
H-D FLH 1983
MAD LOUT MOTORCYCLE
誰もが扉をひらける
あなたの知らない世界
この時間、テレビ番組はどれも退屈だ。ひと通りのチャンネルを回してみても、ここ最近あがることはない。いつもの見慣れた面々と、判で押したようなフード番組はもうそれだけでおなかいっぱい。見るまでもなくわき腹が膨れてくる。
でも、それを嘆き悲しんでいることはない。バイク乗りであれば、何時であろうと、たった数分でも、近場をひとっ走りするだけであのゾクゾクと身震いするような感動を簡単に味わえてしまうのだから。
もちろんそれはこのチョッパーのオーナーにも等しく言えること。趣味にバイクを選んだのであれば、その人にはいつだって満たされた未来が約束されている。更に言うなら、作り手の住友さんからその手の多幸感が出ているのだから、それがお客さんに伝染しないわけがない。
「経緯は、最初このフレームにガーターフォークが付いている状態のをオーナーさんが見てこの感じが良いって。じゃあこれベースでチョッパーいきましょうかって。それでリクエストがネジネジのシーシーバーだったんでそれ合わせでしたね」
他にマストだったのがフロントのガーターフォーク。そこでツイストを入れたシッシーバーとの均衡を計りつつも、その両者の味が濃い目のために、別の外装部分については出来るだけシンプルに作っていったと言う。
「味付けに関してはオーナーさんと話ししながらですかね。まあモールディングはやったほうが良いよねとか。その都度相談しながらトッピングしていきました。シンプルに仕上げてそこから何かを入れていくという感じですかね」
まず、ガスタンクはスポーツタンクにデジタルメーターを埋め込んで成形。フレームメインチューブ上にツライチでマウントしている。
次にマフラーは太めの47.8φのステンパイプを使い、後方へわずかに角度を付けて設置。ハイバックシートはシートショップ『スカンク』に依頼したもので、モールディングを含めた塗装は『Sペイント』によるほぼお任せのペイントジョブだ。
「イメージは1940~’50年代のチョッパーの感じを残したものですね。これ自体は3年前のジョインツに出展してますけど、やっぱりこういうスタイルは色あせないんで良いかなとは思います」
誰もが無意識にテレビのリモコンやスマホを握る世の中にあって、それがバイクのキーに取って代わる世界があったとしても、悪くはない。
HARLEY-DAVIDSON FLH 1983 DETAIL WORK
HANDLE
快適なライディングポジションを生むハンドルは低めのプルバックタイプで、スクエアライザーで支持する。
MOLDING
モールディングと塗装はほぼ丸投げで『Sペイント』に依頼したとのこと。柔らかな色味と幾何学紋様で統一。
FRONT FORK
ほどよく伸びたフォークはオーナーからマストで指示を受けたガータータイプ。メーカー不明の米国製を配備。
GAS TANK
スポーツスタータンクをベースに、モトガジェット製メーターを埋め込み加工。マウントを作り直しハイマウント。
SEAT
高次の造形美を披露するハイバックシートはシート屋『スカンク』の仕事。腰回りのホールド性も適正を保つ。
SISSY BAR
無垢の角棒を炙りねじり込んで製作。すべてにツイストを入れるのではなくワンポイントとして取り入れる。
BUILDER’S VOICE
MAD LOUT MOTORCYCLE
住所 | 徳島県吉野川市山川町湯立239-1 |
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電話 | 088-342-5039 |
FAX | 088-342-4340 |
SHOP | MAD LOUT MOTORCYCLEのショップ紹介 |
営業時間 | 9:00 ~ 19:00 |
定休日 | 火曜日 |