HONDA XL230
SHALLOW MOTORCYCLE SHOP
平静と熱情の
リ・ジョンソン
チョッパーやボバー、そしてカフェスタイルまで、ひとつ箇所に留まることなく、いつだって携えた翼を大きく広げて飛び回る。そんな印象だ。しかも、どのカスタムを触らせてもキレが良く、手抜かりがない。でも、かといって、特別作り込みや本人のキャラクターで売ってる訳でもなさそうだ。しいて共通項を見出すならば、バイク全般に漂うストリートの空気感とでもいったところだろうか。
「これはホンダのXL230。まあスクランブラーですけどアルミやメッキパーツをいっぱい使って、ちょっとゴージャスな感じに見せるみたいなところです」
店主の浅井さんが今回手掛けたのは、ホンダベースのスクランブラー。そして、特筆すべきはほぼ既製品で仕上げた点だろう。
「ワンオフパーツではなく既製品で作ってます。マフラーは毎回綺麗なラインになるように悩むんですけど、今回はフレームの内側を通すんでそこのクリアランスの問題とか、あとはタンクもなるべく加工しないで付くようにとかいろいろ考えてやりました」
既製品とはいえ当然マフラーの取り回しや、各パーツの装着には相応の労力が注がれている。作り物がない代わりに、それらをフィッティングするためのステーは結局全部ワンオフされた。
「パーツ自体は大変だから加工しないようにしてます(笑)。でもステーは一個一個作って、バランスを見ながら一番良い位置を探して取り付けてます。だからなんだかんだで時間かかりましたね」
同店でのスクランブラーの製作は過去数台。その中でも今回のホンダは、既製品を使っているからライトカスタムなのではなく、外装にはすべて手を入れてるためフルカスタムの扱いだ。それを尋ねた際の氏のきりっとした口調に、既製品はあくまで方言で、作り手でしか分からない幾多の奮闘があったことを知る。決して多くを語らないビルダーだからこそ、言葉の端々に見せる仕草やキーワードが何よりの道しるべだ。
「まあアルミ外装でレーシーな感じにするのと、あとはシートが良い感じですよね。これはワンオフで作ってもらったもので、茶芯の馬革です」
他は、フットコントロールのペグを作った程度で、あとは例の既製品。誰もが平等に手に入れることのできるパーツを使い、最後は一糸乱れず両足を揃えて『ダンッ!』、と見事な着地を決め、高らかに両手を上げる。結果当然、普通踏ん張ることの出来ないその脚力に、得点はかさむ。
HONDA XL230 DETAIL WORK
FRONT FORK
フォークはXLのノーマルを使い、汎用フェンダーはアンダーブラケットに固定出来るようステーを製作。
GAS TANK
外装のアルミパーツがポイント。市販のタンクを用い、最良の位置に設置すべくステー類はすべてワンメイク。
SEAT
交流のあるシート屋に依頼した部位。茶芯の馬革を使うことで独特の質感を醸し、また経年劣化も楽しめる。
MUFFLER
フレームとリアショックの内側を通るライン。そのため干渉しないように『逃げ』の凹みを加えてマウント。
CHAIN GUARD
チェーンガードも外装のテイストに準じたメタルパーツを装着。リアショックなどはストックをそのまま使用。
REAR FENDER
汎用のリフェンダーに同じくルーカスタイプの汎用品を選択。そしてライトにキャッツテールを合わせる。
BUILDER’S VOICE
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