H-D FXR 1990
WEST VILLAGE CUSTOM CYCLES
‘90年代が沸騰した
マルボロマンのリアル
「オーナーからは『どれだけお金と時間がかかっても良いんでメチャメチャ本物を作ってください』と。それで僕も、バイク屋人生をかけてリアルなものを一緒に作ろうかって言って始まったものです」
1992年に国内で上映された、俳優ミッキーローク主演の『ハーレーダビッドソン&マルボロマン』。当時一世を風靡したバイク乗りには有名な映画だが、その内容よりもむしろ、鉄肌剥き出しの外装とリアタイヤが露出されたワイルドなカスタムマシンの方にこそ多くのファンは夢中になったものだ。
そして、マルボロマンスタイルと呼ばれたそのマシンの人気に火が付き、’90年代のアメリカンムーブメントの中で一時代を築いた金字塔は、カスタムシーンの歴史において色濃い足跡を残している。
当時、沢山の人にインパクトを与え、真似をさせたマルボロマンスタイルを、限りなく本物に近く再現しようと言うのがテーマである。製作を請け負った主人の西村さんによればこのマルボロマン、正式名の『ブラックデス3』には本物とサポートで準備したクローン2台の計3台が用意されていたらしく、これまでほとんどの人が模倣してきたのはクローンの側だそうだ。
「まずミッキーロークが所有していた本物の方はDVDの表紙ですよね。中身で言うと最初のオープニングとガススタに到着するシーン。あとは有名なお姉さんを乗せて走り去って行くとことかね。他にもあるけどあとはクローンなんですよ」
オーナーの並みならない本気度を受け、妥協しないで取り組んだプロジェクトである。結果10年もの歳月をとっぷりと注ぎ込んでようやく日の目を見ることになった一台には、これまで多くのファンが挑んできたマルボロマンカスタムとは比べるまでもない情熱が注がれた。
「みんな勘違いしてるんですけど本物はリアのマフラーはぐにゃっと下を向いてないんですよ。あとはエンジンのロッカーカバーもスポーツスター用が付いていたり、実際作ってみた部分もDVDや資料で確認して違和感があれば修正しての繰り返しでしたね」
乗れないと意味がないことから、ホットなエンジン仕様や足の遠い乗車位置といった箇所はオリジナル通りではないものの、その他は西村さんが自信と覚悟を持ってやりきったマシンだ。
「僕もマルボロマンが好きでこの仕事始めたところがあるんです。あれを見てカスタムバイクはカッコ良いなって。だからお客さんも僕も本当に中途半端では作りたくないというのがありましたね」
HARLEY-DAVIDSON FXR 1990 DETAIL WORK
FRONT FORK
フロントフォークは純正φ41を装着。アウターチューブには『ブラックデス3』同様に旋盤でスリットを入れる。
GAS TANK
当時センセーショナルだった無塗装のガスタンク。ソフテイル用5ガロンに30’sスタイルのメーターダッシュを。
ENGINE
西村さんが突き詰めたと話す本物に使われていたスポーツスター用ロッカーカバー。エンジン仕様はストック。
REAR FENDER
フェンダーとシートはワンオフ。その下のフレームカバーは鉄板でモールディング後にサフェーサー仕上げ。
REAR SUSPENTION
13インチショックから換装したリジッドバー。スイングアームは純正をメッキ処理。マフラーは既製の長さを延長。
REAR END
‘90年代にファンを魅了したタイヤ剥き出しのリア周り。ルーカステールには忠実にバーコードナンバーを装着。
BUILDER’S VOICE
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