
H-D FLTRXS 2017
SUN MOTORCYCLES
絢爛な仕様とは一線を画す
重厚でアダルトなシルエット
バガーというカスタムスタイルが定着して久しいが、日本でバガーと言えば大口径ホイールを履いてドレスアップされた外装のマシンを思い浮かべる者が大多数だろう。そんな主旋律から脱し、新風を吹かせたマシンを見ていただきたい。
製作は広島の『サンモーターサイクルズ』。オールドスクールなチョッパーから絢爛なバガー、そして国産車まで手がける幅広い技量で知られる公知のショップだ。
「お客さんのオーダーは『フロントにファットタイヤを履いた、低いスタイルのロードグライド』。今まで26インチとかの大口径で長いバガーは作ってきましたが、ファットタイヤのカスタムは初めてでした」。そう話すのは店主である立岡さんだ。
このスタイル、アメリカやヨーロッパでは数年前から散見されてきたが、日本で見かけることはほぼない。ゆえに、その重厚なスタイリングは異質にすら見える。
それではこのマシンのディティイルを見ていこう。やはり特筆すべきはそのフロントエンドだ。
アメリカHHI製のファットホイールキットを使用し、履き替えたそのサイズは180 / 22R18。太めのタイヤにより、重厚なロードグライドは更に重量感を増している印象だ。
更にサスペンションは前後共にローダウン。それらに合わせ、ロードグライドの文字通り『顔』であるデュアルヘッドライトを備えたフェアリングはマウント位置を2インチほどダウン。
近年話題となっているバガーレーサーを彷彿とさせるアグレッシブさと、地を這うような低く構えたスタイリングの両方を見事に演出している。
ガスタンクはオーナーからの要望でダッシュを排し、トップをツルッとしたシンプルなデザインにリメイク。アレンネス製のストレッチタンクを加工し、大柄な純正のフューエルポンプをスポーツスター用の小ぶりなものに換装することでオーダー通りのシルエットを実現させている。
リア周りのバガーキットは、長過ぎず、そして短過ぎない、最もこのスタイルに合うレングスだったという滋賀県『バーディ』製のキットをチョイスした。
ペイントは広島『N2オート』が担当。ブラック×グレーの2トーンは各色に隠し味のパールを入れ、陽光の下で鈍く輝く。フェアリングからタンク、フェンダーとセンターに走るGTラインがマッスルカーの雰囲気を醸す。
立岡さん自ら「まとまりのある、大人のバガー」と評するこのマシン。その精悍かつセクシーなルックスは、広島のビル街に絶妙に映えていた。
(写真・文/マツモトカズオ)
HARLEY-DAVIDSON FLTRXS 2017 DETAIL WORK
FAIRING
フェアリングは2インチほど下方にリロケート。オーナーが希望した低い重心のスタイルをより重厚に演出する。
HANDLE
ハンドルも王道バガーの定番であるハイライザーではなく、ビーチバーを選択することで低いライポジを創出。
FRONT WHEEL
180幅を誇るファットタイヤの存在感が強烈なフロント周り。ホイールとローターはPM製コントラストカット。
SEAT
シートは純正だがタンクのシェイプに合わせベースを加工してリメイク。製作はスタッキートリムサービス。
AIR CLEANER
PM製のC4カーボンエアクリーナーがレーシーな雰囲気を醸す。重い車体も萬羽製バックギアで楽に取り回す。
MUFFLER
バガーキットに合わせマフラーを延長。突き出たサイレンサーが戦闘機のアフターバーナーを彷彿とさせる。
BUILDER’S VOICE
SUN MOTORCYCLES
住所 | 広島県広島市西区横川新町2-1 |
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電話 | 082-296-0330 |
FAX | 082-296-0330 |
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定休日 | 火曜日 |