ハーレー ショベルチョッパー FLH 1982のボバーカスタム

H-D FLH 1982
MOTORI GARAGE

March 4th, 2019

快音鳴り響く
フィールドオブドリームス

一見、ナセルを配した象徴的なフロント周りからアイアンスポーツと錯覚するが、よく見ればビッグツインのFLHがベース。そして、そのまま視線を全体にもっていけば、毎度のことながら目にやさしく景色の良い、決して外すことの無い安定感に頭が下がる。全盛期のイチローを思わす打率の高さは今日も健在だ。

ハーレー ショベルチョッパー FLH 1982のボバーカスタム

「オーナーが10代の頃からの付き合いで、このショベルを作ったのももう何年も前なんです。これまでも何回かモデルチェンジしてるんだけど、今回、『アイアンのナセル付けたら良いかもしれないですね』って。そしたら『やっちゃいますか』って(笑)」

ハーレー ショベルチョッパー FLH 1982のボバーカスタム

ノリが良く勢いのある若者と、店主鳥居さんのアウンの呼吸で第何回目かのモデルチェンジはスタート。取っ掛かりこそフロントのナセルだが、他の外装周りは市販品を使いつつも、各時代の純正パーツを流用して味がととのえられた。また、そこでどうしても表現の難しいテイストに関しては手練れのスタッフによるワンオフで対処するなど、いつもの料理法でタスクは進行。

「フォークは34φの後期のかな。それにチェリーズカンパニーのスプリングを付けてます。タンクはレプリカのパンヘッドのをぶった切ったやつで、リアフェンダーもハイドラのレプリカタイプをセンターでナロードしたものですね」

ハーレー ショベルチョッパー FLH 1982のボバーカスタム

そしてフェンダーを支えるステーは、元々このハイドラのレプリカフェンダーにリベット留めされていた物を分解。フェンダー自体のナロー化にともないステー幅を調整し、クラシカルなエンド部分だけそのまま活かして加工した部位である。

ハーレー ショベルチョッパー FLH 1982のボバーカスタム

メーター周りにも小話があり、まずそこに鎮座するのはスミス製メーター。そもそもこのナセルが付いた時代にはスミス製が純正採用されていたらしいが、これは同じスミスでも全くその変遷にからんだパーツではない。だいたいがハーレー用ではなくトライアンフか何かのクロノタイプだ。それを、最初からメーターが外されていた空洞にあてがってみればカポッと予想外にも一致。ジャストなサイズにテンションが上がって、ステーを作り完成させた箇所だったりする。

ハーレー ショベルチョッパー FLH 1982のボバーカスタム

「大きさぴったりなんだなって(笑)。まああとは全体のバランスなのかな。スタッフがやってるから聞かれても困るけど(笑)」

店主鳥居さんのプロデューサー的視点で安打を重ねるモトリガレージ。この店の快音が鳴り止むことなんて、アメリカから軍隊が消えるくらいに、今のところは想像できない。

HARLEY-DAVIDSON FLH 1982 DETAIL WORK

ハーレー ショベルチョッパー FLH 1982のハンドル

HANDLE

汎用スーパーバーをショートカットし、FL用分割ライザーに挿入。ナセルトップにスミス製メーターを収納。

ハーレー ショベルチョッパー FLH 1982のフロントフォーク

FRONT FORK

アイアン用ナセルで個性を出し、フォークは34φの後期タイプを使用。スプリングはチェリーズカンパニー製。

ハーレー ショベルチョッパー FLH 1982のガスタンク

GAS TANK

レプリカのパンヘッドタンクがベース。加工しては合わせてを何度も繰り返して、納得ゆく造形と位置にアレンジ。

ハーレー ショベルチョッパー FLH 1982のフットコントロール

FOOT CONTROL

フットステップのステーは鉄棒を曲げて製作。使用感のある年季が入り、バイクとの親和性がより高まる。

ハーレー ショベルチョッパー FLH 1982のマフラー

MUFFLER

エンドの形状がアクセントになるマフラーはワンオフしてブラックアウト。作り込むことなく雰囲気を重視。

ハーレー ショベルチョッパー FLH 1982のリアフェンダー

REAR FENDER

ハイドラのレプリカタイプをナロードしたフェンダー。スパルトテール、シートなどは敢えてマイナスネジで固定。

BUILDER’S VOICE

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