ハーレーのEVOダイナカスタム FXDWG 1997

H-D FXDWG 1997
WEST VILLAGE CUSTOM CYCLES

May 29th, 2019

ダイナの限りを尽くす
ディープブラック白書

今回の二号機もやはり、国内ばかりか海外のカスタムファンからの注目を集めている。特に記憶に新しいのは、先日名古屋で開催されたカスタムショー『ジョインツ2019』で、スリーピースのパッチを背負った本場のアウトローメンバーが入れ替わり立ち替わり細部を興味深く眺めていた光景だ。結局一号機の時もそうだったが、リアルな男たちの琴線に触れる何かがこのマシンにはあるようだ。

ハーレーのEVOダイナカスタム FXDWG 1997

「一号機はショベルで、今回はエボ。実はこの車両はずっと倉庫に眠っていたものなんです。もう塗装まで全部やってあって、後は配線を引いて登録するだけの状態だったけどしまい込んでしまってて(笑)」

そしてある時、登録して処分しようと引っ張り出して来た時である。時間を空けてよく見れば、シート下にオイルタンクがないことに店主の西村さんは気付く。「あれ、これやったらシバショベ(一号機)のコンセプト使えるな」。ジョインツの出展車両で悩んでいたこともあり、そこから導火線に火が付くのは早かった。

ハーレーのEVOダイナカスタム FXDWG 1997

シバショベのコンセプトである『オイルタンクはリアフェンダーへ、そして移行させたタンクの空洞部分にマフラーを通す』ことに準じて、’97年式のFXDWGを料理。元々ミッション部分にオイルタンクがあるモデルゆえ、リアフェンダー内にタンク機能を設けずバッテリーと電装関係を収納。マフラーは例のごとく、シート下のフレームを軸に、右から左へロールして取り回されている。

ハーレーのEVOダイナカスタム FXDWG 1997

そしてもうひとつのショータイムとなるフロント周りは、ショベルFLH用のフォークにパンヘッド用ナセルをフィットイン。アルミのごついブレーキサポートはひたすらサンダーで削り落とされ、フロントをノーブレーキにするためダブルフランジハブを同じく旋盤でカッティング。単にスプールハブにするのでは芸がないため、手作業で粘り強く仕上げられた箇所だ。

ハーレーのEVOダイナカスタム FXDWG 1997

更に、ナセルの中にはブレーキシステムを格納。実はこのマシン、フロントブレーキレスだがリアはダブルブレーキ化してあり、左のグリップをツイスト(前にひねる)するとリアの右側ブレーキが機能し、右足でペダルを踏むと左のブレーキが作動する仕組み。そのシステムがナセル内に集約されている。

ハーレーのEVOダイナカスタム FXDWG 1997

一号機というお手本があり、そこから少し進化させた感じだという二号機。果たして第何号機まで続くのか率直な質問をぶつけてみると、「自分のなかでは三号機までかな(笑)」と、のど越しうららかだ。

HARLEY-DAVIDSON FXDWG 1997 DETAIL WORK

ハーレーのEVOダイナカスタムFXDWGのハンドル

HANDLE

ワイヤー中通しのシンプルなハンドル周り。左グリップをツイストして右側リアブレーキを作動させるシステム。

ハーレーのEVOダイナカスタムFXDWGのフロントフォーク

FRONT FORK

FLH用フォークにパンヘッド用ナセルを合わせてノーブレーキ化。グロス/マットの黒と、黄色の色使いが秀逸。

ハーレーのEVOダイナカスタムFXDWGのエンジン

ENGINE

ストックEVOエンジンに、銀色のワンオフマフラーはシート下のフレームをロールして左側へとアクセス。

ハーレーのEVOダイナカスタムFXDWGのマフラー

MUFFLER

一号機と同じく本来あるオイルタンク部を通るコンセプト。有機的なうねりを持ったエンドはスラッシュカット。

ハーレーのEVOダイナカスタムFXDWGのリアブレーキ

REAR BRAKE

左側は右足ペダルを踏んで可動するスプロケットブレーキで、右側は左グリップに連動するディスクブレーキ。

ハーレーのEVOダイナカスタムFXDWGのリアカウル

REAR COWL

タイヤとのクリアランスが拮抗するリアカウル内にはバッテリーと電装系を収納。立体的デザインとされた。

BUILDER’S VOICE

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