ハーレー ショベルスポーツ XLCH 1972のトラッカーカスタム

HARLEY-DAVIDSON XLCH 1972
MC.ROOTS

May 1st, 2018

切りとおしの先で
引き当てたストライク

キタコレ! 当たりを引いた感動が全身を突き抜ける。足を踏み入れた店内には、趣味の良いカスタムバイクがそこかしこに鎮座。いや、そもそも店前に並んだバイクからしてテンションが上がる『いなせ』ばかりだった。何ていうのか、クオリティうんぬんではなく、雰囲気が良い。どのバイクにも作り手の好きさ加減がバンバンに出てしまってるわけだ。

ハーレー ショベルスポーツ XLCH 1972のトラッカーカスタム

事前情報はまったくなく、初めてお邪魔したそのビンゴの主である新田さんは、ゆったりと、人好きのするにこやかな表情で目の前のショベルスポーツについて話してくれた。

「お客さんにお任せでって言われるんで、やっぱり乗って楽しいこと。あとみんなでオフにも行ってもらいたいし、ウチもちょこちょこ行ったりするんでまあこんな感じですね」

ハーレー ショベルスポーツ XLCH 1972のトラッカーカスタム

昔からモトクロッサーやトラッカー系が好きなこともあってこの手のスタイルは得意分野。そして、ディテイルの作りにも特徴がある。まず、リアエンドのループフレームに注目したい。

毎回オリジナルで作るというループフレームは、間接部にわざわざラグを配したボルトオン仕様。最初に、旋盤でインロー(※凸凹が噛みあう形状)を作って点付け溶接で肉盛り。圧入で製作するそれは、既存のループフレーム加工より手間のかかる代物である。なんでそこまでするのか、と分かりきった質問をしないではいられない。

ハーレー ショベルスポーツ XLCH 1972のトラッカーカスタム

「ハーレーとかトライアンフの時はいつもやったりとか。まあやった方が見た目的にもいいかなみたいな(笑)」。言わずもがなである。

他に、キャブのモディファイやエンジンのフルリビルドもそうだが、前後19/18インチのホイールに焦点を合わせたい。実はこれ、ブランクの状態からオーダーで作ったワンオフリムで、スポーク角もすべて合わせられたものだ。H型の汎用品となるとアクロンやボラーニが一般的だが、信頼を寄せる職人に依頼した方が自由度もコストも抑えられることでそうしているそうだ。

ハーレー ショベルスポーツ XLCH 1972のトラッカーカスタム

「ウチH型はよく使うんで、型を置いてもらってるんです。リムをオーダーで作ってもらって、それに合わせてこっちでハブとシャフトを旋盤で作り直してる。オフセットを車体に取り付けた状態でフレ取り出してやるんですよね」

ハーレー ショベルスポーツ XLCH 1972のトラッカーカスタム

やっぱり、当初感じたバイクに漂う作り手のパッションは間違いなかった。ぽんぽんと、普通の会話から飛び出してくる専門性の高い内容が心地よく胸に響く。そしてなんといっても、こんな店が近くにあれば、晴れやかだ。

HARLEY-DAVIDSON XLCH 1972 DETAIL WORK

ハーレー ショベルスポーツ XLCH 1972のハンドル

HANDLE

ハンドルはワンオフ。メーターはスミス製だとコスト的に上がってしまうことから汎用のスミスタイプを装着。

ハーレー ショベルスポーツ XLCH 1972のフロントフォーク

FRONT FORK

ウチではめっちゃよく使うと言う35φフォーク。ハーレーだけではなく日本車のカスタムでも重宝するそうだ。

ハーレー ショベルスポーツ XLCH 1972のフロントホイール

FRONT WHEEL

ワンオフリムを使ったH型の19インチホイール。ヴィンテージライクなブレーキはホンダCB製を流用する。

ハーレー ショベルスポーツ XLCH 1972のガスタンク

GAS TANK

タンクは全体のバランスを見てトンネルから作り直したワンオフ。同店ではカラーペイントも自社で行う。

ハーレー ショベルスポーツ XLCH 1972のリアエンド

REAR END

単にパイプをつないで均すのではなく、ラグを入れて整形。ひと手間入れることで完成度は飛躍的に向上する。

ハーレー ショベルスポーツ XLCH 1972のリアホイール

REAR WHEEL

リアも同じくワンオフリムを使用した18インチ。ブレーキはアイアン純正ハブでショックカラーは赤に変更。

BUILDER’S VOICE

MC.ROOTS

住所 和歌山県和歌山市塩ノ谷279-1
電話 073-466-3893
FAX 073-466-3897
SHOP MC.ROOTSのショップ紹介
営業時間 10:00 ~ 19:00
定休日 不定休