BMW R1100GS 1994のカスタムアドベンチャー

BMW Motorrad R1100GS 1994
AN-BU CUSTOM MOTORS

January 30th, 2019

未踏の地で発光する
染色のアドベンチャー

ストリートカフェスタイルの旗手として鳴らした『アンブ』では珍しい、アドベンチャー系カスタムである。そもそも未舗装路での高い走破性と、高速時の走行安定性に長けたモデルとして知られるアドベンチャーだが、最低地上高を高くとったその特異なフォルムから、カスタムベースの候補に挙がることはまず稀だ。

BMW R1100GS 1994のカスタムアドベンチャー

「これはオーナーが選んだ車両で、’80年代のパリダカのイメージというコンセプトで作り出した。あと、街中をオシャレに乗れるバイク。でも最終的にはほとんど自由に作らせてもらったかな」

BMWのR1100GSを素材にした一台からは、ノーマルのエレガントな風体は払拭され、いかにも店主の藤田さんらしい緊張が走るカタチへとメイクされた。そしてアイコンとなる右にオフセットしたヘッドライトもまた、効果的にマシンの危うい濃度を高めている。

BMW R1100GS 1994のカスタムアドベンチャー

「フロントマスクは一番最後だった。自分的にはタンクを換えたかったんだけどBMW好きはみんなこのタンクが良いみたいなんで、じゃあこれを使おうと。色は元々でかく見えるからトーンを抑えて少し小さく見えるようにしてる」

タンク下の隙間も気になる箇所だったが、そこにカバーを付けると安っぽくなるため、敢えて配線類を剥き出しにして収納。右側には、無駄なスペースを作らないようライトとフォグランプのスイッチプレートがマウントされた。

BMW R1100GS 1994のカスタムアドベンチャー

他に、マフラーにも固有の作りが現れる。エンド部分はカーボン製とし、エキパイをステン製で共にワンオフ。取り回しにも凝って高めに設定したラインは、見た目はもちろん、街乗り以外に林道もタフに走るオーナーの乗り方に合わせてのものだと言う。さて、そのままフットステップに視点を移したい。

BMW R1100GS 1994のカスタムアドベンチャー

ブラックに塗ったステップ周りは鉄で製作。エンジン下のアンダーカバーや、両側ヘッド下のカバーはオーナーの希望でアルミ材で作りながらも、ここだけは敢えての鉄のチョイス。これは、山や林道で転倒したときに鉄で作っておいた方が何かと現地で潰しが効くという経験値からのもの。この辺の乗り手の境遇を想像した物作りは、自ら山やサーキットを好んで走るジャンキーだからこその配慮だろう。

BMW R1100GS 1994のカスタムアドベンチャー

アドベンチャー系でありながら、どこから見てものアンブスタイル。将棋のすべての駒を使うように動かし、少しずつしかし確実に大団円へともっていく手なみは変わらず鮮やかだ。

BMW Motorrad R1100GS 1994 DETAIL WORK

BMW R1100GSカスタムのフロントカウル

FRONT MASK

アンブを象徴するかの片側にオフセットしたライトがアイコンのマッドなフロントマスク。アルミで製作。

BMW R1100GSカスタムのエンジン

ENGINE

エンジンヘッド下にアルミカバーを設置。スイッチプレートを置いたタンク下はカバーで隠さずに敢えて露出。

BMW R1100GSカスタムのマフラー

MUFFLER

エンドはカーボンで、エキパイはステンでワンオフ。等長としたパイプは右から回り込んで左後方へ1本に集約。

BMW R1100GSカスタムのフットステップ

FOOT STEP

アルミではなく鉄で製作したスロッテッド加工を施したステップ周り。出先での修理や割れを考えての選択だ。

BMW R1100GSカスタムのサイレンサー

SILENCER

サイレンサー部は筒のみ外注に依頼したカーボン製。中の部位は展開図を描いて切り出し、丸めて溶接された。

BMW R1100GSカスタムのリアエンド

REAR END

フェンダーはホンダXR系を流用。シートレイルを加工してデザイン的に馴染む荷物置き用のキャリアを製作。

AN-BU CUSTOM MOTORS

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