トライアンフ TR6 TROPHY 1967のチョッパーカスタム

TRIUMPH TR6 TROPHY 1967
SHALLOW MOTORCYCLE SHOP

May 17th, 2018

ペースを乱さない
こだわりのタグ付け

派手さはないが、深みのあるトライアンフTR6。バイク単体の存在感もさることながら、軽快に駆け抜けるライディングシーンが目に浮かぶチョッパーだ。

手掛けたのは、この手のストリートに映えるカスタムに定評がある『シャローモーターサイクルショップ』。元々あったカタチに、再度一個一個の部品を見つめ直してリメイクした一台だと言う。

トライアンフ TR6 TROPHY 1967のチョッパーカスタム

どこか一部分が浮くこともなく、個性の強いパーツ群をそつなく全体に調和させるバランス感覚は健在。そして、各ディテイルに目をやれば、吊るしの状態をポン付けしただけではない同店のカスタムマナーが見て取れる。

「まあ手曲げのマフラーですかね。あとはタンクの幅を詰めて、ガスキャップもイギリス式にこだわってます。それを付けるために、キャップの受け口はタンクの裏から溶接してる。表からだとビード(※溶接時の溶接痕の盛り上がり)が出ちゃうんですよ」

トライアンフ TR6 TROPHY 1967のチョッパーカスタム

店主の浅井さんはひと言ひと言、丁寧に言葉をつむぐ。マフラーを手曲げにしたのは、前方の大きなアールを描くにはそれしかなかったためで、砂を詰めて炙って曲げるという一連の工程を経て仕上げたものだ。また、ガスキャップの受け口も、わざわざタンクを割って中から溶接するという知られざる手間がかかったパート。多弁ではない氏だが、聞くほどに、意外性のある作りが露わになってゆく。

トライアンフ TR6 TROPHY 1967のチョッパーカスタム

シートも一見普通のソロシートに見えるが、ここにも特徴がある。シートの前と後ろに鉄板を足してホールド感をアップ。両サイドはバランスが取れるようわずかにシェイプして成形された。曰く、「鉄板を足しただけ」と苦笑するがしかし、このチョッパーでのウエイトは大きい。

トライアンフ TR6 TROPHY 1967のチョッパーカスタム

安定感を増したホールド性ばかりか、タンクからリアフェンダーへと続くスムースなボディラインにも貢献しているのが分かる。前後共にたった2、3cmの延長と曲げがアドバンテージとなり、大枠の一体感を高めているから頭が下がる。

トライアンフ TR6 TROPHY 1967のチョッパーカスタム

他に、フロントフォークは純正をそのまま使い、前後ホイールはフロントのみインチアップを図り21/18インチを装着。そしてフレームには触らず、後部にボルトオンハードテイルを組み込み、狙ったトライアングルのシルエットを入手した上で、当初の『一個一個見つめ直した部品』で化粧直し。スピーディーに加速する後姿が目に浮かぶ一台だ。

TRIUMPH TR6 TROPHY 1967 DETAIL WORK

トライアンフ TR6 TROPHY 1967のハンドル

HANDLE

つなぎの溶接痕を敢えて残したほど良いハイトのプルバックバーはワンオフ。メーターは名品スミスを装着。

トライアンフ TR6 TROPHY 1967のフロントフォーク

FRONT FORK

オールドトライアンフの素性を活かしてフォークは純正をそのまま採用。ヘッドライトはユニティ製となる。

トライアンフ TR6 TROPHY 1967のガスタンク

GAS TANK

ワンオフタンクにイギリス式ガスキャップをセット。塗装は夜にブラックに見えるよう配色したものだと言う。

トライアンフ TR6 TROPHY 1967のリアフェンダー

REAR FENDER

リアフェンダーはワッセル製。シート後端に鉄板を継ぎ足し、わずかに持ち上げてホールド性を高めている。

トライアンフ TR6 TROPHY 1967のシッシーバー

SISSY BAR

高さはミディアムハイでワンオフ。端のフレームジョイント部は、潰したパイプに丸棒を差し込んで整形した箇所。

トライアンフ TR6 TROPHY 1967のマフラー

MUFFLER

レーシーなストレートパイプとしたマフラーもワンオフ。前側のアールを形作るため手曲げで製作された。

BUILDER’S VOICE

SHALLOW MOTORCYCLE SHOP

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