ヤマハ SR500 1983のスクランブラーボバー

YAMAHA SR500 1983
2%ER

January 20th, 2018

駄菓子屋の
まっ赤なスモモ漬け

いまとなってはほとんど見かけることのない駄菓子屋である。店主の山口さんを囲んでスタッフ数名とお客さんが、誰かからの土産物を囲んで談笑。上がりがまちのようになったそこで楽し気に休憩する姿は、昔はどこの駄菓子屋にもあった光景と妙にリンクする。

そんな居心地の良さを放つ張本人の山口さんは、いつものよく通る声と、竹を割ったようなサッパリ感でこう話しだした。

ヤマハ SR500 1983のスクランブラーボバー

「長年付き合いのあるオーナーは、この前にライトカスタムのSR400に乗ってたんです。それでその間にじっくりじっくり話し合って、オーナーが好きな’60年代のレーサーの雰囲気を入れつつ、ボバーだとかスクランブラーの要素も取り入れた感じ」

そのイメージを形作るのに、オリジナルのボルトオンハードテイルを活かしたシンプルなフレームと、要所のヴィンテージパーツがここぞとばかりに与えられた仕事を全う。それは代打で送りバント的な、きっちりとした期待通りの役割を果たしている。

ヤマハ SR500 1983のスクランブラーボバー

「リアフェンダーは’20年代のフォード・モデルAのです。その後ろに付いているスペアタイヤカバーを半分にちょん切って、今回は少し浮かし気味に付けた。その方がレーサーの軽快感が出ますから」

ヤマハ SR500 1983のスクランブラーボバー

これは’50~’60年代の常套手段で、当時はチョッパーやボバーにクルマの一部を取り付けるのは当たり前だったと言う。このあたり、ただのSR屋だと思ってなめてかかったらカウンターを浴びる箇所だ。なんせ異ジャンルの造詣もビッと保持した店である。でもだからこそ、同店のカスタムは他ショップと同一線上に並ぶことがない。

ヤマハ SR500 1983のスクランブラーボバー

「マフラーの左出しは分かりやすくですね。イメージしたのが’60年代の未舗装路で、当時楽しくバイク遊びをしてはった人らがその未舗装路でも飛ばすし、ちょっとダートっぽいところでも遊ぶっていう、土っぽいスクランブラーの雰囲気をアクセントにしたかった」

全体の印象に合わせて、タンクは古めのロイヤルエンフィールドの物を幅詰めし、外装を始めステーひとつに至るまでエイジング加工を実施。この、一度塗装を全部剥いだ上で経年劣化したかのように見せる新品塗装は、にわかに信じられないほどのリアリティがある。

ヤマハ SR500 1983のスクランブラーボバー

やはり、駄菓子屋。子供にとってのそこがあまりにもキラキラした存在であったように、例えいい歳したおっさんに登場人物が変わろうとも、笑顔が交差したその空間には同じようなまばゆさを覚える。

YAMAHA SR500 1983 DETAIL WORK

ヤマハ SR500 1983のフロントフォーク

FRONT FORK

フォークは純正ストック長にブーツカバーをアクセントに。ヘッドライトはメーターインの英国製レプリカ。

ヤマハ SR500 1983のガスタンク

GAS TANK

タンクは古めのインド産ロイヤルエンフィールド製を幅詰め。クロームの荒い処理はすべて計算してのもの。

ヤマハ SR500 1983のエンジン

ENGINE

エンジンは、『速い』。カムシャフトを含めてすべて手を入れた525ccのフルチューン。キャブはFCRで武装。

ヤマハ SR500 1983のマフラー

MUFFLER

‘60年代の土っぽい雰囲気をイメージして左出しでワンオフ。表面はエイジング加工でヤレたテイストを醸す。

ヤマハ SR500 1983のリアエンド

REAR END

リアフェンダーはモデルAのスペアタイヤカバーを流用加工。ライトはオリジナルのクロッカータイプを装着。

ヤマハ SR500 1983のリアホイール

REAR WHEEL

18インチのリアホイールはスペインのアクロン社製リムをセット。研ぎ澄まされたパーツチョイスが光る。

BUILDER’S VOICE

2%ER

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電話 077-526-7016
FAX 077-526-7016
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