望で少しずつハンドルやったりシーシーバーやったり色々してたんですけど、若干とっちらかっちゃったんでそれをまとめていった感じです」

ハーレーのショベルヘッドチョッパー FXE 1972

既にあった形に手を加えていく過程で、「これだけやればもうウチで作ったバイクと呼んでも良いのでは?」、ということになり、ならばカスタムショーに出展しましょうと話は進行。難易度の高い条件付きのカスタムはそんな経緯でスタートした。

ハーレーのショベルヘッドチョッパー FXE 1972

そして肝心のその条件は、ずばり、塗装済みの外装とフレームだ。普通はすべての加工物を終えて最終的にペイントするものだが、今回はガスタンクとフレームが既にホワイトカラーに彩られた状態。しかもタンクトップには、決してわずかなコツンも許されないジミヘンのグラフィック入りである。

ハーレーのショベルヘッドチョッパー FXE 1972

「ペイントが先に済んでたんで、フレームにタブ溶接したりが全く出来なかったところが大変でしたかね。結局焼けて塗装がダメになりますから。まあそれでいて、こんなマフラー作り始めちゃってますけど(笑)」

店主の鈴木さんはおだやかにそう語る。大変なことを微塵もそう感じさせないトーンで楽し気に話す姿はいつもの通り。ことカスタム談議において、シリアスな表情をこれまで見た試しが無い。そのポジティブな姿勢は、自然と周りの人間の胸にポッと小さな花を咲かせる。

ハーレーのショベルヘッドチョッパー FXE 1972

フレームの内側を通した左右出しのマフラーは、各パイプを両サイドから潰して中通しするまでは順調だった。が、その先のエンド部分をどう料理するかが最大の悩みどころで、テーパー形状のままバスっとスライスして終わらせるか、あるいは別の手段を取るかで思案を重ねた。そこで氏は、「なんかしたかった」、という作り手特有の気概でトランペットを選択。テーパーかつスクエア気味の断面に違和感なくつなぎ、見事な着地を披露した。

ハーレーのショベルヘッドチョッパー FXE 1972

他に、シート下のフレームとフェンダーを固定した箇所も見ごたえがある。マフラーステーの取り場所が無かったために、フレームとフェンダータブの間に挟み込んだそれは、丸みのあるステー形状に気を配り、満遍なくメッキ処理を施すなど人目に触れにくい箇所ながら『魅せる』をしっかりと意識して製作。また、狭すぎたフェンダーとタイヤのクリアランスを確保するのにも一役買っている。

つまるところ。こうしたガードの固いストラクチャーもまた同店の醍醐味であり、まぶしさだろう。

HARLEY-DAVIDSON FXE 1972 DETAIL WORK

ハーレーのショベルチョッパー FXE1972のフロントフォーク

FRONT FORK

Vツイン製35φレプリカフォークに、三つ又は米国Mullins Chain Drive製スーパーナロートリプルを装着。

ハーレーのショベルチョッパー FXE1972のガスタンク

GAS TANK

カスタム前段階から塗装済みだったタンクにはジミヘンのグラフィックが入る。横浜のラブイヤーアート作。

ハーレーのショベルチョッパー FXE1972のオープンプライマリー

OPEN PRIMARY

フットコントロール周りは全てワンオフで、ステップ下にプラグを収納できる鉄ペグは同店のオリジナル商品。

ハーレーのショベルチョッパー FXE1972のマフラーステー

MUFFLER STAY

フレームとフェンダータブの間にメッキ済みのマフラーステーを挟み込んで固定。魅せるを意識した丹念な作り。

ハーレーのショベルチョッパー FXE1972のステー

STAY

ナンバープレートを支えるステーや、チェーンカバーとシッシーバーの交錯箇所のカバーなども盤石の作り込み。

ハーレーのショベルチョッパー FXE1972のリアホイール

REAR WHEEL

16インチにホワイトリボンタイヤを履かせNISSINキャリパーを装着。ウインカーは鋳物専科FORK製を選択。

ハーレーのショベルチョッパー FXE1972のリアエンド

REAR END

パイプを潰してフレーム内側を通し、エンドはその断面図に合わせトランペットをセット。裏側の固定処理も周到だ。

BUILDER’S VOICE

URAWUS MOTOR CYCLE

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