
H-D XL883 2006
MOTO DIRECT
7年間繰り返されたカスタム
冠たる走りのカフェスタイル
「速そうなカフェレーサー」と「速いカフェレーサー」では、意味が大きく違ってくる。一般的なカスタムの場合は見た目重視が多く、「速そうな」というのが大多数となり、作り手やオーナーの美的センスが重要となってくる。レーシーなカスタムというのも同義語だ。
一方で「速い」場合は性能重視であるため、作り手やオーナーの美的感覚はあまり重要ではなくなってくる。

といった理由で、美しいカフェレーサーが停めてあれば、「速い」ではなく「速そうな」タイプだろうと、まずは先入観を持って眺めしまうのだ。
見た目が重要視されてしまうジャンルだが、ときとして真物に出会ってしまうと「このパーツの意味するものは……」などと深読みする時間も長くなる。

スポーツスターは誰もが知る、よくできたモーターサイクル。数字が重んじられる世の中で、大きい方が「勝ち」ではないのもまたスポーツスターだ。
1200は1200ccでよし。他方で、883は883ccで排気量こそ小さくなるが、軽快なライディングを長所とし、「速いカフェレーサー」を作るには最良のカスタムベースだ。

眼前に愛媛県松山市にファクトリーを構える『モトディレクト』が作り上げた真に迫る883カフェレーサーがある。店主の寺川さんは、走行性能を引き出したストリートドラッガーの製作を得意とする。
「このオーナーはベース車両として1200を望んでいたんですけど、20年くらい付き合いのある友だちなので『これでいいやん』という感じで、半ば強引に883を薦めたんです」と目尻に皺を寄せる。以来、7年余りの月日をかけてアップデートを繰り返してきた末が、この現状だ。

寺川さんにしてはライトチューンということになるようだが、広島県の45ディグリー製ピストンやカムを変え、1000ccへとエンジンチューンを施し、1200ccのノーマルくらいのほど良い走りを実現。心臓部のパワーアップにより、足周りも見つめ直す。
ホイールのセッティングはノーマルのフロント19/リア16から19/18へ。さらにフロント19/リア17へと変遷を経てきた。それにともない、フロントフォークはオーリンズの倒立、リアショックはオーリンズのブラックラインへと改変。無論外装も品よくドレスアップしている。

しかしこれは最終系ではなく、これからもアップデートは続くことだろう。よく走るカフェレーサー。それでいて見た目にも無駄がないのだから、言葉をなくし、ただただ見つめてしまう。
(文/野上真一)
HARLEY-DAVIDSON XL883 2006 DETAIL WORK

HANDLE
ミスミエンジニアリングのトリプルツリーにクランプ、ハンドルはドイツメーカーのABM製をセットアップ。

FRONT FORK
フロントフォークはバネレートを変更したオーリンズの倒立。バイザーマウントのヘッドライトは純正を使用。

GAS TANK
低く美しい造形で定評の高いスポタンはトランプ製。無論、タンクエンドに合わせてシートに加工を施した。

MUFFLER
メガホンマフラーはスーパービルドマキシマムのチタンモデル。軽快さを物語るホイールはグライド製S18。

REAR SHOCK
スイングアームは純正のまま、ブレーキはブレンボ、リアショックはオーリンズのブラックラインを装着。

SEAT COWL
シートおよびシートカウルはサドルメン製。ガスタンクから流れるようなフォルムを作り出すためFRPを加工。
BUILDER’S VOICE
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