YAMAHA SR400 1990
BERRYBADS MOTORCYCLE
真空でコーティングされた
自警のクラシックレーサー
違和感なく、スーッと目の奥に染みこむような普遍的なレーシングスタイルだ。スピードを追求した研ぎ澄まされたシャープなボディには、万人の胸に刺さるつやっぽさがある。大なり小なりどのバイク乗りの琴線にもふれる空気感は、この手のカスタムを包む昔ながらの不可侵領域だろう。
店主自らクラシックレースにどっぷりと、頭まで浸かった、滋賀県『ベリーバッズ』によるSR400。これまで杉本さんのレースへの熱は留まることなく、常に高みを目指してたぎり続けている。そんな氏が手掛けるレーシングスタイルとあって、挙動に無駄はなく、すべては本質を突いた指し手でチェックされた。
「実はお客さんが集めたバイクを3個イチにしてます(笑)。インターネットでええ部品付いてる安いSRってあるじゃないですか。そういうのを集めたはって、ウチでそれを組み合わせて作った感じですかね」
依頼内容は、フルカウルと3台の中の好きな部品を使って欲しい。そしてそこに予算が伝えられ、あとは一任されたそうだ。となると話は早い。レーシングスタイルは氏にとって勝手知ったるホームなだけに、手を動かせばおのずと導かれる勝利の数式がある。
まずホイールは前後18インチを選択。そこにフォークはセリアーニの35φを採用し、カウルに汎用のTZレプリカをリメイク。曰く、「前後ホイールが19/18インチだとこの雰囲気は多分出ない」と言うが、ここで3個イチの恩恵をフル活用。今や単品で買えばかなり高価な代物となった18インチキャストを有効にセットする。
一方、タンクはアグスタタイプを取り付け、リアショックは15mmアップのYSS製を設置。わずかにリアを上げたフォルムでアグレッシブを高めている。そしてマフラーは同店のオリジナルで、スイングアームにはカスタムハウススティンキーのイモラタイプを装着。目立ったパーツを単品で浮かせることなく巧みにバランスさせている。
また、氏のレーサー目線による足周りの手配は十全だが、他の部位に関しても走りのスペシャリストの目は光る。スロットルには利便性の高さからスイッチ付きのミニ用を流用し、フットコントロールにはボアエース製バックステップを。クラッチは荒木エフマシンの乾式タイプでパフォーマンスを上げている。
クラシックレーサーのムードが漂う、関西きってのレース狂が吹きこんだSR400。やはり分かった男が仕上げるフォルムには、最短距離でゴールをつなぐかの痺れる所作がある。
YAMAHA SR400 1990 DETAIL WORK
HANDLE
レーシングスタイルに欠かせないセパハンにはチャックボックス製を。三つ又には市販のTZタイプを使用。
FULL COWL
汎用TZレプリカのカウルをリメイク。ステー類を全て作り直し、ペラペラだった厚みはFRPで強化された。
FRONT WHEEL
ワイズギア製18インチを前後に装着。スタビを取り付け剛性を高め、ブレーキキャリパーはハーレー用を使う。
SWINGARM
スイングアームはカスタムハウススティンキー製イモラタイプをセット。リアショックは15mmアップのYSS製。
MUFFLER
マフラーはベリーバッズオリジナルのショートメガホン。クラッチは荒木エフマシンの乾式タイプを採用。
SEAT COWL
シートカウルは内部に小物が入るモトティーポB製。ボルトオンパーツを有効に使いバランスが取られてゆく。
BUILDER’S VOICE
BERRYBADS MOTORCYCLE
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