ハーレー パンヘッドチョッパー FL 1953

H-D FL 1953
HAMANS CUSTOM

April 19th, 2021

陶然と組み立てる
追憶のバイオレット

本能的に惹きこまれるような色気がある。どのチョッパーを触らせても、毎回音もなくその存在感を強烈に発光させ、『美しさ』なんて言葉じゃ片づけられない中毒性の魅力が、正直つらい。ハマンズカスタム。呼吸を乱すことない滋賀県のハスラーが仕留めた一台に身をゆだねたい。

ハーレー パンヘッドチョッパー FL 1953

「まあ’60年代の雰囲気が好きなんでそれを根底にして作ってます。あとはウチでしか作らないようなものが出せたらなとは思ってますね。正直当時にこんなバイクが走ってたかどうかも僕はわからないですけど」

作り手の松本さんの出生はチョッパーだけではなくカスタムカーにもある。ひとつのカルチャーだけで咀嚼(そしゃく)しないアイデアの空中戦が、同店が繰り広げる鮮やかな景色の源泉だ。しかも表面だけをさらった付け焼刃の知識ではない、奥深くまで潜りこんで得た造詣がパンチ力を増す。

ハーレー パンヘッドチョッパー FL 1953

見事なプロポーションの中に、同店ならではの手法がある。例えばテールランプの装着。通常フェンダーの上にそのまま載せて付けるのが一般的だが、これはフェンダー側をへこませてその窪みにピタリと収まるようにテールランプを配置。こうしたカスタムカーに用いられた技法を使いつつ、ランプには’30年代のアメ車用マーカーを採用するなどディテイルへのケアも徹底される。

ハーレー パンヘッドチョッパー FL 1953

またハンドルは、全体のラインをさり気に細く見せるよう1インチ径ではなく7/8を選択。このわずか数ミリの違いで変わるマジックにも周到に目が届く。他に、両出しのマフラーや当時のウールリッチを使ったヴィンテージシートも際立つが、ガスタンクに目を向けたい。

オリジナルのタンクをそのまま付けたのでは単なるボバースタイルで終わってしまう。そこで中央のカバーをワンメイクすることで、一気に印象を変えている。同店固有のこのスマートな装いは、豊富な引き出しもさることながら、育(はぐく)んできた一級の加減がものを言う。

ハーレー パンヘッドチョッパー FL 1953

「もちろんチョッパーも好きですけどカスタムカーも好きなんで、その空気感というのか、自分が若い頃に雑誌とかで見たものを表現出来たらなと。言葉ではうまく言えないあの雰囲気をバイクで出せたら良いなぁと思ってます」

ハーレー パンヘッドチョッパー FL 1953

カスタムカーの塗装法であるフェイドアウェイのカラーリングも然り。しかし過去の焼き増しではなく、そこに氏が自分の目で見てきた全ての世界を落とし込んだオンリーワンにはみずみずしい七彩がある。

HARLEY-DAVIDSON FL 1953 DETAIL WORK

パンヘッドチョッパー FL 1953のハンドル

HANDLE

ハンドルにはハマンズオリジナルの商品をセット。1インチ径ではなく7/8径を使い全体のラインを細く見せる。

パンヘッドチョッパー FL 1953のフロントフォーク

FRONT FORK

フォークはアイアンショベル用33.4φで、フォークカバーはスチールでワンオフ。ライトは汎用シールドビーム。

パンヘッドチョッパー FL 1953のガスタンク

GAS TANK

パンヘッドオリジナルをベースに丸いラインと同調させたカバーを装着。塗装はフェイドのバイオレットカラー。

パンヘッドチョッパー FL 1953のシート

SEAT

全体のスタイルに合わせてシートには’60年代のヴィンテージ・ウールリッチの生地を探して来てそれを使用。

パンヘッドチョッパー FL 1953のマフラー

MUFFLER

マフラーは左右出しのポーカーパイプで、チェーンカバーは単一で製作。シンプルな中に個性が光るリア周り。

パンヘッドチョッパー FL 1953のリアフェンダー

REAR FENDER

カスタムカーの技法に倣いテールランプをマウント。ランプに’30年代のパッカードのマーカーランプを用いる。

BUILDER’S VOICE

HAMANS CUSTOM

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SHOP HAMANS CUSTOMのショップ紹介
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