H-D XLH1200 1993
WEST VILLAGE CUSTOM CYCLES
女性オーナーに用意した
柔らかなグリーンジャーニー
「これはウチでは初めての女性のお客さんのです。今までは男性のバイクだけだったんですけど紹介で来てくれて、その女性もバイク自体初めて乗るっていう。でまあ中免を取ってからなんで、まず相談で足を運んでくれたんですよ」
店側もお客さんも初めて同士というフレッシュな関係性から始まった青写真である。そこでまず、主の西村さんは車両の手配から動き出すが、ウエストヴィレッジの慣習に『極力オーナーと同じ生まれ年のものを探す』というのがあり、ちょうどそこに出物が舞い込んだ。
「たまたまウチのお客さんが乗り換えるタイミングの下取り車があって、その年式が女性と合ってたのでそれしかないよねって。その時はまだSRとか他のバイクも候補に挙がってたんだけど、凄いの作ってあげるからハーレー乗りなよって」
そこから彼女の導火線にぽっと火が灯り、大型免許を取る流れになったと言う。とはいえ、同店では初の女性オーナーである。いったいどうしたら乗りやすく出来るかに頭を絞り、本務であるチョッパービルドでの思考をいったんスイッチ。『乗りやすさ』という面に着眼して一歩ずつカスタムは進められた。
大前提にコンパクトであること。そして次に、操作がしやすいことを心がけ、西村さんは特にハンドクラッチの重さに苦心した。これは慣れてしまえば気にならないが、長時間では男性女性問わずに堪える部位である。そのためクラッチワークがとにかく軽くなるようにとクラッチディスクを変え、MRCクラッチも投入。更に、ワイヤーにたっぷり注油するなど万策を尽くし、なんとか250ccクラスの軽さにまで持っていかれた。
「一番はクラッチだと思うんでそこだけですね。注油もしまくってなるべく柔らかくなるように(笑)。あとは足つき性です。リアにリジッドバーを入れて限界まで車高を下げてます」
当初はスイングアームを延長して車高を落とすやり方も考えたが、それだと若干車体のボリュームが前後に増えてしまう。なので単純にリジッドバーで下げる手法を取り、併せてフロントフォークの突き出し量も調整。変にリア下がりのシルエットにならないよう水平感が保たれている。
「まあ本当にこういうバイクに乗るなんて一個も想像できないような普通の女性なんです。でもすぐに大型免許まで取ってきて。だからウチでは初めての女性のお客さんですけど出来るだけのことはしてます。やさしい仕様にしてありますね」
HARLEY-DAVIDSON XLH1200 1993 DETAIL WORK
HANDLE
ブラックハンドルは汎用品をベースにしてナロード加工。女性オーナーの操作性を考慮してプルバックとされた。
FRONT FORK
純正のフロントフォークはリア周りの車高に合わせて突き出し量を調節。地面との水平ラインが保たれる。
GAS TANK
タンクは同店オリジナルのピーナツタンクを装着。グリーン塗装上にアイコンのショップグラフィックが描出。
SEAT
シートにはホールド性を担保したソロデザインを選択。リアフェンダーはカットしたソフテイル用ステーで支持。
MUFFLER
ブラックアウトしたターンアウトタイプ。スイングアームは元々付いていたメッキ仕様をそのままセットする。
REAR END
リアサスではなく11インチ・リジッドバーを更にカットしてマウント。そこに同色のナンバーステーを接合。
BUILDER’S VOICE
WEST VILLAGE CUSTOM CYCLES
住所 | 三重県津市幸町15-27 |
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電話 | 059-222-1185 |
FAX | 059-223-0994 |
SHOP | WEST VILLAGE CUSTOM CYCLESのショップ紹介 |
営業時間 | 13:00 ~ 21:00 |
定休日 | 水曜日 |