HARLEY-DAVIDSON FLH 1979
HEI CHOP SHOP
ライムにのせた
要注意ボーイズ
インスタグラムで知った、『ヘイチョップショップ』。あるときアップロードされていた、ショップ紹介のPVが衝撃的だった。ヒップホップのリズムにのせて韻を踏んだライムやフロウ、そしてサビのフックで一瞬息が詰まりそうになる。もはやカッコ良いとか悪いの問題じゃなく、「待ってました!」とスタンディングオベーションしたくなるほどの心持ちだ。知る限り、カスタム屋でこうしたPVを披露したのはココが初だし、演じる本人たちに照れがなく、おおマジなところがたまらなく良い。
会ってみれば案の定のビンゴ!だった。でも、そこだけにズップリではなく、あくまでもちょっとした遊び心でのていである。本業のバイクやトレンド、今後の仕掛けなどをバランスさせたアクションは未来を感じさせ、一筋縄ではいかない個性的な人柄がそれに拍車をかける。では、バイクに視点を移そう。
「僕が世話になってる先輩の紹介で来てくれた人で、よそでエンジンとかもやったみたいだけど調子が悪かったんすよ。でまあ結局エンジンをバラしてやり直したんだけど、結構ハマりました。最初にオーバーホールしてるって話だったんで」
蓋を開ければカムベアリングの粉砕である。となれば、安心を買うならおのずとクランクケースを割るほかない。当初の予定からはかけ離れたヘビーなメニューをこなしつつ、外装はオーナーが持ち込んだ写真通りに製作していった。
「カタチもそうなんすけど、まあほんと調子良く乗ってもらいたいなっていうのがあったんすよ。調子良く乗らんと意味ないじゃないですか。そこが一番ですかね」
やり過ぎないように配慮して作った一台の、シッシーバーにふと目が留まる。工場に並ぶ他のバイクもそうだが、そこだけどれもなかなか手の込んだ作りだ。なぜだろう。
「普通で良いんですけど僕にとってはちょっと難しいんすよ、……たぶん性格で。普通にやるのは簡単じゃないですか、……だからなんか難しいんですよね」
ずーっと考え込んで、眉間にしわを寄せて絞り出すように答えてくれたコメントだ。店主平生さんにしか分からないその難しさが、ダイレクトに胸に響いてくる。
普通が難しい。それは、人と同じが難しいという意味でもある。普通が出来て、難しいも出来るのとはちょっと意味合いが違う。個性的であればあるほど、こうしたジレンマを人知れず抱えることが常だ。でも、だから、ヘイチョップショップは次代のブラックリストに躍り出る。
HARLEY-DAVIDSON FLH 1979 DETAIL WORK
HANDLE
操作性の高さを想像させるエイプハンガーは手前へのベントを抑えてワンオフ。メッキをかけて仕上げる。
FRONT FORK
純正41φフォークに、ヘッドライトは社外の5-3/4インチをセット。スタンダードなフロントマスクとなる。
GAS TANK
タンクはVツインの3.5ガロンレプリカを使用。落ち着いたベースカラーに入るピンラインが大人の印象を醸す。
OPEN PRIMARY
オープンは2インチベルトとなり、ミッドハイのステップはワンオフで製作。シンプルな1次駆動周り。
MUFFLER
2インチパイプを使ったマフラーはオーナーの好みの造形に完成。ターンアウトタイプの音質は良好である。
SISSY BAR
いわゆる丸棒を左右均等に曲げたような普通が難しい。そこで、こうした作りがビルダーのスタンダードとなる。
BUILDER’S VOICE
HEI CHOP SHOP
住所 | 愛知県高浜市沢渡町2-6-2 |
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電話 | 0566-91-9505 |
FAX | 0566-91-9505 |
SHOP | HEI CHOP SHOPのショップ紹介 |
営業時間 | 10:00 ~ 19:00 |
定休日 | 水曜日、第1・3木曜日 |