MOTOR CYCLE PANDEMICのパンヘッドのエイジングガレージチョッパー EL 1952年

H-D EL 1952
MOTOR CYCLE PANDEMIC

February 19th, 2024

リアルさを追い詰めた
エイジングの社交ブレイキン

迎える側も迎えられる側もお互いに気分が良い。そんながっしりと首に腕を回されるような男っぷりの溢れた店主が営むチョッパー屋である。嶋田さんはこれまで、数台のショーバイクを年末に行われる横浜ホットロッドカスタムショーに投下してアワードを獲得してきたが、今回は若干毛並みの違うチョッパーで勝負に出た。

MOTOR CYCLE PANDEMICのパンヘッドのエイジングガレージチョッパー EL 1952年

「コンセプトとしてはアメリカ人の作ったガレージチョッパーですね。なので作り込む所はもちろん作り込んでるんですけど、手を抜く所は抜いて微妙な雑さを出してます。あとはエイジングペイントの方に全振りした感じです」

昨年手掛けた鮮やかなショーカスタムとは対照的なエイジングチョッパーである。そしてその要(かなめ)となるエイジングだが、経年劣化したヴィンテージパーツではなく、フレームから外装、ひいてはエンジンロッカーカバーまでがニューペイントで塗られている点がハイライトだ。

MOTOR CYCLE PANDEMICのパンヘッドのエイジングガレージチョッパー EL 1952年

まず、値打ちのある純正フレームやガスタンクをベースに加工しているだけでも豪儀だが、そんな一部のコレクターたちの悲哀をよそに、全方位塗装で経年劣化の風合いを出しているところが規格外である。

MOTOR CYCLE PANDEMICのパンヘッドのエイジングガレージチョッパー EL 1952年

「純正品を使うのは最初もったいないなって思ったんですよね。でもやっぱりチョッパー屋なんで改造欲の方が勝ったんで、やっちゃうかって(笑)」

この辺のコメントが実に同店の空気感を現わしていて、氏の竹を割ったような性格と高めの体温に惹かれて熱心なファンが足を運んでいる。もちろんそれに付随したこうしたテクニックが人気の土台を固めているのは問うまでもないだろう。

MOTOR CYCLE PANDEMICのパンヘッドのエイジングガレージチョッパー EL 1952年

さて、ペイントは最初に下色を塗った後に黄色やエアブラシを入れ、その際に塗膜をわずかに剥がしたりクラックを入れて凸凹感を確保。その上から黒目のベースを吹いて、茶色や焦げ茶色、黒色を表面に叩いていき錆び感を演出。このとき、バイクが実際に錆びやすい箇所をしっかりと意識してリアルな感じを出すのがポイントだそうだ。

「錆のリアル感は海外から仕入れた車両なども良く見たりしていつも注視してます。やり過ぎてしまうとどうしても作り物っぽくなってしまいますから」

MOTOR CYCLE PANDEMICのパンヘッドのエイジングガレージチョッパー EL 1952年

ペイントもそうだが、フロント周りのボリュームに合わせてカチ上げたリアフェンダーの補完やシッシーバーのハイトなど、やはり全体の見晴らしの良さを確実に抑えてこそのエイジングである。でなければ、昨年に続いて繰り返しアワードに選出されるのは生半可なことではない。

HARLEY-DAVIDSON EL 1952 DETAIL WORK

パンヘッドのエイジングガレージチョッパー EL 1952年のハンドル

HANDLE

ライザーとエイプハンガーは元々のベース車両に付いていた物をそのまま使用。この辺の風合いに全体を統一。

パンヘッドのエイジングガレージチョッパー EL 1952年のフロントフォーク

FRONT FORK

純正グライドフォークを採用。ブレーキやホイール周りも純正でタイヤにファイアストンのレーシングを選択。

パンヘッドのエイジングガレージチョッパー EL 1952年のガスタンク

GAS TANK

パンヘッド純正タンクを使いエイジング加工。クラックや錆び感、色味といった経年劣化のリアルさを追求した。

パンヘッドのエイジングガレージチョッパー EL 1952年のエンジン

ENGINE

エンジンのロッカーカバーはフロントが本物で、その風合いに合わせてリアのメッキの新品をエイジング処理。

パンヘッドのエイジングガレージチョッパー EL 1952年のリアフェンダー

REAR FENDER

跳ね上げた5インチフラットフェンダーは一度カットした後に溶接でつないで成形。エアブラシや錆び感が際立つ。

パンヘッドのエイジングガレージチョッパー EL 1952年のシッシーバー

SISSY BAR

手元にあったキング&クイーンシートありきでシッシーバーやフェンダーを製作。頂にオーナメントを添える。

BUILDER’S VOICE

MOTOR CYCLE PANDEMIC

住所 千葉県旭市高生490-8
電話 0479-71-1219
FAX 0479-71-1219
SHOP MOTOR CYCLE PANDEMICのショップ紹介
営業時間 9:00 ~ 18:00
定休日 不定休